本日は、尾中友哉さんより応援メッセージ動画を頂きました。
尾中さんは、NPO法人Silent Voice (大阪府)の代表理事をしているCODA(ろう者の親がいる子ども)です。
お忙しいところありがとうございました。
◆尾中友哉さん応援メッセージ動画◆
◆尾中さんプロフィール◆
滋賀県出身。ろう者の両親のもとに生まれた聞こえる子ども。NPO法人Silent Voiceでは、ろう児・難聴児に向けたオンライン対話授業「サークルオー」(https://circle-o.jp/)を展開し、コロナ禍では無償提供を行う。昨年実施した、「爆音コンビニ」(https://clearmask.silentvoice.co.jp/bakuon/report/)では声に頼れない環境を作ることで聴者に表情や身体表現の重要性を伝えた。
◆尾中さんへのコメント(伊藤芳浩)◆
NPO法人インフォメーションギャップバスターは、NPO法人Silent Voiceのキャッチフレーズである「コミュニケーションの壁を壊すことで、今よりも活躍できる人たちがいる。違いを活かし合い、誰もが可能性を発揮できる社会をつくります。」と方向性が同じことから、さまざまな面で連携させていただいています。そういった関係があり、今回もクラウドファンディング活動の応援メッセージをいただきました。代表理事の尾中友哉さん、ご多忙の中を、誠にありがとうございました。
NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長
伊藤芳浩
◆コロナ禍による教育環境の変化◆
NPO法人インフォメーションギャップバスターの石川です。
教育現場で働く石川の立場からミニコラムをお届けします。
(ろう児のための施設で働いています)
2020年2月27日の夜。
忘れもしないあの夜。
翌日からの一斉休校が決まった。
当時、まだ学生だった私にはコロナによる影響がここまで忍びこむとは思わず、どこか現実味を感じさせないような、そんな気持ちだった。
だが、学校や施設を始めとする教育現場は、突然の臨時休校決定の対応に追われた。
明日からどうなるのか?誰にも分からぬまま、目の前のことに追われていたことだろう。
オンライン授業体制といっても生徒や学生、先生方全てが「1人1台」という教育環境が整っているわけではない。そして、突然の休校要請に宿題の準備もままならないまま、子どもたちも親御さんたちも学校の先生方も大変な日々を過ごされただろう。
石川自身も最後の学生生活は、1年間在宅生活で、卒業式も家族のみで祝った。いまだに卒業した実感がわかないものだ。
あれから2年。繰り返される緊急事態宣言にすっかり人々は慣れていき、ワクチン接種率も次第に増えていった。
教育現場でも、オンライン体制を取り入れ、人数制限やアルコール消毒、座席の距離の確保、分散登校、体調チェック、不要な外出の禁止など、それぞれの学校や施設でできる限りの対策をしている。
しかし、修学旅行が休止や延期になったり、体育祭や文化祭の規模が小さくなったり、と児童生徒が本来楽しみにしている行事がこのコロナ禍によって形変わっていっているのも事実だ。
そんな中でもひとりでも多くのろう・難聴児が楽しめるためにはどうしたら良いのか?と考え、Silent Voiceさんは、大阪府採択のもと、オンライン対話授業を始めた。
サークルオーの特徴は、教科学習を超えたことばの学習やロールモデルとの出会いにも力入れられていること。
ろう・難聴児は、社会的に見てマジョリティ(多数派)ではなく、マイノリティ(少数派)であるがゆえに将来の自分を思い描くのが難しいという面がある。
だからこそ、小さい時にたくさんのロールモデル(ろう・難聴者の大人たち)に出会い、自分の将来の可能性を広げることが欠かせない。同業者のひとりとして、この取り組みは応援したい。
そして、今回のプロジェクトは学生のみだが、ゆくゆくは、多くの学校や施設に透明マスクが普及し、withコロナをいきるろう・難聴児に多くの笑顔と学ぶ喜びがあふれている世界であって欲しいと願っている。
NPO法人インフォメーションギャップバスター
コミュニケーションディレクター
石川さと