2022/03/04 12:00
Con Delicatezza について


はじめまして。Con Delicatezza(コン・デリカテッツァ)でテノールを担当している及川 光久と申します。


私たちは各パート1人×5声のアンサンブルで、2016年から活動しています。

私たち5人が大学時代に所属していた東京大学音楽部合唱団では、日本古楽界の草分けである有村祐輔先生の指導のもと、ルネサンス・バロック時代の音楽を取り上げる機会が多くありました。

古楽のなかにも色々なものがありますが、中でも私たちはクラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643) の作品に興味をもって取り組んできました。ルネサンスからバロックへの音楽様式の転換期に活躍した作曲家で、知名度こそ高くありませんが、音楽史を変えたという意味ではベートーヴェンにも並ぶ存在ではないかと思います。

モンテヴェルディはマドリガーレとよばれる、叙情的な詩を用いた劇的な楽曲を多く遺しており、その多くが5声のための作品です。大編成の合唱で演奏することもできますが、各パート1人で演奏することで鮮度の高い表現ができます。


Con Delicatezza では、音程や発声、リズムといったアンサンブルの基礎を大切にしながら、どうすれば作品の魅力を引き出す表現ができるのか、5人で意見交換をしながら音楽をつくってきました。その成果が出て、2018年東京春のコーラスコンテスト「春こん。」ルネサンス・バロック部門で金賞・1位を頂くことができました。



2018年「春こん。」での録音がありますので、よろしければ一聴ください。

「うたのま」で同曲を再び取り上げる予定です。


「Sfogava con le stelle:星たちに打ち明けた」

https://youtu.be/CUOKhAdrv4U


以降も活動を続け、2020年2月の「春こん。」にも出場し優秀賞を頂きました。このとき既に日本でもCOVID-19の感染者が出始めており、結果的にこれを最後に対面での活動を休止することとなりました。



コロナ禍での活動


私及川が医師としてCOVID-19の診療を含む業務にあたっていたこともあり、対面での活動再開の目処が立たない時期が長く続きました。


2020年〜2021年はリモートでの多重録音を中心に活動しました。多重録音を活用して声部の多い曲やピアノ付きの曲にも取り組み、いくつかはYouTubeチャンネルで公開しています。

https://www.youtube.com/channel/UC5eyz0IkHRR7ApjXVsBlDYQ/



「うたのま」演奏会に向けて


リモートでの活動にも行き詰まりを感じていたところに、「うたのま」出演のお話をいただきました。願ってもない機会でしたが、このコロナ禍にあって実際出演できるのか、ギリギリまで検討を重ねてきました。

2回のワクチン接種を済ませ、流行の落ち着いた12月になってようやく、1年10ヶ月ぶりの対面練習を行いました。その後の流行再拡大で再び対面練習を休止しましたが、コロナ禍で手に入れた「リモートでの多重録音」という手段も活用し、最小限の練習回数で演奏の質を高めることができています。

コロナ禍の収束が未だに見通せない現状で、メンバーもそれぞれに仕事や学業がある中、こうして活動を続けられていること自体ありがたいことだと思っています。

当日の演奏をお楽しみにお待ち下さい。