高2 정대오 チョン・テオ "수상구단기둥의 탐색" TRPG「樹状構団柱の探索」
F50号 パネル、アクリル
당신은 플레이어이다.
당신은 분기를 반복하는 수많은 기둥으로 구성된
미지의 세계를 탐험한다.
あなたはプレイヤーだ。
あなたは枝分かれを繰り返す無数の柱で構成された
未知の世界を探索する。
この作品はTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)といってテーブルを囲んでトーク(会話)して遊ぶロールプレイングゲーム(RPG)というゲーム世界のイメージ画像だ。
(この作品のオリジナルキャラシート)
この作品を観てイメージされたシナリオをプレイしながら、登場人物たちは物語を紡いでいく。
世界設定の中でキャラクターたちは自分の人生を営みながら、他のキャラクターとの化学反応を楽しむ。そのような数々の物語世界がノベル化され、漫画化され、映画やゲームとなって現れている。
現在、この世界観をロールプレイングしながらこの世界で生きる人物たちがどのような行動をとり、人と交わっていくのか試行錯誤中である。
この作品から私たちは何を想像できるだろう。
題名の中にある樹状構団柱とは画面の柱上の構造物であろうが、手前緑色の柱には窓があり、灯りがついている。人影は見えないが住居としての役割を果たしているのか。
赤い柱は何か他とは違う特別な雰囲気を醸し出している。灯りは無く、赤茶けた錆のようにも見えるし、遺跡のようにも見える。下は空気が煙り、果てが見えない。
作者は今までこのような世界観で作品をいくつか制作している。
「胡孫眼型集落」F50号 パネル、アクリル 2020年11月制作 ※去年度の部展に展示
緑色のごみごみとした世界で人の営みが描かれている。
これが樹状構団柱の世界に繋がるのだとすると、柱の底辺部分ので強かに生活する人々の姿だろうか。
風景の真ん中には柱状のものを連結する巨大なボルトが描かれていたり、遥か彼方に柱状の構造物が霞んで見える。
去年の美術部展「はじめての日常」では「aircon-man」というインスタレーションとパフォーマンスを行った。
そしてこれは中級部時代に描いた作品、「快適な世界」という作品の中で生活する労働者の住居をインスタレーションし、作者自身が演じたものなのだ。(aircon-manはあくまでも未来から来た別人格と言い張るが)
緑色の世界で生きる人々を描いた2020年1月部展「ふじゆうトピア」で展示された作品にそれらは表現されていた。
廃棄区画「F・u-第10地区」 パネル 水彩紙 水彩 F10
「快適な世界」90cm×300cm パネル、水彩紙、水彩 2018~2019年
これは作者が中2から左から水彩で一枚づつ世界を広げていった作品だ。
この世界では空気も何もかも全てコントロールされた世界で建物の壁がほとんど室外機でできている。
究極に管理された世界で室外機が積み重なった挙句、上へ上へと柱のようになっていったのだろうか。
作家は樹状構団柱が立ち並ぶ世界にまで3年にわたり積み重ねたことで世界を構築する強度を上げていった。
作品表現としては平面、インスタレーション、パフォーマンスと現実を入り混ぜながら、どんどん吸収された知識、経験をアウトプットしていく。
興味はエアコンの室外機やパイプや配管からスチームパンクな世界を好むようになり、その先達である大友克洋をはじめとした漫画家、イラストレーター、アニメ、ゲーム世界を吸収し、韓国のキムジョンギに憧れ、フランス・バンドデシネのメビウスまでも手を伸ばしていった。
これらのアートやアーティスト作品の世界観は唯一無二のオリジナル性があるように見えて、実はとても密接に重なり、相互にリスペクトされ、古典、そのまた古典へと系譜を辿りながら神話と言われるものまでも吸収していく。
世界を創作する作家は無意識のさらに上のステージにおいて、他の作家世界と繋がっていたりするものだ。そうなると真似ることや盗むような次元ではなく、世界の間を行き来しながら無限に空間を広げていける高次元の領域にたどり着いたといえる。
自分の世界を構築していったときに必ずぶつかる先達の仕事をどのように吸収するか、同年代の創作家とどのように刺激をしあうかで世界は広がりを見せ、強固になっていくのかもしれない。
貴重なものを吸収する機会と、他の創作者との交流と刺激は自らの意識がなければ目の前を静かに通り過ぎてしまう。
この作家の次へのチャレンジがさらに世界を広げてくれることを願う。
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そして今回、生徒たちは「未知しるべ」という展示を、同じ年代を生きる表現者が相互に刺激しあえる空間にするために頑張っています。
みなさんの支援が、それを可能にします。
どうか、この生徒が企画する展示に支援をお願いします!!