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(光背の清掃作業中)
(株)文化財マネージメントの宮本です。
本プロジェクトで修復を担当していただく吉備文化財修復所の代表・牧野隆夫さんからコメントをいただきましたので、下記に掲載します。
吉備文化財修復所の代表・牧野隆夫です。
源宗寺本堂保存修理委員会から、本堂工事に伴う仏像の取り扱いについてアドバイザーとして委員会参加を要請され、埼玉県下最大の木造仏、熊谷市指定文化財「おおぼとけ」の保全について意見を述べて参りました。
昨年暮れには本堂の解体・建て替えに伴い、像2体の仮屋への大移動を担当し、委員会諸氏始め市民の皆様方のご協力の下、無事に完了致しました。
その前後の調査で制作後350年近くを経て、寄木造である像は接合箇所が傷んでおり、欠損している箇所もあり、手当てをするべき時期が来ていることが分かりました。
同時に造られた台座と光背も長年の汚れに加え傷みも生じており、特に幅5メートルを超える台座は、床板が腐って抜けている部分もあり虫食いもひどいため、像を再安置し末長く護るには大掛かりな補強を行う必要があります。
8月後半から仮屋の中で修復作業に入り、9月後半現在で光背の補修をほぼ終え、台座の細かい補修を進めております。
10月初めには台座光背を新本堂に戻し、そちらで台座の組み立て、補強、床板張りなどを行います。同時に仮屋の中では、像の周りに足場を組み像そのものの修理が開始されます。
吉備文化財修復所は、1988年の設立以来350体以上の指定・無指定にこだわらず仏像修理を行ってきました。
その中でも今回は1、2を争う大きさの案件で現地への出張作業ということもあり、普段と異なる緊張感の中での仕事となっています。
両像の御加護を賜り無事に大役を果たせるよう、支援者の皆様方と力を合わせ完遂したいと願っております。
作業の進展はこちらのコーナーや、吉備文化財修復所のFacebook、牧野隆夫のTwitterに上げております。ぜひご覧ください。