こんにちは!
昨日から『うたのま演奏会 vol.1 アマチュアの饗宴』の参加団体による記事を投稿しています。
第二弾となる本日は、未来コライの皆様に執筆していただきました!
それではどうぞお楽しみください(/・ω・)/
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団体紹介
はじめまして。混声バーバーショップカルテット「未来コライ」代表の鈴木と申します。我々は4人で関東圏で活動しています。
コラミィというキャラクターもいます。可愛いでしょう? 帽子は二分休符、足は四分音符をモチーフにしています。
みなさんは、「バーバーショップ」というジャンルの音楽をご存じでしょうか? アメリカ発祥の、ハーモニーを大切にしたエンターテインメントです。
ポップな曲がオシャレな和音で奏でられます。ほとんどが男声ですが、最近は混声アレンジも、少しずつではありますが広がってきており、我々はそこにチャレンジしています。
Aladdin Medley
Let’s Live it Up
If You Love Me, Really Love Me
設立の背景
私は、大学で合唱を始め、音楽に触れるようになりました。ルネサンス・バロック期を中心に、無伴奏の男声合唱やカウンターテナー曲を歌っておりました。
Mass for Three Voices
Fair Phyllis
Sestina
あらゆる分野で、古典には基礎基本が詰まっていると言われています。合唱も同じで、ルネバロ曲には、標準的な曲の流れやハーモニーがたくさん含まれていて、勉強になりました。
学生指揮者として活動した時には、そのシンプルさが故に曲の粗がすぐに見えてしまう難しさと向き合うことになりました。基本的には三和音の組み合わせです。ハモらなかったらすぐにわかる。フレーズが途切れても気持ち悪い。音程がまずいのか、発音がまずいのか、発声がまずいのか……たくさんの試行錯誤もさせていただき、多くのことを学びました。
卒業後、惰性ではありましたが、合唱を続けてみたいと思いました。次はフランクな曲を歌ってみたいと思い、アニソン合唱団に所属しました。
アニソンにはアニソンの難しさがありました。全般的にテンポが速く、言葉も多いため、発語が不明瞭になりがち。さらに、リズムがルネバロに比べはるかに複雑でなかなか合わない。困難な要素が多く、理想とのギャップに苦しみ、退団することになりました。
とはいえ、合唱をまるごと諦めるのももったいなく感じました。ふと、大学時代に一度歌ったことのある「バーバーショップ」というジャンルを思い出しました。
私は、第63回東京六大学男声合唱連盟定期演奏会で、Go Down MosesとScarborough Fairという曲を歌いました。
Go Down Moses
Scarborough Fair
この曲のハモりには心震えました。ちょうど3年生の時で、幹事代・学生指揮者でした。めちゃめちゃ難しかった。けれども、今まで聞いたことがない素敵なコードに、なんだかよく分からないけどカッコいい、と感じました。
バーバーショップには、以下の原則があるとされています。
4パートであること
上から2つ目のパートが、メロディを歌うこと
原則として五度圏で和音が展開されること
しばしば、7th和音が用いられること
Swipeと呼ばれる、一発音の和音を様々に変化させながら歌う技法が用いられること
(出典:バーバーショップ・ハーモニーへの招待)
7thの多用は、間違いなくかっこよさの一因でした。こういう、ほどよくフランクで、でもカッコいい、そんな曲をやってみたいと思ったのでした。
始めるにあたっては、カルテットがいいなと思いました。大学合唱の合宿での恒例イベント「カルテット歌唱」がとても楽しかったのが一つの理由です。そして、大学でもそうですし、アニソン合唱団でも感じたことですが、人数が増えればできることも増える一方で運営が大変です。
カルテットは、できることの規模は小さくなりますし、選べる曲も少なくなります。しかし、バーバーショップは原則4声ですし、伴奏もありません。転職して間もない頃でした。色々ドタバタでしたので、なるべくシンプルに、それでも一人ひとりが責任を持って曲と向き合うスタイルを採用しようと考えました。
今後の展望
ところで、バーバーショップは、良くも悪くも世界が狭いです。アルカフェという荻窪にあるカフェがこの界隈で有名と聞いて、一度お伺いしたところ快く受け入れていただきました。演奏機会に誘っていただいたり、さまざまなコツを教えていただいたりと、とてもよくしていただきました。
アンサンブル交流会 おおたかの森ホール アカペラ試演会
アルカフェ
FourJoy’s Something Red Party
一方、例えば日本人全体に目を向けると、認知度は決して高くないと思います。合唱自体が、知名度は高いものの、人気コンテンツではないと思います。詳しく知ろうとすることもない。そんな扱いの中で、バーバーショップが知れ渡るはずもありません。
私は、合唱がもっと取り上げられるようになり、いずれ「合唱」というくくり・認知の枠を超えて、一音楽としてバーバーショップを多くの人に楽しんでもらいたいと思っています。
2021年初頭には、virtuAcapella Japanというワークショップで「はじめてのチュウ」を題材に、日本語のバーバーショップを歌いました。未来コライのメンバーも一部参加しています。とても刺激的でした。
First Kiss
https://youtu.be/Ul3fsbsd8oo
いつか再び、こうした日本語のバーバーショップを創作して演奏し、日本の皆さんにもっとこの音楽を楽しんでもらいたいと考えています。そして、本場アメリカや活動が盛んなヨーロッパで、逆輸入的に演奏する機会が作れたら……と思っています。
うたのま演奏会へ向けた意気込み
コロナ禍では、対面練習の代わりにリモートで活動し、個々人のスキルは鍛えられたと思っています。動画をアップすることもできました。
Cups
You’ve Got a Friend in Me
とはいえ、最近ようやく再開できた対面練習は、やはり楽しいです。そして迎える、2年ぶりの本番です。こうして歌える機会のあることを喜びながら、新曲を織り交ぜつつ精一杯、楽しんでもらえるパフォーマンスを目指します。
クラウドファンディングへの協力依頼
実は、岡田くんは大学合唱団の時の後輩です。一個人として、後輩の取り組みを応援したいと思っています。藝大に行って、曲も書いていて、尊敬しています。我々未来コライとして、演奏を最大限に頑張ります。
パフォーマンスを皆さまにお届けするためには、ただ練習を頑張るだけではなく、別の努力が必要です。多くの皆さまに知っていただく取り組みや、感染の恐れがない安心な運営を行うことなど、目に見えない活動があります。
今回の「うたのま」は、なるべく多くの人に合唱、そして音楽をお届けするための第一歩だと思います。合唱に関わられている方、音楽が好きな方に、ぜひ応援をしていただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたします。