「一億総SNS時代」と言われる今のインターネットでは、ハッシュタグなどを用いた党派的な動員、そしてオンラインサロンなどによるファンの囲い込みばかりが毎日のように、それこそ刹那的に行われています。情報の加速度的増大の中で、いつも誰かが感情を爆発させて絶叫している。そうかと思えば、「この情報を買って頂ければあなたも必ずお金持ちになれる」といった、嘘か本当か判らない情報商材めいた話が毎日出回っている。「SNS疲れ」と言われる現象が起こるのも無理はありません。
現代日本人は、何を指針にして生きていけば良いか、分からなくなっている。それぞれ新しい価値の宣伝ばかりが喧しいけれど、みんなその価値を振り回して争うばかりで、誰も価値の基盤となるものを深く考え、議論しようとしない。悲しいことに、学者たちや知識人たちですらその「炎上」に加担している節がある。
かくして現代は、息の長い知恵を持つことが難しい時代になってしまいました。
−最早、論壇というものは存在していない。あるのは、個人と個人が繰り広げる果てしないバッシング闘争と、新しい生き方だの意識のアップデートだのを振りかざして人を煽る炎上商法だけだ。
そんな現状を憂いた私たちは、3年前に「日本文明」研究フォーラムを立ち上げました。若手研究者を中心とした小さい規模の団体ながら、人文学や社会科学の最新・最良の成果のうちに、私たちが大切にすべき価値の基盤を探る試みを続けてきたのです。
そして、昨年より続くコロナ禍の中、社会が未だ上手く動けないでいる令和3年。
この世界史的苦境に当たり、私たちは今まで培ったノウハウを以って、ささやかながらも時流に抗う時が来たと確信しました。
熟考の末、導き出された結論は、脊髄反射的な反応を止めるためには、じっくりと議論を聞いて明日を生きるための指針を得られる場所をインターネットに作るということでした。
その名も、「ことのは」。
その由来は、日本の古語です。皆さんが生き生きとした言葉の魂を得られるような場所にしたいという思いを込めています。
「ことのは」は、自らの言葉を持つ人々の動画を集め、皆さんにお届けするためインターネット放送局です。全てが加速度的に転変する現代の情報化社会において、それぞれに異なる私たちが争い合わずに生きるために、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」の形を常に求めたいと私たちは考えています。
地層の奥底を網の目のように流れる地下水脈は自然に集まれば河川となり、人が掘り起こせば井戸となり、人々の営みの元になる。そして、水を分かち合うための知恵は、人々の生活を絶えず繋ぎ直し、人々の心を支える−私たちは、皆さんとその原点に還りたい。そこで、知恵の言葉を分かち合うために、知恵を探求する様々な人に思い思いに語ってもらう場所を用意したいと考えました。
インターネットが最たる文明の利器となった今、それには動画という手段が最適です。定期購読の月刊誌のように、月額1200円のみを頂きます。その金額で、そこに全てがあるように、全ての番組を見られるようにいたします。
私たちの共有資源たる思想や文学や歴史や芸術に学び直し、教え合い、背中を押してくれる言葉を一緒に探す−そんな「文藝復興」の精神に立つ「動画の総合雑誌」を目指していきます。
コロナ禍で多くの人が露頭に迷う今、新たな論壇プラットフォームの創造に御力添えを頂戴出来れば幸甚と存じ上げます。
インターネット放送局「ことのは」では毎月、3回以上の配信を行います。以下に半年間の番組表をお載せしますので、ご覧下さい。
基本的には19:30からのライブ配信となり、メールマガジンと公式ホームページからリンクに飛んでいただき、Vimeoにてライブ配信を見ていただけます。後日、公式ホームページを通じてライブ配信のアーカイブがご覧いただけます。また、ライブ配信ではなく、収録後、編集動画を配信する形にする場合もございます。ご了承ください。
「ことのは」では、現代日本を代表する学者や知識人がそれぞれ個別に自らの番組を持ち、自ら配信者を務めます。番組配信者となる方々は、各番組の司会者・進行役として、毎回ゲストを招きながら、対談形式で自由闊達に言葉を交わし、番組を進めていきます。
私たちは、言葉に魂を持つ人々が思い思いに語り、それらが響き合う場所を創りたいと考えています。それで、放送局全体の中心となる番組配信者は、敢えて置かないことに致しました。
というのも、見える世界の異なる様々な語りの中に通底するもの、語りと語りの間で響き合うものこそ、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」だと私たちは考えるからです。文明というものは、周辺なくして至る所に中心を持つ球の如き無限の世界においてそれぞれ別々に生きる人々が、魂の奥底で感得する共鳴なのです。
私たちの生活の源となるのは、大地の底を流れ、やがては河川となり井戸となる地下水脈の流れです。それと同様に、人々が資源を分かち合い、お互いに支え合うための言葉にも必ず、その還るべき原点となる「文明の地下水脈」があります。知恵のかそけき気配は、皆さんの魂にも届いているはずです。そしていつの日も大切なのは、その響きを上手に、そして確かに、聞くことでしょう。
番組配信者達は、その導き手です。彼らはそれぞれの仕方で、堆積した歴史の地層の奥深くを悠々と流れる「文明の地下水脈」の微かな響きに耳を傾け、それを明日のより良い暮らしのために掘り起こす役目を担います。それぞれの地下水脈は、思わぬところで繋がっているかも知れない。
視聴者の皆さんには、各々の番組を御視聴頂く中で、そんな愉しい予感を感じ取って頂きたいのです。
当放送局の開局に際して番組を担当する番組配信者の方々です。
会田弘継(関西大学客員教授)
「黒船と敗戦に象徴されるように日本近代は大きく「アメリカの影」に覆われてきました。20世紀後半以降、それは日本に限らず多くの国々にとっての現実だったかもしれません。そんな視点を折り込んで、日本と世界の行方を考えていきましょう。」
井上義和(帝京大学教授)
「戦争体験をもたない書き手による、特攻隊を主題としたフィクションである「創作特攻文学」。1990年代以降に多くつくられ、映画や舞台にもなりました。このジャンルで文学的想像力は何を描こうとしてきたのか、具体的な作品を読みながら考えてみましょう。」
貝塚茂樹(武蔵野大学教授)
「コロナ禍は、日本社会の様々な歪みと欠陥を可視化させました。それは、「戦後日本」に内在した根本的な課題の拡散と肥大化と言えます。
歴史、教育、宗教、道徳という観点を中心として、改めて「戦後日本」の来歴と未来を考えて見たいと思います。」
片山杜秀(慶應義塾大学教授)
「論壇即活字メディアという時代が長かったように思うのですが、近年では残念なことに長い文章を読む習慣が社会的にどんどん失われてきているのではないでしょうか。それは残念なことですけれど、論壇の壇は三次元空間ですし、論壇の二文字は壇上弁論と繋がっていると思えば、書くよりも喋る時代に、鷗外や漱石よりも円朝や音二郎の時代に戻るつもりでやるときなのでしょう。よろしくお願いします。」
苅部直(東京大学教授)
「このフォーラムは日本語で行われますが、「日本」の内輪の常識にとらわれた場ではありません。世界のさまざまな文化に開かれた視野と、普遍的なものへの問いを念頭に置きながら、これまでの考え方を見直し、「日本」の文化と伝統のなかから、未来へとつながる知恵を汲みだそうとする試みです。多くのみなさまがこの営みに加わってくださることを願っています。」
河野有理(法政大学教授)
「「わが日本古より今に至るまで哲学なし」。中江兆民のこの言葉は、哲学を「真摯で面白い思考の営み」の意とするなら、誤りです。かつての日本人たちの、至極まじめで(だからこそ)面白い思考の冒険を一緒に追体験してみませんか。」
佐伯啓思(京都大学特任教授)
「高度な情報技術、グローバル市場、民主的な政治体制、国民的文化、そのどれもが今日、危機的な様相を深めています。この現代文明の様相を、それぞれの立場から論じ、また、日本文明の可能性を探るという知的な冒険を、皆さんと共にできることを願っています。」
施光恒(九州大学教授)
「「ダイバーシティ」、「インクルージョン」、「多文化共生」……。マスコミや大学では、私たちが大切にすべき価値を表す言葉として最近こういうものがよく持ち出されます。確かに重要ですが、私たちの日々の生活から紡ぎだされた言葉ではありません。もっと腑に落ちる言葉で「共同的な価値の地盤」を探っていきたい――。そう考えています。」
先崎彰容(日本大学教授)
「日本では政治、文化、言論、いずれの力も弱まっています。政治への市民の関心は地に堕ち、文化は趣味程度の嗜好品となり、言論がもつ影響力は島宇宙化しています。
つまり世界は今、断片化している――この閉塞感を打開するために、先人の「智」を携え、現代社会を斬ってみようと思います。」
髙宮正貴(大阪体育大学准教授)
「この番組では、秘密にしておくにはもったいない最先端の教育学的知見や教育実践を紹介し、みなさまと対話します。それによって、「教育学」「学校の先生」「公衆(世間)」の3者、つまり教育をめぐる学問知・実践知・世論をつなぎ、教育的知のプラットフォームの形成を目指します。」
古川雄嗣(北海道大学旭川校准教授)
「思想とは、人間にとって「本当に大切なもの」は何かを問う営みであり、そこには本来、「保守」と「リベラル」の対立などありません。両者の垣根を超えて、「大切なもの」を破壊し尽くそうとする現代日本の虚無主義者たちに立ち向かおうではありませんか。」
松田太希
「過激な思想的エスカレートにも狭隘な現場主義にも与せず、私が研究してきた暴力やスポー
ツ(運動部活動)を中心にしながら、教育をめぐって様々に考えます。実際の困難な状況に向き
合うことができるタフな知性と考える悦びを、皆様と共有したいと思います。」
與那覇潤(歴史学者)
「大学のカリキュラムの厳格さと、SNSの喧騒の無秩序さの中間でこそ、正しい意味での「対話」は機能する。平成期に挫折を繰り返してきた、そうした空間の創出に、今度こそ、みなさんとともに挑めるなら幸いです。」
「ことのは」開局記念に、東日本大震災以後の代表的論客である先崎彰容氏と與那覇潤氏の対談動画を収録させて頂きました。 以降も複数の開局記念対談を配信していきます。 乞うご期待ください。
※施・古川対談は第7回までございます。
「ことのは」は、生放送および録画放送の全ての番組を月額1200円で御視聴頂けます。この金額は、今後番組が次々と増える場合においても変えません。
思想、歴史、文学、芸術、教育を軸としてあらゆるテーマについて縦横無尽の会話がなされる本放送局は、新たな論壇の創造を「動画の総合雑誌」という形の元で目指していきます。そこで価格もまた、一般的な月刊誌の価格帯と近付けることに致しました。皆さんには、普段購入する雑誌をもう一冊だけ増やして頂くような気軽さで、サブスクライブ登録して頂きたいのです。
月額1200円で、そこに全てがある−これが私たちのプラットフォームの目指す姿です。
一冊の中に、様々な話題や議論が詰まっており、様々な知恵が込められている−総合雑誌の魅力とは、そのような性質に他ならないでしょう。一見関係の無いようにも見える多種多様な話題や議論の集積を繋ぐように、幾条もの光の如く闇を裂く洞見が貫いて走り、やがてその全体に私たちを鼓舞する気風のようなものが立ち現れる。優れた雑誌とは、まさにそのようなものではありませんか。「ことのは」もまた、動画配信プラットフォームという形式において、「ここに来ればまた明日を生きるための知恵を得られる「動画の総合雑誌」を」お届けすることを目指して参ります。
知恵を探求する人々の言葉に静かに耳を傾けることが出来る場所、その言葉の魂について互いに教え合い話し合える場所、背中を押してくれる言葉を一緒に探すことが出来る場所を作ること。私たちが胸中に抱く「文藝復興」の精神を以って、その実現をお約束致します。
「ことのは」開局に当たりまして、弊局のロゴおよびグラフィックを、アートディレクター/グラフィックデザイナーの八木幣二郎氏に制作して頂きました。ロゴは、日本において古代より「ことば」と訓じられた字「辭」を題材としております。
そもそも私たちは、平成31年(2019年)4月に設立した学術交流団体「「日本文明」研究フォーラム」の3年弱に及ぶ歩みの中で、「日本文明」の理念を追求し続けて参りました。
本フォーラムは、設立以来現在10回を数える書評コロキアム・対話シンポジウム、そして今後も陸続と計画されている学術的催事において、立場と領域を超えた対話を成し遂げていると自負しております。
国体論から資本論まで、およそ我が国の文明の在り方に関わる事象を、その実態と本質において捉え直すその営みは、あたかも峻厳たる山々に踏み入っては大地に鶴嘴を突き立て、地下水源へと遡行するように果敢に行われて参りました。そこから滾々と湧出する清水は、やがて現代世界における人間的生を逆照射するように、光を集めて耀く。取り扱う題材も全く異なるイベントの各々は時局の喧騒を離れて共鳴し、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」の姿を垣間見せてくれました。
これまでは運営の都合上、埋もれた「文明」の形を掘り起こすこの試みは、同人および少数の一般参加者に限って開かざるを得ませんでした。しかし設立より3年目を迎えた今、多くの識者の方々の御賛同と御協力を賜ることが叶いました。
最早、時は熟したと確信しております。
私たちは、この切なる希求をより多くの人々へと拡げるために、このいささか反時代的ですらある事業を恢弘するために、この度、有料動画配信事業の開始に踏み切ることに致しました。
この度、御支援賜りました資金につきましては、第1期の放送局運営資金(11月より3月まで)に充てさせて頂きます。その内訳は、番組配信者・アシスタント・ゲスト出演者への謝礼・交通宿泊費、配信プラットフォームの設置管理費用、スタジオ賃料、放送局スタッフの賃金、ホームページの運営管理費、広報・デザイン費用等でございます。
また、皆様より賜りました御支援により最低限必要な運営費用を超える十分な資金的余剰が発生した場合、その追加予算に合わせ、現行の計画よりも更に番組数を増加させて頂きます。また私共運営においては、番組配信者の方々を更に多く御招きすることも予定しております。
皆様方におかれましては、今後どんな番組配信者が続々と登場するのかを楽しみに見て頂くことで、新たな論壇の創成に立ち会って頂きたいのです。
また今後本放送局では、対談形式の討論番組の他、気鋭の作家・論者による、撮り下ろしの「ドキュメンタリー番組」や「映像作品」も順次制作していく所存です。こちらも御期待下さいませ。
より多く御支援頂きます程、よりご視聴頂くコンテンツを質においても量においても充実させることが叶います。
更に十分な資金が獲得出来ました場合、スクラッチ開発による独自の動画配信プラットフォームサイトを設立する計画も立案しております。放送局運営の独立性を高め、御覧頂きます動画の品質を向上させるために、プラットフォームの整備も是非共必要な計画となります。
皆様よりの御支援、心よりお待ち申し上げております。
御支援賜りました方々には、プランに応じまして、以下のリターンを御用意しております。
3000円~(応援プラン)
1.メールにて御礼を送付
3000円
1.ことのは独自の「佐伯啓思氏の特典動画」を送付
2.サブスクリプション1ヶ月分を提供
5000円
1.ことのは独自の「佐伯啓思氏の特典動画」を送付
2.サブスクリプション1ヶ月分を提供
3.ことのはロゴ付ボールペンを送付
4.ことのは公式HPに御芳名を記載
※支援時、必ず備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
10000円
1.ことのは独自の「佐伯啓思氏の特典動画」を送付
2.サブスクリプション1ヶ月分を提供
3.ことのはロゴ付ボールペンを送付
4.ことのは公式HPに御芳名を記載
5.自著紹介動画 (会田弘継・井上義和・髙宮正貴 ・與那覇潤の各氏)を送付
※支援時、必ず備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
30000円
1.ことのは独自の「佐伯啓思氏の特典動画」を送付
2.サブスクリプション2ヶ月分を提供
3.ことのはロゴ付ボールペンを送付
4.ことのは公式HPに御芳名を記載
5.自著紹介動画 (会田弘継・井上義和・髙宮正貴 ・與那覇潤の各氏)を送付
6.「日本文明」研究フォーラム運営委員とのZoom講義とディスカッション権
※支援時、必ず備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
※ディスカッションは2022年1月開催予定。地震・豪雨等の大規模自然災害、テロ、武力攻撃などが発生した場合、延期する可能性があります。
50000円
1.ことのは独自の「佐伯啓思氏の特典動画」を送付
2.サブスクリプション3ヶ月分を提供
3.ことのはロゴ付ボールペンを送付
4.ことのは公式HPに御芳名を記載
5.自著紹介動画 (会田弘継・井上義和・髙宮正貴 ・與那覇潤の各氏)を送付
6.「日本文明」研究フォーラム運営委員とのZoom講義とディスカッション権
7.井上義和氏の靖国神社・千鳥ヶ淵・市ヶ谷メモリアルゾーンにおける動画を送付
※支援時、必ず備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
※ディスカッションは2022年1月開催予定。地震・豪雨等の大規模自然災害、テロ、武力攻撃などが発生した場合、延期する可能性があります。
100000円
1.ことのは独自の「佐伯啓思氏の特典動画」を送付
2.サブスクリプション4ヶ月分を提供
3.ことのはロゴ付ボールペンを送付
4.ことのは公式HPに御芳名を記載
5.自著紹介動画 (会田弘継・井上義和・髙宮正貴 ・與那覇潤の各氏)を送付
6.「日本文明」研究フォーラム運営委員とのZoom講義とディスカッション権
7.井上義和氏の靖国神社・千鳥ヶ淵・市ヶ谷メモリアルゾーンにおける動画を送付
8.井上義和氏の靖国神社・千鳥ヶ淵・市ヶ谷メモリアルゾーンにおける特別レクチャー参加権(限定30人)
※支援時、必ず備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
※交通費を支給いたします。
※ディスカッションは2022年1月開催予定。地震・豪雨等の大規模自然災害、テロ、武力攻撃などが発生した場合、延期する可能性があります。
※特別レクチャーは2022年4月開催予定。緊急事態宣言の発出、地震・豪雨等の大規模自然災害、テロ、武力攻撃などが発生した場合、延期する可能性があります。
私たちは、インターネット放送局「ことのは」を「論壇と呼べる場所へと成長させたいと考えています。立場を超えた議論の場を作るのは今の時代とても難しいことですが、様々な人に思い思いの知恵を持って帰って頂けるような、立場を超えた議論がなされる場所にしたいのです。「動画の総合雑誌」による新たな論壇の創設を、代表以下運営一同、皆様に御約束致します。
川久保剛(かわくぼつよし) 株式会社ことのは 代表取締役
昭和49(1974)年、福井県敦賀市生。上智大学卒業。東北大学大学院博士課程単位取得。
現在、麗澤大学教授。「日本文明」研究フォーラム代表。専門は思想史。
著書に、『福田恆存:人間は弱い』(ミネルヴァ書房、2012年)、『日本思想史ハンドブック』(共著、新書館、2008年)、『総特集・福田恆存』(共著・編集協力、河出書房新社、2015年)、『方法としての国学』(共編著、北樹出版、2016年)、『道徳教育の理論と方法』(共著、ミネルヴァ書房、2020年)、『日本思想史事典』(共著、丸善出版、2020年)、 『ハンドブック近代日本政治思想史』(共著、ミネルヴァ書房、2021年)、『道徳教育はいかにあるべきか』(共著、ミネルヴァ書房、2021年)、『道徳教育の変遷・展開・展望』(共著、学文社、2021年)、『小学校教育用語事典』(共著、ミネルヴァ書房、2021年) など。
放送局の運営を担うのは、「株式会社ことのは」(令和3年8月12日設立・資本金100万・代表取締役=川久保剛(麗澤大学教授)・本社住所:104ー0061 東京都中央区銀座1丁目22ー11 銀座大竹ビジデンス2階)です。本事業のために、代表川久保は会社を設立致しました。
「株式会社ことのは」の理念は、「学術支援会社」です。ここで言う「学術支援会社」とは、国の科学研究費や民間の各種助成金に頼ることなく、自前で資金を獲得して次世代の研究者を育成・支援する企業のことを指します。
実の所、学術支援を事業目的とする営利企業は、医学や法学などの分野においては現状少数ながら既に存在しております。しかし私たちの事業の特色は、支援する当の対象である学術的な情報を、一つの知的コンテンツとして体裁を整え、一つのプロダクトにして提供・販売する点にあります。それも、「文明の利器」の制作と活用を担う所謂「実学」ではない、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」を担う人文・社会科学において、この事業を行わんとするものです。
その方針に基づき、「株式会社ことのは」の収益は、①放送局の運営、②「日本文明」研究フォーラムの運営、③若手研究者支援に当てることに致します。
「虚学」という自負と韜晦の入り混じった学者たちの自称で呼ばれてきた基礎的な学問の多くは、その「象牙の塔」である大学という場所を除けば、これまで教育や出版業などにおいて僅かに事業を持つのみでありました。それで今にまで繋がる数多くの遺産を残してきた。しかしこのような在り方は、「大学」というものに社会的権威が確乎として存在している時代であったからこそ、可能であったように思えます。福利の飛躍的な増大と共に多大な犠牲を払い続けて変貌してきた近代社会は、常に大局的な視点から何らかの「文明」というものを意識せざるを得なかったのだと考えられます。
しかしながら幾つもの転換点を経て、時代は大きく変わってしまいました。何よりも産業構造や消費構造が大転換を遂げてしまい、IT革命がそれを決定的にしてしまったのです。かつて古典的な知識人たちが啓蒙の頽落形態を批判する際に用いてきた「文化産業」という語も、今では知的財産権の保護の対象となる財やサービスの生産・流通一般についての肯定的な規定として使われるようになりました。その一方で、哲学・文学・歴史学といった古典的な諸学は置き去りにされるようにして未だに社会との確かな繋がりを結べないでいる。
そうしている間に進んでしまったのは、「大学の危機」です。
これまで目紛しく進められてきた大学行政の再編や「選択と集中」政策は、明らかに行き詰まりを迎えている。本邦名門大学の世界大学ランキングの低下は著しく、事務に追われる大学の常勤研究者達が研究に割ける時間と予算は刻々と減少の一途を辿っています。より酷いことに、任期付のポストや非常勤講師に甘んずるしか途のない若手研究者の窮乏は止まる所を知りません。とりわけ、再編の余波を大きく受けている大学の文系学部は最早存亡すら危ぶまれる事態であると叫ばれ始めて久しい。
そうとは言えど私たちは、研究者たちを単に時勢の被害者のように見ているのではありません。誠に残念なことではありますが、我が国の多くの研究者は正しい身の処し方を身に付けられなかったこともまた事実であるように思います。時流の変化にいたずらに便乗して政治や社会の改革なり意識のアップデートなりを叫ぶか、ひたすら紋切り型のイデオロギー的な構図にしがみ付き続けるか、はたまた狭隘化し続ける大学・研究業界の資源獲得競争に汲々とするかのいずれかを選んでしまったことは否定出来ない。悲しいことに、外国の事例を恣意的に取り出しては我が国の現状を当て擦ったり、自らの考える正義を絶対化して政治動員を掛けようとしたりする論者達も数多く見受けられます。そうした人々は言論の上では異なる立場の人々との対話の重要性を唱えておりますが、それを拒絶するような態度を見せるという矛盾を見せていることは否めないと思います。
こうした事態は、いずれの立場の者達も、ひとえに「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」というものに目を向けないことに起因するのではないでしょうか。
悠久たる時間という地層の下に蓄えられた地下水脈の存在を忘れていることに起因するのではないでしょうか。私たちは、今にも枯渇せんとする井戸の奪い合いを止め、より豊かな泉を探そうとするべきなのです。そして、そこから湧き出てくる知恵を大切にするべきでしょう。人が共に生きることの根底にあるものはそうして清水を分かち合うことにあり、研究者はそのことをこそ考えなければならないと思います。
「株式会社ことのは」における「学術支援会社」の理念は、このような思想から生まれ出てきました。
世界中を経巡る資本と情報の暴流の中に、それとは違う速度で地の底を貫流していく時間を、そこに更にゆっくりと積み重なっていく時間を産み出すという事業理念−それは、一部の既得権益者の私的な利益追及を最優先する株主資本主義を修正し、関わっている人々全員、そして社会と国家の全体に福利をもたらさんとするものに他なりません。
私たちのささやかな事業が、国家と社会の一隅を、ひいては人類の一隅を照らさんことを祈りつつ、日々邁進していく所存でございます。
Q:このプロジェクトに関する問い合わせ先を教えてください。
A:PCの場合当プロジェクトページの上部、スマートフォンの場合は下段にある『メッセージで意見や質問を送る』欄からお問い合わせいただきますようお願いいたします。(CAMPFIREアカウントが必要です)
Q:どうしたら支援出来ますか?
A:<こちら>のCAMPFIREのヘルプページをご確認ください。CAMPFIREの仕様等に関わる部分はこちらではお受けしておりませんので<CAMPFIREへお問い合わせ>をお願いいたします。
Q:決済方法は?
A:クレジットカード(VISA / MASTER / AMEX / Dinners / JCB )、コンビニ払い、Pay-easy(銀行振込)、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い・ワイモバイルまとめて支払い、ドコモ払い、Paypal、FamiPay、Paypay、楽天Pay が選択可能です、詳しくは<CAMPFIREのヘルプページ>をご覧下さい。
Q:別途、消費税・送料はかかりますか?
A:リターンの価格に消費税・送料が含まれております。
Q:同じコースへの複数支援、別のコースと同時に決済することは可能でしょうか?
A:クレジットカードでのご支援に限り、限定数のないリターンは同一リターンの複数コースのご購入が可能です。また、同じく限定数のないリターンに関しては複数まとめて選択が可能・一括決済が可能となります。詳細は<こちら>をご覧下さい。
申し込み時にCAMPFIREシステム利用手数料(220円)が支援回数ごとにかかりますのでご了承ください。
Q:目標金額に達しなかった場合はどうなりますか?
A:All-in方式を採用しておりますので目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
やむを得ない事情(地震・豪雨等の大規模自然災害、テロ、武力攻撃など )にてプロジェクトの実行やリターンの履行が難しくなった場合は早急に活動報告などで報告し、返金対応等のご連絡をさせて頂きます。
Q.リターンを間違えて買ってしまいました。キャンセルやアップグレード、振替は出来ますか?
A.原則キャンセルはお受けできません。ページや<CAMPFIRE様ヘルプページ>などお読みになった上でのご購入をお願いいたします。
支援のアップグレードも受付出来ませんのでご了承下さい。(例:5,000円コースを支援した後に25,000円を追加しても30,000円分のリターンとはなりません。また支援時に『上乗せ支援』機能を使って金額を追加しても本来選択したリターン以外のリターンは履行されませんのでご注意ください。)
Q:ディスカッション・特別レクチャー当日、急遽都合がつかなくなってしまった場合、返金や譲渡は可能ですか?
A:申し訳有りません。一度ご支援頂いたコースに関しては支援者様都合によりキャンセルや払い戻しは行っておりませんのでご了承願います。また支援内容の譲渡や売買などは一切禁止とさせていただきます。該当行為が発覚した場合は権利剥奪の措置等然るべき対応を取らせていただく事も御座います。
主催者側都合で日程が変更、中止などになった場合は振り替えや払い戻しなどのアナウンスは別途行わせていただきます。
Q:リターン品の映像は一般発売または一般公開されますか?
A:一般発売・一般公開はございません。
Q:リターン発送はどこの運送会社を使いますか?
A:現在調整中です。リターン品は代行業者から発送されます。
Q:リターン品の到着日の指定はできますか?
A:到着日の指定は出来かねます。
Q:リターンの郵送は局止めなどの対応は可能でしょうか?
A:不可となります。一括してご登録頂いた住所への郵送となります。住所間違いにより期日までに受け取りが出来ない等のトラブルが起こっております。ご自身の住所の間違いがないか支援前に必ずご確認下さい。
Q:配送先の住所変更はできますか?
A:住所変更の受付は発送準備前までとさせていただきます。配送先の住所変更は「マイページ(右上のアイコン)>支援したプロジェクト>お届け先>変更する」で行うことができます。
発送が近くなった段階で住所変更がシステムから出来なくなりますので指定期日以降の住所変更については本プロジェクトページにある「メッセージで意見や質問を送る」というリンクから直接ご連絡ください。
(期日などは活動報告でお知らせいたします)
リターンの発送業務等により、締め切り以降の変更にはご対応出来かねる可能性が御座いますので変更がある場合はお早めにお願いいたします。
Q:発送されたリターン品を受け取れませんでした。再発送をお願いできますか?
A:運送会社の保管期間が終了し代行業者に返送された場合、再送不可となったり、再送の送料をご支援者様負担になる可能性が御座いますのでお気をつけください。
Q:友人の分を代理で支援できますか?
A:ご友人様の代理での支援に関しては、リターンの譲渡に当たります。リターン権利の譲渡に関しましては金銭の授受関わらず禁止です。該当行為が発覚した場合は、退場していただくなどの措置を取らせていただきます。また、その際に各種リターン不履行になる可能性がございます。
Q.海外から支援は可能ですか?
A.CAMPFIREの仕組み上、国内限定プロジェクトとさせていただきます。一部海外クレジットカードでも決済は可能ですが発送先は日本国内限定とさせて頂きます。ご確認をとって頂いた上で日本のご友人にリターンを送付し、 そこからお住まいの海外までご自身とご友人間で受け渡しを行なっていただく分には問題ございません。(その際の配送トラブルに関して運営およびCAMPFIREで責任は負いかねます)
Q. Is it possible to back projects from overseas?
A. CAMPFIRE projects are currently only available to Japanese backers. The system accepts overseas credit cards, however shipping is limited to Japan. There is no problem if you would like to have the reward forwarded to you with a help from a Japanese friend. However, CAMPFIRE will not be able to take responsibility for any trouble that arises through the delivery process.
Q:支援後連絡などはどこで行われますか?
A:CAMPFIREメッセージにてご連絡となります。プロジェクト期間内も新情報などアップデートする事がありますので受信可能な状態にしておいてください。
メッセージを読み落としていたため一部リターンの履行に問題が生じた場合も、返金などの責任は取る事は出来かねますので予めご了承ください。
今ここに産声を上げんとする「ことのは」は、左派・リベラルから保守・中道まで、政治的立場を超えて、自由かつ公正に議論できる新たな論壇の創造を目指す有料動画配信プラットフォーム事業です。この事業は、全てが加速し転変し続ける現代日本において、それぞれに異なる私たちが争い合わずに生きるための「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」を求めることを目指しています。
昨今、YouTubeをはじめとした無料動画配信プラットフォーム、そして数多く存在するオンラインサロンなど各種の有料動画配信が隆盛を迎えております。昨年より世界を襲い、人々の行動を著しく制限しているコロナ禍において、社会生活におけるその重要性の高まりは止まることを知りません。しかし同時に、日々増え続け膨れ上がる動画サービスは、今や誰もその全てを総覧することは不可能でありましょう。その中で巻き起こる再生回数と高評価の数をめぐる競争は、広告収入などによる経済的利得に直結していることもあるせいだろうか、最早、動画の質そのものを味わうことを忘れさせるほどまでに高まっています。
またSNSでは、虚実が入り混じりながら厖大な量の情報や意見が飛び交っています。そこではほとんどあらゆる話題が、日々どこかの誰かの感情を爆発させていて、その爆発が他の人へと即座に伝播していく。そうして最早どんな話題であっても、どこかの誰かをより多く、政治的に動員するために使われています。これが、所謂ハッシュタグの政治運動に象徴される事態です。政治的な動員のために、様々な話題がろくに検討もされず使い捨てられる。人々は考えるいとまもなく、対話の余地が成立しない党派的分断や政治闘争へと次々と加わっていくか、それを避けようとして無際限に自己検閲や自己批判を余儀なくされてしまいます。時には、自由を絶叫する人々が、むしろ全体として見た時に他者の自由を奪っているという逆説すら散見されます。
このようなネットの消費資本主義とSNS政治の荒波の中で、砂つぶのようになった個人は赤裸のまま放り出されてあまりに無力であり、私たちを繋ぐ基盤となるはずの歴史の声を聞くことすらままなりません。現代を生きる私たちは、所謂「文明の利器」にばかり気を取られるがあまり、肝心の「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」を見失いつつある。こうなれば、最早自分が何者かを考え、会得することすらままならないし、異なる立場の人々同士の対話が成立すべくもありません。
このことは当然ながら、私たちの国の根幹となるべき「日本文明」の姿を見失いつつあるということでもあります。「文明」をもって「文明の利器」をうまく乗りこなす術を私たちは忘れつつある。時間の醸成する厚みが社会全体において閑却されるという事態が、私たちの生活を刹那的な反射運動のようなものに変えて、知らず知らずのうちに蝕んでいる。このような傾向はやがて、公共性の準則である自由と民主主義をも蝕んでいくことでしょう。
この時代にあってもなお、明日のより良い暮らしを営むための知恵を他者と共に問い続け、他者と共有し、そして他者と語らい続けるためにはどうしたらいいのでしょうか。一言で言うならば、古来より多くの偉大な人々がそうしてきたように、「文藝復興」の精神に帰るべきだと私たちは考えます。古典としての過去の文物に人間であることの尊厳を学び、自己の考える正義を絶対化することなく互いに謙虚に教わり合い、そして真善美と偽醜悪について自由かつ公正に議論するという精神こそが、今こそ求められると考えます。本当の共通善は、一度政治や経済の情勢論を離れたところでのみ、ゆっくりと醸成されていくことでしょう。過去より伝承されたものを反芻する中で、私たち自身が常に主体的に汲み上げなければならないものが「文明」なのです。
私たちは、「文明の利器」の最たるものであるインターネットという媒体にて一つの事業を興すことに致しました。そして、人が人と語らうことをもう一度重んじるために、動画という形式を採用することに致しました。そこで、目まぐるしい政治闘争と経済的競争を一旦離れ、この国における「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」の形を静かに求め続けるべきだと訴えたいのです。そうした文明の源泉は情報化社会の今もなお、思想や歴史や文学や芸術にあり、それらの知恵を伝達するのは教育であります。言葉にならないものをも、他者を前にして何らかの言葉にするしかないならば、私たちは時間を掛けて自らの言葉を磨いて、熟させて、発していくしかない。それが自由かつ公正に出来る場所を創りたい。その信念に基づき、私たちは情報の荒波に抗うようにして、あえてネットの大海に更に一滴を落とす事業の開始に踏み切りました。
「ことのは」というこの事業の名前には、今なお言葉の力を信じる者たちの思いが込められています。
令和三年八月一二日 大安吉日に
株式会社ことのは
「日本文明」研究フォーラム放送事業部
<プロジェクトオーナーについて(特商法上の表記)>
■特定商取引法に関する記載
●販売事業者名:株式会社ことのは
●代表取締役:川久保剛
●所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目22ー11 銀座大竹ビジデンス2階
●電話番号「請求があり次第提供致しますので、必要な方はメッセージ機能にてご連絡ください。」
●送料:送料込み(離島価格など例外がある場合には記載)
●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
●ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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