
”さびしいチーター” さく・絵 ケイコカリ
あるところにひとりぼっちのチーターがいました。 とても優しい男の子です。 だけど、とても怖がりで外の世界を知りませんでした。
生まれたときからひとりぼっちのチーターには、友達がいません。 お父さんとお母さんもどこへ行ったのかわかりません。
さびしいときは空と話しました。 空はいつだってそこにあって、チーターになんでも教えてくれました。
チーターの家は森の奥深くにある、丸い家。 暗い暗いその家には窓がありませんでした。
暗い暗いその家で暮らしていたチーターは色をひとつも持ちません。
ある日のことでした。空がチーターにささやきました。 『今日はあなたのお誕生日よ』
『え?僕のお誕生日?』 『お誕生日っていうのは、あなたが生まれた日。みんなでお祝いしなくっちゃ。』
『みんなって。。』チーターは悲しそうにうつむきました。 そうです、チーターには友達が1人もいません。
『あなたは白黒だけど、外の世界にはたくさんの色があるのよ。そしてたくさんのお友達だって 作れるはずよ。』空は優しく教えてくれました。 『でも。。ぼく、ひとりで外に飛び出すのは怖いよ。』
チーターはポロリと涙を流しました。
すると空は言いました。 『大丈夫、私にとてもいい考えがあるわ。私があなたのお誕生日プレゼントを持ってくるから、 待っていてね』
空に浮かんでいた雲が優しくチーターを抱きしめました。 太陽はキラッとウインクをしました。
『ありがとう。でもどうやって?』 なんだかよくわからないけど、チーターのさびしい心がちょっぴり温かくなりました。
それから、歌をうたって、シリアルを食べて、お昼寝をして、お絵描きをして…。いつもと変わらない1日が過ぎようとしていました。
すると、その時です。
『とん、とん、とん』とドアを叩く音がします。 チーターの家にはお客さんなんて1度も来たことがありません。 『誰だろう?』チーターは怖くて少し震えました。
思いきってドアを開けると、『ハッピーバースデー!!!』 見たこともないような色があふれています。
そこに立っていたのはカラフルでおしゃれな動物たちです。 素敵なドレスを着たブタさんが言いました。
『チーターさん、私たち今まであなたのこと怖いと思っていたの』 サングラスをかけたワニさんが言いました。
『空が、君はとっても優しいって教えてくれたんだ。それと今日が君のお誕生日だっていうこともね。』
『これからは私たちも遊びに来ていいかしら?』 マフラーを巻いたペンギンの親子が言いました。
家に入りきれないほどの動物たちがいます。 うれしくてうれしくてチーターの心が踊り出しました。 『ありがとう。ありがとう、みんな。』
大きなゾウが言いました。 『ぼくたちからの誕生日プレゼントがあるよ』
せ~の!じゃじゃジャーーーん!』 それぞれの動物がカラフルな窓を持ってきてくれたのです。
みんなでその素敵な窓をチーターの家につけて、ハッピーバースデーの歌をうたいました。 暗かったチーターの家がたくさんの色でキラキラと輝いています。
素敵な窓がある家、たくさんのカラフルな友達。 今日も空がやさしく笑っています。
さびしかったのはむかしのはなし、いまではとてもしあわせなチーターです。





