本日ご紹介するのは、定期演奏会の堂々たる顔となる第四部(メイン)、『宇宙の音楽 (Philip Sparke)』。
当団団員の所属する大学、東京大学では1・2年生が前期教養課程と呼ばれ、様々な科目を学ぶ期間になっています。中世の大学には、必修教養7科目というものがあり、そのうちには音楽と天文学がありました。この2つは関連付けて教えられたのです。その発想は古代ギリシアまで遡ります。
「ピタゴラスの定理」でご存じピタゴラスは、万物の根源は「数」、宇宙のすべては「数」で成り立つと唱えました。
彼はまた、音程に対応する数比を発見したとされます。きれいな和音がきれいな整数比で表せることを知った彼は、音の調和によって宇宙の調和が説明ができると考えます。そこで彼は「天体の音楽」という論を唱えました。それぞれの惑星が固有の音を発し、「天体の音楽」を奏でており、それによって宇宙の調和が保たれているという論です。当時はその調和という意味で「ハルモニア」という言葉が使われました。
この「天体の音楽」に着想を得て、フィリップ・スパークが宇宙の誕生からその未来を描いたのがこの「宇宙の音楽」なのです。各惑星の発する6つの固有音、つまりピタゴラスの言う協和音程は、ハルモニアとしてのこの楽曲の主題を支えます。
冒頭、ホルンの独奏は宇宙の始まり「t=0」を表します。そこから「ビッグバン」「孤独な惑星」「小惑星帯と流星群」「天体の音楽」「ハルモニア」、そして「未知なるもの」と、7つの部分からなり、神秘的な調和と混沌の宇宙の世界が広がります。ひとつひとつの楽器が絡み合い「宇宙の音楽」を奏でていく様子は息を飲む緻密さと壮大さを感じることでしょう。
人類は宇宙を探求しつづけますが、その探求のもたらすものは何でしょうか。16分にわたる超大作の終結を、ご自身の耳でお確かめください。
吹奏楽で表現される宇宙。神秘と迫真の音楽を、来年2月11日、めぐろパーシモンホール大ホールにて、お楽しみください。
ここで団員のコメントをご紹介します。
「『ハルモニア』が好きです」
「壮大な宇宙を思わせるような低音部の動きにご注目ください!」
「全奏者に耳を傾けてほしいです!」
「抽象的壮大な絵画を観るように聴けるのではないでしょうか」
「難曲ですが頑張ります!」
「ソロが連続するシーンで用いられる音階が好きです」
「壮大です、宇宙を思い描きながらお聴きください」
「ソプラノサックスのソロにご注目!」
引き続き、ご支援よろしくお願いいたします!