ご報告が遅くなりましたが、ホワイトデーの3/14、ついにお庭の改修工事が着工となりました。終わりの見えないコロナとの戦いに加え、未だ実感を伴わない世界情勢の急転。悲しすぎるニュースの数々に未来を見いだせない日々。心から笑顔になれない中、工事開始は我々にとって小さな希望となりました。大家さんからご紹介いただいた植木屋さんが、予算のない我々に採算度外視で協力くださり、廃品を利用した”ジャンクガーデン”を目指します。ヒト店長も庭好きスタッフも大家さんも力仕事やる気まんまんで待ち構えていたのですが…なんと腕のいい職人さんが5名も作業に来てくださり出る幕なし!ローズマリーにブルーベリーも!廃品とはいっても、きちんと一つひとつ補修してうちの庭に合うように改造もしてくださっています。ピカピカ過ぎないこのアンティーク感が店内との相性もバッチリです。プランターに元々植わっていた草木も一緒に仲間入り。猫たちも見学会。その視線の先には・・・悲願の雨除けが。誇らしげにそびえ立つパーゴラ。そしてそれを支えるウッドデッキ。材料のほとんど全てが、アイアンウッドという20年以上腐ることのない丈夫な木材の中古品や端材です。東南アジアなどで水の中に建っている建物の土台に使われる木だそうです。時間の経過とともに、いい感じに退色して、美しい灰色になっていきます。色も長さもバラバラなところがまるでアイアンウッドのパッチワークのよう。愛しいお庭になりそうです。奥の細道もその姿を現したところでこの日は終了。この続きもどうぞお楽しみに!
保護猫カフェ の付いた活動報告
キャッツイン東京の活動は、猫カフェ運営だけではありません。TNRをはじめ、可能な限り、保護や捕獲も行います。そんな日々の活動の一部をご紹介します! ★ ★ ★板橋区内のとある住宅地。飼い主が4年ほど前に亡くなり、6匹の猫が取り残されたそうです。元々出入り自由で飼われていたこともあり、全頭耳カットが入っていました。不妊手術は済んでいます。法定相続人はこの猫たちの新しい飼い主を募ることなく、相続した住宅を売却。猫たちはそれから3年以上、路上生活をしていました。幸い、近隣の方々が不憫に思ってこれまでお世話を続けており、心臓病を患っていた1匹も病院に連れて行ってもらうなど、地域の人々に見守られて元気に過ごしていました(心臓病の猫は治療の甲斐無く病院で死亡)。しかし、当然のことながら猫嫌いの人も少なくなく、餌やりのことで何度もトラブルになっていました。そんななか、猫たちをお世話している方のおひとりが猫たちの未来を憂慮して、キャッツイン東京にご相談をいただいたのです。現場調査に行ったところ、猫たちは大変人懐こく、健康状態も良好。年齢は6歳ぐらいで、今なら十分に室内の飼い猫として新たな飼い主を見つけることが可能と判断。2021年12月末を目処に、1匹ずつ引き上げることにしました。なるべく寒さが本格的になる前に。近隣には猫よけと思われるペットボトルを置いている家が何軒も怪しまれて捕獲失敗。作戦変更!人馴れ具合からして、正直捕獲は簡単と読んでいました。毎日夕方に給餌するAさんが来ると、ワラワラとみんな集まります。大の字にひっくり返ってお腹をなでてもらう猫もいるほど警戒心が薄らいでいるように見えました。猫のお世話をしている人からも「みんなおとなしい猫たちだから」と聞いていたこともあり、楽観視していたのです。「猫かぶる」の語源を思い知るとも思わずに。警戒心ゼロに見えたトラでしたが…ところが、私が姿を見せた途端警戒モードとなり、好物で釣ってもキャリーには入らず、それどころかごはんにも手を付けようとしませんでした。以降、私が来ると蜘蛛の子を散らすようにどこかへ行ってしまうように…。ということで、作戦変更。同じスタッフが毎日定時に通ってご飯を与え、そのスタッフに懐いたところでキャリーを置き、まずはキャリー内でご飯を食べる練習をすることにしました。スタッフを品定めしているトラこの作戦はうまくいきました!スタッフの前野が毎日通い、週末も子守の合間を縫って通い(幼子3人子育て中)、時には子連れで通い、信用を勝ち取ったのです。猫たち、特にトラはあっさりとキャリーを新しいお食事処として利用するようになりました。子どもたちがいても平気!ついに捕獲実行!ところが…通常、よほどに慣れた猫でない限り、猫の保護は子猫も含めて捕獲器で行います。追いかけて人間不信にしてしまったり、慌てて走り出して交通事故に遭ったりしても危険ですし、追い詰められた猫によって人間がケガをする場合もあります。双方の安全と、ストレスを最低限にするためにも捕獲器はとても有効です。ただ、トラは大きな猫なので、通常の捕獲器では難しそうでした。なので、まずは大型の捕獲器を発注することになりました。すっかりキャリーの中で食事をするのが定番になったトラ。そして大型捕獲器も到着。満を持して捕獲器をセットすると…何の疑問も持たずに入ってくれました!だまし討ちみたいで心は痛みますが、これでやっと危険な生活から抜け出せます。悲痛な声を上げるトラを車に積み、一路予約を入れていた病院へGO!捕獲器ですところが、ヒト店長がトラを動物病院へ運ぶため立ち去ったあとに、なんと近隣の住民の方々に詰め寄られ、お叱りを受けてしまいました。「俺たちがかわいがっている猫を連れ去るなんてけしからん」と。病院へ連れていき、新しい飼い主を探すのだと説明をしても聞く耳を持っていただけず、罵詈雑言。こういったトラブルを避けるため、保健所の生活衛生課の職員の方々と現地調査を行い、警察にも説明と協力要請をして、マンションやアパートなどには管理会社に連絡をして、マンションの理事会で説明会を実施して、近隣にはチラシをポスティングしていたにも関わらず、です。ちなみにマンションの理事会でも、「猫に迷惑してるんだ!」と言われ続けてなかなか捕獲について理解を得ることができませんでした。配布した実際のチラシの一部このように、猫の保護活動は理不尽な思いをすることも少なくありません。猫を大切に思っている人から依頼されて動き、猫に困っている人々にとっても有益なはずのことなのですが。世界平和が遠いのはこういうことなのか??とも思ったりもしますが、いろんな人の立場から物事を見ることができていない、自身の人間力の問題かもしれません。日々修行と学びですね。ちなみにこの日は小学生のお仕事体験のお子さんも同行していました。ディープな社会経験となったことでしょう。実は一番冷静だったようです(笑)。未来は明るい!※まだ残りの猫たちは保護できていませんが、粛々と進めております※トラは現在板橋区内の保育園(預かりボランティア家庭)で家猫訓練中です
キャッツイン東京・店長のアイと申します。今回の応援委員会の団長です。店長と言っても、単なる無償ボランティア。キャッツイン東京のファウンダーで、支援者のひとりとして生涯応援していく立場で運営に関わっています。サノスケ園長とただの猫と犬の飼い主でしかなかった私が、東日本大震災を境に動物保護に関わることになって、いつの間にか10年半の歳月が過ぎていました。最初のころは知識も全く無くて、今思うと無謀だったり、人に迷惑をかけたりしたことも多かったと思います。そして、出会った猫や犬、その他の生き物たちに一つひとつ現場で教わって、たくさんの失敗の上に今があります。相手が生き物なので、失敗や後悔があっても、一度関わると止まることはできません。この10年余、ずっと走り続けてきましたが、2016年に保護猫カフェをオープンしてからは、もはや全力疾走で、あっという間の5年でした。いろいろ間に合っていない恐怖にかられる日常ですが、そういった中でも命だけは最優先にしてきました。関わった猫は絶対に守る、という覚悟をもって日々に対峙しています。プレオープン時の店舗入口。平日は工事、土日のみの営業を半年続けました。今回の庭と万年塀の改修は、ここ小豆沢に移ってからずっと課題でした。最初につくった板橋本町のお店が、オープンしてたったの2年4カ月で所有者都合で退去しなくてはいけなくなったため、移転決定の時点で520万円の未回収の借入がありました。これ以上の借入させてくれる金融機関があるはずもなく、途方に暮れての新天地探しのスタートでした。2年4カ月しか営業できなかった旧店舗知人の紹介でご縁があった小豆沢のお店は、23区では貴重な庭付きの路面戸建て。しかも駅近。緑の多い大きな小豆沢公園の前で、ひと目で気に入りました。庭の大きな柿の木と夏みかんの木にも魅せられました。大家さんご一家は、保護猫2匹と暮らしている大の猫好き。「保護猫のためになるなら」と、家賃も格安にしてくださいました。ただし、ライフラインが何も来ていない家内工業のプレス工場跡地。断熱も床もなく、古いサッシにはペラペラのガラス。これを猫が安全に暖かく過ごせて、お客さまを迎えられるようにするには、保護猫価格にしてもらっても600万円近く。旧店舗の分と2軒分の工事費用と設備費用合わせると1千万円を超える借金を抱えての再出発でした。そんなわけで、何しろお金がありませんでした。造作は里親さんでもある大工さんにお願いしましたが、壁塗りは自分たちの手で行い、家具は全ていただきものと私物。庭はスタッフが見よう見まねで塀を塗ったり、玄関までのアプローチは大家さんが板を敷いてくれたり、手持ちの観葉植物の植木鉢を並べたりと手作りでしのいできました。看板も子ども用のお絵かきボードで代用。風の強い小豆沢の高台のため、毎日突風との戦いを1年続け、ついに諦めて木にくくりつけました。その結果、目立たない看板と、奥まって見えない店舗入口のため、近隣の住民でさえ「存在を知らなかった」と言われることが今もよくあります。さらに、雨の日に泥で足を取られないようにと敷いたベニヤ板が経年で滑るようになり、転倒者が続出。また、アプローチは蓄光型の照明しかないため入り口が暗く、夜間はさらに足元が危険ですし、防犯上にも不安がありました。今年に入り、松葉杖のお客様が転倒したことをきっかけに、工事を決意しました。板橋の地で5年お世話になったことも踏まえ、これまでにつながりのできた地元の方々や里親さんたち(譲渡した猫の飼い主さん)の手を借り、安全で明るい庭にし、さらに、地元の方々にも楽しんでもらい、一休みしていただけるような場所にしたいと考えています。それによって、目的である猫の保護と里親探しを加速していきたいと思います。ご支援どうぞよろしくお願い申し上げます。CAT’S INN TOKYO店長 藍智子