新年明けましておめでとうございます。2022年の幕開けを、ミャンマー応援のカレンダーと共に迎えたプロジェクトメンバーの石川です。振り返ってみると、昨年はコロナウィルスに伴う日本社会の混乱に加え、ミャンマーではクーデターが発生。毎日、悲しいニュースが続き、心の整理がつかない日々を過ごしていました。それでも、何とかミャンマーのために自分たちにできることはないかと模索しているうちに、あっという間に2021年が過ぎ去ってしまいました。未来を諦めない若者たちクーデターから11か月以上経っても、ミャンマーの状況がなかなか改善されず、軍による暴挙が絶えない中、ミャンマーに住む友人たちからも「気がおかしくなりそう」「もう耐えられない」など悲観する声が多く聞こえてくるようになりました。そうした声を聞く度に無力感に駆られていますが、彼らは何度も自らの力で立ち上がり、大切な国や仲間の未来のために諦めない道を選んでいます。助け合いや連帯の気持ちを忘れず、正義のために戦うミャンマーの人たちの姿に、多くのことを教えてもらう一年でした。ミャンマーの人たちが自由や平和、民主主義を求めるために続けている挑戦を、全力で応援したいと思っていますし、そんなミャンマーという国の本来の魅力を一人でも多くの日本の方に知ってもらいたいと願っています。離れているからこそできる支援ヤンゴンかるたを通じて多くの人がミャンマーに目を向けてくださるようになれば、日本や国際社会の風潮に変化を促せると共に、ミャンマーの人たちが「離れていても自分たちは1人じゃないんだ」と思ってくれることにも繋がります。ミャンマーにいない自分たちには出来ないことも多いですが、ミャンマーにいないからこそ出来る支援もたくさんあるはずです。僕がクーデター以降、ミャンマーの人たちにたくさんの勇気をもらったように、日本にいる私たち一人ひとりも決して無力ではありません。この一年も、ミャンマーの人たちが直面している現状に目を背けず、悲しんだり憤ったりしつつも、歩みを止めずに過ごしていければと思っています。我々Yangonかるたのメンバー一同も、ミャンマーの未来のために全力で活動に取り組んでいきますので、どうか今年も我々の活動への応援をよろしくお願いします。全ての皆さんにとって、良い一年となりますように!(石川航)
異文化理解 の付いた活動報告
2021年最後のイベント12月27日、千葉県の公民館でかるたイベントを実施しました。4歳から74歳まで、幅広い年代の方が来てくださいました。初対面で年代もバラバラの参加者が、札について和気藹々と感想を話し合ってくださり、とても楽しいスタートでした。ラペイエ(ミャンマーミルクティー)の札では、Light Up Myanmarのミルクティー同盟のポスターを紹介。また通貨の札では、実際のミャンマーチャット、ベトナムドン、カンボジアリエル、シンガポールドル、マレーシアリンギット、タイバーツ、ブルネイドルを見比べていただきました。ミャンマーの信仰「ゴシック様式 セントメアリー大聖堂」という札があります。仏教徒が90%と言われるミャンマーですが、意外にも、街を歩いているとキリスト教の教会が多く、イスラム教のモスクからはコーランが聞こえ、ヒンドゥー教の寺院もあります。民族が数多くあるように、さまざまな宗教が信仰されています。キリスト教を信仰する人が多いチン州の山奥の写真です。写真家の亀山仁氏からいただきました。クーデターによって、静かなこの村が焼き尽くされていく映像が出ると、賑やかだった会場は静まり返りました。この後、参加者の皆さんにクーデターガチャカードをひいていただきました。4歳から小学生の皆さんと希望される方のために、子ども向けのガチャカードを準備しました。休憩中もかるたについての質問をたくさん受けました。印象的だったのが、ミャンマーの現在の状況を知っても「死ぬまでに一回ミャンマーに行ってみたい」「学校では絶対学べないことだった、知ってよかった」など、ポジティブなご感想を頂けたことです。小さな変化を起こし続けるまさにその夜、NHKの国際報道2021でチン州が国軍の標的になっているとの報道がありました。参加された方は、昨日までとは違う気持ちでそのニュースをご覧になったと思います。私たちの活動はミャンマーの現状を変える力は無いし、ミャンマーの方を救うこともできません。でも、目の前の一人に小さな変化を起こすことはできます。私たちはまだ若く未熟で、行動すればするほど失敗もありますが、皆様に育てていただきたいと思っています。出会ったすべての皆様、そしてご支援くださった皆様に、健やかで穏やかな毎日が続きますように。ミャンマーの新年は4月。それまでに吉報がありますように、祈り続けます。良いお年をお迎えください。(Yangonかるたプロジェクト一同)
かるた完成しました!昨日はクリスマスイブ。私たちの元には、かるたの完成版が届きました。かるたの読み札と絵札かるた製作で大切にしたことYangonかるたの活動の中で一番大変だったことは、かるたの内容の校正でした。もともとこのかるたは、クーデターが起きる半年前、コロナ禍で自宅から出られない時に、兄弟で作成したものでした。クーデタ後日本に帰国し、プロジェクトを始めた頃、上智大学の根本教授がお話を聞いてくださる機会がありました。お忙しい中、私が中学3年生の時に作ったホームページを事前に見てくださり、ミャンマー語表記の間違いを指摘してくださいました。ミャンマー語の日本語表記の仕方や意味を、一つ一つ確認しなければいけないと意識しました。そして、かるたの内容を見てくださる方を探し始めました。大学のビルマ語科の先生やミャンマー語翻訳家の方など、多くの方々にかるたの説明を見ていただく中で、私のかるたの読み札の言葉が、ミャンマーの方に寄り添っていたか、果たして独りよがりではなかったか、深く考えさせられました。自分が趣味で作った無責任な内容ではいけない、と改めて気づかされました。誰に伝えるかレーダンマーケットは「フレーダン」と発音するから「ふ」の札ではないか、というご指摘もありました。また、アウンサン将軍はビルマ族の英雄だから『建国の父 アウンサン将軍』という読み札にすることに、他の民族の方がもしかしたら抵抗感があるかもしれない、といったご指摘もいただきました。多民族国家であるミャンマーは、民族についてどこまで説明するべきなのか、特に悩みました。ヤンゴンナイトマーケットのように、クーデター下で既に失われてしまったものもありました。ただ一方で、こだわりすぎることによって、ミャンマーにあまり馴染みのない日本の方にかるたの内容が伝わりにくくなってしまうことにも気づきました。ミャンマーの方に失礼な説明にならないように、かつ日本の若者にわかりやすいように、試行錯誤を重ねました。多くの方のご協力を得て、ヤンゴンかるたは作られています。かるたと一緒に、ぜひ内容の濃いブックレットを読んでいただきたいです!目標を達成したことから、私たちはかるた製作をすることができました。これまでかるた製作にご協力いただいた皆様、ご支援いただいた皆様、お一人お一人に心から感謝しています!Merry Christmas!!(野中優那)クリスマスイブに作業する私と母(弟撮影)
皆さん初めまして。新町智哉と申します。2014年からミャンマーのヤンゴンで生活しております。MAKESENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd.という会社を経営しており、その名の通りミャンマーのエンタメに関する様々な仕事をしております。これまでに俳優養成所を運営したりイベントを行ったり映画製作にプロデューサーとして関わってきました。最近ではミャンマーについての執筆もしています。どんな困難なときも エンターテイメントは存在し続ける昨年のコロナショックで私の会社も大きな痛手を受け、それでも何とか復活を目指して踏ん張り続け、年が明けようやく出口が見えたかと思った2月にクーデターが起こりました。現状、会社はほぼ壊滅状態です。長い年月をかけて作ってきたチームもピーク時のような大所帯では無くなってしまいました。「こんな状態で自分が残っていても」という自問自答を毎日しながらも諦め切れずヤンゴンに残り活動を続けている日々です。私のこれまでの人生においてミャンマーで過ごした7年という歳月は短いものではありません。沢山の人に知って欲しい面白い話や、大きな声では言えないような話まで。ミャンマーでの生活は刺激的なものばかりでした。そして、関わって来た沢山のミャンマーの人たち。全てが良い出会いではありませんでしたが、私がこの国にこだわるには充分過ぎるくらいの素敵な出会いが沢山ありました。そしてその縁は今でもしっかり生きて続いています。エンターテインメントは衣食住、そして更に安全が揃ってようやく心から楽しめるものだと痛感しています。正直、現状のミャンマーで私たちの出番など一体どこにあるんだ?というのが多数の皆さんの意見ではないでしょうか。しかし、2月以降、ヤンゴンで過ごし、毎夜銃声や爆発音が鳴り響く日々においてもミャンマーの人たちの間に確実にそれは存在しました。決して華やかなものでは無く小さな小さなものでした。ですが、確実に人々の間にエンターテインメントは存在していました。「まだきっと自分にもできることがある」日常と非日常が交じり合う中で私が強く確信した「想い」です。映画『一杯のモヒンガー』で繋がる支援今回大変光栄な事にこのヤンゴンかるたプロジェクトの皆さんからお声をかけていただき、喜んで協力させていただく事にしました。2017年に私たちが製作した「一杯のモヒンガー」という映画その脚本をリターンとしていただくために、一杯のモヒンガー製作委員会より、ヤンゴンかるたプロジェクトへ寄付させていただきます!こちらは実際に映画の中で使われているミャンマー語のセリフを全て片仮名のフリガナ付きで掲載しています。更に見開きでそのミャンマー語のセリフの基となった日本語の脚本が載っています。DVDも付いているので映画と合わせて楽しんでください。映画の撮影、編集は勿論、この本の印刷、DVDのプレスに至る全てをミャンマーで行いました。日本の皆さんの手元に届くのが今から楽しみです。これがヤンゴンかるた共々、日本人とミャンマー人の新たな交流のツールになると幸いです。一杯のモヒンガー製作委員会 プロデューサー新町 智哉
ミャンマーの今とこれから12月18日(土)に、世田谷区の講座にて、認定NPO法人 CFFジャパンさんによる『ミャンマーの今とこれから』多文化理解講座(せたがや国際交流センター主催 世田谷区後援)が三軒茶屋キャロットタワーにて開催され、そのなかで私たちの「ヤンゴンかるたプロジェクト」を紹介する機会を頂きました。講座にお集まりの多くの方々の前で、実際のかるたのサンプルやクラウドファンディングの返礼品の紹介をしながらメンバーの思いやヤンゴンの現在などお話しできたことは大変ありがたいことでした。「以前にミャンマーに住んでいたから」「ミャンマーの生活を知りたいと思って」など、参加者の方のミャンマーとの関わりやご興味などたくさん伺うことが出来ました。他世代で遊べるかるたかるたのサンプルを手にとって「孫とこれで遊んでみたい」というお言葉を頂けたこともとても嬉しいことでした!そして多世代で遊べるかるたというツールの楽しさを改めて感じました。残念ながらお正月には間に合いませんが、ぜひ!手に入れてみて下さい。講座の中では、ミャンマーの児童養護施設での生活や日本野菜の栽培による農業支援の話など、大変興味深い話を聞くことが出来ました。「ヤンゴンかるた」プロジェクトメンバーの多くはヤンゴン都市部の生活しか経験がありません。日本の1.9倍の国土をもつ意外と(?)広いミャンマーのことをもっと知りたいと思った一日にもなりました。リターンの実物やかるたサンプルを実際に見て頂きましたCFFジャパンの皆様、世田谷区国際交流センターの皆様、本日は貴重な機会をありがとうございました。中学1年生のメンバーが当日つくった資料です(木中)