●はじめに
【学生×伝統産業】町家再生プロジェクト 八女の自然と町並みを守る店舗を作りたい!を応援・ご支援いただきありがとうございます。プロジェクトリーダーの中村です。9月に入り、85名以上の方々にご支援いただきました。本当にありがとうございます。残り20日ほどになり、学生たちも多くの方にプロジェクトを知ってもらおうと更に熱量を上げて活動に臨んでいます。
●町家再生のきっかけ
今回はこのプロジェクトを立ち上げるきっかけともなった町家再生についてお話します。ボクが生まれたのは福岡県八女郡広川町。この町家があるのは八女市。隣町になります。八女市の想い出といえば福島八幡宮の秋のお祭り「燈籠人形」の日。福島八幡宮の近くにある町家に家族と親戚みんなで遊びに行きました。そこが祖母の実家だったのです。その頃は、そんなに特別な建物だとは思わず、ただ自宅とは違う変わった家だなという印象だったと思う。伝統工芸のすだれを製造する会社に勤める今では、この町家の魅力がよくわかります。伝統を守ることがいかに大変なのか?職人の技術がいかに素晴らしく、継承するのが大変か?がわかるからです。
まず、なぜ町家を再生しようと思ったか?についてお話しします。勤める会社はすだれをはじめとした天然インテリア(敷物・家具)を卸すのが主な業務です。新型コロナウイルス感染症の拡大により、緊急事態宣言となり、卸先である百貨店やインテリアショップが休業や時短営業に追い込まれ、大打撃を受けました。それを機に、卸売は外的要因で大きく左右されることと、自社の顧客ができづらいことがあり、今後は小売業を始め、自分たちの商品は自分たちで販売して、自分たちのファンを作っていくべきだという考えが日に日に強くなっていきました。
では、どこに店舗をつくろうか?と考えた時に浮かんだのが、八女福島の町並みでした。八女福島は江戸時代末期に商人や職人が集まる場所として整備され、栄えた町並みです。それが現在も続いているだけでなく、伝統工芸を製造する職人と匠の技術も残っているのです。そんな場所に伝統工芸のすだれをはじめとした天然素材インテリアショップがあったら、100年以上、伝統工芸「八女すだれ」を製造してきた企業イメージも伝わる。町家は豊かな自然の中で育った素材と、先人の職人の技術の結晶です。そんな町家に商品を並べれば、多くの方に天然素材インテリアの魅力が、ダイレクトに伝わるんじゃないかとおもったからです。
●空き家活用について
以前から、地方で問題となっている空き家を活用したい!との想いがあったのも、町家再生をしたい!とおもった理由のひとつです。店舗予定地の町家も約26年間空き家でした。この町家は築153年。明治元年の建物です。オーナーの國武さんはこの家が好きで、綺麗に手入れをされていました。建物は住む人の人柄もあらわれるようで、この町家をボクが選んだのもそういうものを感じたからです。
町家を紹介してもらうと同時に、ボクは國武さんにプロジェクトの内容と、店舗を通じて、八女の自然と町並みを守っていきたい!との想いをお話しました。そして、そんな想いに共感していただきました。
國武 稲子さん
プロジェクトへ向けて。
地域再生には元々興味を持っていましたが、この歳になると自分で一から何かを始めるエネルギーがなく、悩んでいました。そんな時に、中村さんとの出会いがあり、今回のプロジェクトのお話を伺い、協力したいなと思いました。この周辺は、お年寄りばかりの町になって凄い寂しい感じだったのですが、最近少しずつお店が入ってきてすごく嬉しいです。この町とこの家が好きなので、好きなものが息づいていってほしいなと期待しています。
参加している学生へ向けて。
自然維持や地域再生に視野を向けて、これからの未来の為に自分たちで活動できるような志を持っていてほしいです。
こうおっしゃっていただけて、本当にうれしい。
でも、この地域にはまだまだ活用しないといけない空き家となった町家がたくさんあります。町家再生が進んでいけば、ボクと國武さんとの出会いがあったような物語が生まれていくんじゃないか、いい循環が生まれていくんじゃないかなとおもいます。
店舗ができたら、もっと空き家問題や町家再生について知ってもらい、活用を促すような活動をしていきます!店舗開業はあくまでも通過点、ボクのやりたいことはもっと先にあります。
学生たちにもこの想いを伝えてきたからこそ、このプロジェクトを機に、町家再生や町並み保全に興味を持ち、いまでは力になりたいと思ってがんばっている。そんな若者を増やして、この伝統ある町並みを残していきたい!
國武さんの想いにも応えられるように。
プロジェクトリーダー 中村昌史