朝一で望月印刷さんから連絡があり、浅草橋FANBOOKの一部のデータが送付されていなかったとのことで、出勤後、すぐにデータを送信してことなきを得ました。
締め切り間際になると、「締め切り間に合わなかった」「間に合ったけど本の販売後に大事故が起きた(※重大なミスが発覚)」みたいな夢を見がちな、本誌編集長、伊勢です。
毎日毎日よくもまぁ活動報告ネタが出てくるもんだとお思いかもしれませんが、時間さえあれば、いくらでも語れるネタはあると思っています。それが浅草橋FANBOOK! イエス。
ということで、本日は、本の顔でもある〝表紙〟について。
ずばり、 なぜ、この表紙になったのか!?
それについて語らせて頂きましょう!
浅草橋FANBOOK、まず最初に、16ページほどのサンプルブックを制作しました。
これは、参加店を募るためのサンプルで、「浅草橋でこういう本をつくるよ!」「参加店が増えればページ数が増えてボリュームたっぷりの浅草橋ガイド本ができるよ☆」というメッセージをたくさんのお店に伝えるための見本でした。
パスポートがついていることや、町丸ごと一冊ガイド本ということがわかるように制作しました。
このサンプルブックのおかげで、掲載店舗が121も集まったのですから、素晴らしい役目を果たしてくれました。ありがとう、サンプルブック!
で、これを制作してから数カ月が経っているわけなので、サンプルと同じままではなく、いろいろとブラッシュアップしていきたいと思うのが、編集者魂というやつで、どうすればたくさんの人たちにこの本が魅力的に映るのか? の試行錯誤を重ねました。
ちなみに、多少脱線しますが、浅草橋FANBOOKを制作するにあたり、インスピレーションを頂いたシリーズがあります。それが、弊社でも制作をさせていただいている、宝島社から発売されている「飲食店ブランドFANBOOK」シリーズです。
焼肉きんぐさん、はま寿司さん、一風堂さんと3冊連続で制作させていただいたのです、「町の本をつくるならばコレだ!」と思いついたのが、焼肉きんぐさんを制作中のときでした。
※それぞれの画像にリンクを貼っているので、気になる方はクリックしてみてください↑
そこから、あれよあれよとここまできたわけですが、浅草橋FANBOOKの表紙をつくるにあたって、やはり、上記3冊と同じようにインパクトが欲しいと感じました。サンプルブックもよいのですが、見た瞬間のインパクトはとても大切で、上記3冊は、まず最初に「ブランド名と1点の写真」に必ず目がいくように仕掛けられています。それらを経てから、「SPECIALパスポート」の文字へと誘導するつくりになっていて、これは王道ともいえる表紙づくりかもしれませんが、「浅草橋」という全国的にみても知名度の低いエリアの本だからこそ、このくらいのわかりやすく表紙をつくったほうが正解なのではないかと考えたのです。
そして、誕生したのがコチラ↓
ドドーンっと目に飛びこんでくる、堂々たる表紙になってはいないでしょうか?
これならば、
1、見た目のインパクトが強い料理写真
2、それを見た人が「これは何の本?」と感じて……
3、上に視線をやると「浅草橋」の文字が……
4、「え?浅草橋ってどこ?」となることで
5、そのほかの情報に視線が流れていく
6、「へぇ、121店舗で使えるパスポートがついてるんだ!」
7、しかもなんだか浅草橋って面白そうなお店がたくさんあるっぽい!」
8、となれば、きっと手にとってくれますし、中身を開いてくれるはず。
そう、本を作るうえで最も大切なことは、〝人目に触れること〟と〝手に取ってもらうこと〟。この2点がクリアできると、お買い求めいただける確率がググンッとアップするのです!
って、何やら営業戦略的な話にソレてきていますが、表現したかったのは、〝いかに浅草橋という町に興味をもってもらえるか!?〟ということ。
それには、〝浅草橋らしさ〟、もしくは〝浅草橋でしかお目にかかれないもの〟が必要でした。
それが、表紙のメイン写真にもなった一新亭の「三色ライス」になります。
とはいえ、サクッとこの表紙には決まらず、実はデザイナーさんとの間に激しい?攻防戦が繰り広げられました(笑)。その内容については、伊勢とどこかで出会ったら聞いていただきたいですが、要はデザイナーさんも私も、良かれと思う方向性にズレがあり、どちらも言っていることは間違っていないのですが、とはいえ、表紙づくりには正解がありません。ですので、最後は、責任編集ということで、私の独断と偏見で決定させていただきました。
いろいろと悩みましたが、最終的に私が決断を下した決め手は……。
「みかん」です。
って、みかんって何だよ! と、いうツッコミ多々あるかと思いますが、表紙の三色ライスの一新亭さんにパスポート特典のお願いにお邪魔した際のこんなやりとりが決め手となったのです。
伊勢「パスポートを提示された方に何かサービスをしていただきたいのです」
女将さん「それなら、〝おみかん〟がいいわ!」
店主さん「おお、いいね、3月いっぱいならみかんがいいね!」
伊勢「食後のみかん!いいですね!それ頂きです!」
女将さん「たくさんご用意してお待ちしていますわ」
はい。どうです、これ?
なんだか、めちゃくちゃホッコリしませんか?
三色ライスを食べたあとに、こんなにステキなやりとりをするおふたりからみかんを頂き、お茶を飲んで、しばしの食後タイムを楽しむ……。そんなとっても贅沢な時間を演出するのが、〝おみかん〟なのではないかと思った瞬間、「表紙はコレにしよう!」と決断いたしました。
もちろん、歴史的にみても、115年以上もこの地でお店を続けてきているのが一新亭さんなので、「浅草橋」を象徴する意味でも三色ライスは間違っていない選択だったと感じています。
実は、最後の最後まで悩んだのは、三色ライスではなく、右下のキャンドル!
ARICO ROOMという、大人気のキャンドル教室のパスポート特典キャンドルなのですが、こちらの色が最も悩ましかったー!
これの最後の決断にも何かと想いはあるのですが、それもまたどこかで伊勢を見つけたら問いかけてみてください。
ちなみに、上下に5店ずつ掲載させていただいたお店も、ひとくせもふたくせもあるお店を勢揃いさせました。飲食だけでなくものづくりの町としての浅草橋をアピールしたかったので、ショップと飲食店を交互に挟んで入れ込んでいます。
それぞれがどんなお店なのかは、ぜひ、浅草橋FANBOOKがお手元に届きましたらご確認ください。
取り急ぎ、一新亭さんと、ARICO ROOMさんの浅草橋を歩く。での取材記事をリンクしておきますので、ぜひ、ご賞味ください。
「洋食 一新亭」愛されて115年! 店主の優しいアイデアから生まれた欲張り“三色ライス”は必食の一皿
秋の夜長にキャンドルを。浅草橋「ARICO ROOM/アリコルーム」でお家時間に癒しを灯して
ちなみに、出版物制作豆知識→本を作る際に、本番同様の真っ白な本を印刷所に作っていただくのですが、こちらは「束見本」と呼ばれ、「背表紙の幅が何センチ」なのかを計測するためのものだったりします。表紙の色校をはりつけることで、実際の表紙がどんなイメージになるのかを見ることもできます。この真っ白な本、実は我が家の子どもたちの間で大人気商品?で(笑)、お土産で持って帰るととても喜ばれます☆余談でした。
浅草橋はワンダーランド!