太平洋に面する福島県の北東部にある相馬市、海まで徒歩20秒の土地で生まれ育ったTsuCasa(つかさ)です。小学校の友だちは、半分以上が漁師の息子達。何度サッカーボールが冬の海に落ちて、飛びこんだことか。中学・高校は仙台で、大学時代は関西で、その後はメキシコでストリートチルドレンたちと過ごし、そして相馬(福島)に戻ってきました。今は幼稚園教諭をしています。
正直に言います。学生の頃、「福島出身」というのがものすごく嫌だった。すげー田舎くさくて、訛ってて、これといったものもなく、モサーっとしてて・・・・・。なんでこんなところで産まれたんだろうって本気でうらんでた時期もあった。東北を出れば、福島ってどこ?ぐらいの認識だし、関西にいた時も、海外にいた時も、出身は『仙台』なんて嘘ついてた。
いろんな選択肢を手に入れることができたから、『どこで』、『どう生きたいのか』をものすごく模索し、迷いに迷った。そんな中、外に出れたからこそ、気付くことのできた地元の良さがあった。そして相馬の海で波待ちしながら、じーちゃんになるまでここで生きていこうかなって、地元に生きる決意をした頃、震災があった。
震災は、待ったなしで、いろんな経験を与えてくれた。いろんなものを背負わせてくれた。津波にのまれていった地元に立ちながら、いつになったらこの映画は終わるんだろう?いつかは無かったことになるんだろう?って、しばらくもがいてた。
そして『津波に流されなかったもの』、最後に『自分の小さな手の中に残ったもの』があることに気がつくことができた。
『すべて背負って生きてくんだ。ここで生きる未来のこどものたちのために』ってことに決意ができた今、少しずつ歩むことができ始めたように思う。
福島はいろんなものを抱えた反面、いろんな分野でチャンスが降り注いだ。いい意味だけのチャンスならいいが、同情枠というのか、本来ならあり得ないけど、福島だから応援してあげよう的な支援も爆発的に増えた感がある。勿論、外からの応援は本当にありがたい。が、結局は、他と同じ条件で勝負して、それで勝ち取る、それでも選んでもらえるモノにならなければいつまでたっても自分では立てない。
今回、縁があってキノさんに声かけてもらい、LOMEOに入り、初舞台に立つことになった。舞台の用語も、声の出し方も、ダンスもわからない。誰が自分のような素人の下手くそな芝居を応援してくれるのか?自分が魅せられるものは何なのか?
今回の脚本を書き、僕らに指導してくれている夢麻呂さんはいう。
「すべては観てくれるお客様の為に。」
「各々に仕事や学校、抱えていることはある。それでも最高の舞台にするために、やることはひとつ。」
自分にとっては、すべてが新しい世界、新しい仲間。毎日が新鮮で面白い。時に、メンバーは互いに変わったやつの集団というが、僕には、また会いたいと思える仲間たちだ。
自分(たち)が伝えられるもの、魅せられるもの。
それは、きれいで、うまくて、かっこいいものではないかもしれない。
泥臭く、汗臭く、がむしゃらの、いろんな迷いと葛藤、
そして希望とともに福島プライドをまっすぐにぶつけます。
だからこそ、
迷っている人にみてほしい。
小・中・高生にみてほしい。
夢を忘れた人にみてほしい。
地元(ローカル)を強く思う人、そして地元というものがない人にもみてほしい。
そして、老若男女、みなさんに見てほしい。
全国の皆さん、そして全世界の皆さんに、
助けていただき、育てていただいた 「福島」=ぼくら を見てほしい。
どうぞ応援宜しくお願いします。
なくなった道のこれからは、自分たちが拓いていく!!
ロメオパラディッソ TsuCasa
■ロメオパラディッソ第4回本公演【WARAJI BOYS〜オレたちの一番熱い夏〜】
作・演出:夢麻呂(『熱ら。』)
開催日時:2017年12月2日(土) 1回目公演/14:00~ 2回目公演/18:00~
12月3日(日) 3回目公演/13:00~
会場:福島県教育会館 大ホール
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