2021/12/14 22:38

今日で、凪くんが産まれて15日目になります。
ちなみに、産まれた日はカウントしないそうです。

まだ2週間なのか、もう2週間なのか、時間の感覚があやふやなのですが、新生児の時期は一瞬で終わってしまう貴重な期間なのだなと実感しています。

膝の上で朝日を浴びる凪くん、この顔をほよ顔と呼んでいます。

お世話と寝るので精一杯で、他の事に手が回らず申し訳なさもあるのですが、
毎日凪くんの顔を見て過ごせるのが、とても幸せです。

育児は未知の領域なで、少しの事で心配になってしまったり、疲労や睡眠不足で10年ぶりに金縛りに遭ったりと忙しいのですが、
たくさん泣いて、必死の形相でミルクを飲んで、ブクブク太って、スヤスヤ寝ている姿を見ていると、生きようという本能を感じ、本当に愛おしいです。

初めての沐浴でギャン泣きする凪くん。

寝ている時は天使、起きてる間は怪獣というやんちゃな凪くんですが、
意思表示をしてきたり、色んな表情を見せてくれます。
もうミルク要らないと、意地でも口を開かない時のムスっとした表情や、
湯船に入る時に「ふぇー」と言いながらほよ顔をしたり、
うんち中の気張ってる顔が特にお気に入りです。

母乳もだいぶ出るようになってきて、
もう少しで安定供給できそうです。
母乳を使った楽しいイベントも後々企画したいなと思っています。

リターンのアパレルや、個展のオリジナルトラックの打ち合わせを進めたり、
素敵な世界を皆様にお送り出来るよう、産後で鈍い動きにはなってしまっているのですが、頑張っております。

リターンのデザインのzoom打ち合わせにて、凪くんを見せびらかしている様子。

クラウドファンディングも残り5日になってしまいましたが、200%目指して、最後までお付き合い頂けると嬉しいです!

今回は出産レポートを書いてみました。
陣痛の途中からレポートどころではなくなり、助産師さんの記録と記憶のある範囲でのものになってしまうのですが、ぜひお楽しみください。

出産中は、妊娠中のハッピーさとは打って変わった過酷を極めるものでした。

痛みと不安で何度も意識が飛び、
曼荼羅や、意識の扉、生命の穴のような、神秘的で忘れられない景色を見ました。
呼吸が乱れると震えながら白目を剥き、
パートナーの手に爪を立て、
出産は命懸けというのを理解する、壮絶な体験でした。

そして、人間から人間が生まれるという奇跡に感動し、
確かに小さな宇宙の誕生を感じました。病室私は自然分娩で、お灸などもしてもらえる助産院を受診して居たのですが、子宮口が固く、予定日を過ぎてもほとんど開いておらず、11月28日に入院をして計画出産に切り替えました。

完全個室なのですが、コロナの影響で、パートナーは立ち会いとその前後2時間のみ一緒に居させてもらえました。

入院して即、子宮口を開くためにラミナリアという昆布の茎を入れる処置を行いました。乾燥した昆布の茎を、自らの粘膜でゆっくり戻して子宮口を開く、古くからの技法だそうです。

しかし、これが本当に痛くて絶叫ものだったのでした。あまりの痛みに泣いていたら、先生と看護師さんに「こんなんで痛がってちゃお産なんか出来ないよ」と叱られ、しおらしくシクシク泣いて耐えました。

途中でコツを掴み始めた、後の陣痛やお産でも最も大切なだったのが、「呼吸」でした。

「痛い!」と認識した瞬間に痛みに支配されてしまい、あまりの痛みに震えと寒気で、パニックになっていたのですが、痛くなる前に「深呼吸をする」という一点に集中すると、脳が痛みを認識する前に呼吸に集中出来るので時間が経つのも早く、痛みとサーフィンする事が出来ました。

何らかの処置をされる私、記憶が無い為何をされているかは分からない。。。

昆布を入れてからが戦いの始まりでした。

10分周期で恐ろしい痛みが、腰と下腹部に直撃してきて、息をする事すら難しい戦いが始まりました。
これは子宮口が開き、胎児が骨盤内に降りてくる為起こる痛みだったようで、神経に直接響いている痛みという感じでした。

この時点で既に、震えと、意識が飛んでは痛みで起きるを繰り返しており、その度に曼荼羅や景色が見えていました。
意識が痛みに呼び戻されると、あまりにも辛くて、自分のことしか考えられなくなり、陣痛への恐怖で今すぐ無痛に切り替えたい、いつまで続くんだという思いしか無かったと思います。

夜中にあまりの痛みでどうにもならなくなり、ナースコールを押し、分娩台で様子を測ってもらいましたが陣痛は来ておらず、
あんまり来てないから痛くないでしょ?と言われていたのですが、気絶するほど痛くて、嘘だろ?と思っていました(笑)

この痛みの種類、人によって違うかもしれないのですが、
私にとっては、「生理痛の極限」腹痛ではなく、「生理痛に伴う腰痛」の痛みでした。
10か月間、生理とおさらばしていたので、生理痛の存在を忘れていた事も思い出しました...

結局この日は陣痛はありませんでした。
寝たのか、寝ていないのかも覚えていません。

朝7時20分、分娩台で先生と助産師さんが診察して下さり、子宮口が4cm、胎児の頭も50%くらいまで降りていました。
そこで、昆布を除去し、子宮口を柔らかくするお灸をしてもらいました。
そして、7時41分にアトニンOという陣痛促進させる子宮収縮剤を点滴し始めました。

ここからが本番でした。

この陣痛促進剤が、人によって効き方が違うそうなのですが、私はとても効きやすい体質だった様で、入れ始めてすぐに強烈な痛みが30秒間隔で来ました。
あまりの痛みでここからは記憶もぶちぶち飛んでいて、全く動けなくなくなりました。
異常な陣痛の強さだったのは、促進剤の効きすぎで、少し危険な状態にあったそうです。
ここで赤ちゃんの心音が80くらいまで落ちたそうです。

促進剤が効きすぎて、陣痛が強くなりすぎると、胎盤の早期剥離の可能性があるそうです。すぐに量を少なくして、最初は15滴だったのですが、5滴になりました。

10時10分、強烈な腹痛に襲われ、残っていたうんちが出ました。これは良くある事だそうですが、今まで電車で襲われて来た数々の腹痛を、遥かに凌ぐものでした。
赤ちゃんが、産まれやすいように残っているものを全部出してくれるようで、病院によっては事前に下剤で出す所もあるようですが、それは絶対にオススメしません...多分休む間が無くなるのでずっと痛いになってしまいます。

そこで少し落ち着き、間隔が7〜8分に延びました。

10時35分頃から嘔吐を数回繰り返し、
10時45分から間隔が2分になりました。
11時15分再び嘔吐し、
11時20分に内診をすると、子宮口は7センチに、子宮の薄さが1〜2mmになっていました。

なぜ吐き気がするのかは分からないのですが、痛みもあるので、タイミングが上手くいかないと吐く前に陣痛が来てしまい、吐けなかったです。
これが地味にキツかったので、
事前に吐きやすい位置に、何か準備しておくべきだったなと思います。

そして、11時55分、ついに破水しました!
破水の感覚は全く分かりませんでした(笑)
助産師さんの、「破水しましたよ」という声で我に返ったようです。

12時00分に内診をしたところ、子宮口は7〜8cm開き、胎児の頭が完全に降りてきていました。
まだいきみたい、という感覚は無かったと思います。

そして、12時25分、遂にいきみ始めました!分娩の開始です。
最初は波に合わせる練習ような感じから、
12時50分に本格的にいきみ始めました。

13時00分に会陰切開(えいいんせっかい)という出口を切る処置をし、少し出にくかったので、子宮の上から2度ほど押し出すようにして助けてもらいました。

点滴を開始してからは時間の感覚が全く無いのですが、当初は夕方6時〜7時に呼ばれると思いますとパートナーは伝えられて居たのですが、ずっと近くで待機していてくれたのですぐに来てくれました。私の寝る方向が偏っていて、反対に寝方を変えたらすぐに分娩が始まり、そこからはあっという間に産まれました!!

看護師さんに状態の確認をしてもらう凪くん。

分娩は、いきみたいという波に、呼吸をタイミング良く合わせると上手く行くように思います。
大きく息を吐いて、勢いよく吸って、止めていきむ!そして息を吐くを繰り返していました。
いきみたい感が収まったら、無理せず深呼吸は続けたまま休み、呼吸は絶対にやめないようにしていました。
集中力が切れてしまって、痛みに支配されたり、力が上手く入らなくなってお産に時間がかかると赤ちゃんにとっても危険だそうです。

いきみは、もう、全身全霊で!!!

赤ちゃんの頭は思っている以上に出すには大きかったですが、助産師さんも手伝ってくれて、タイミングも的確に伝えて下さったのでコツを掴めばあとはすぐでした。

後から聞いたのですが、力む時に目を瞑ってしまうと、目の血管が切れて、パンパンに腫れてしまうことがあるそうです。
私は意識を保つために分娩中は目を開いていたのですが、ずっと意識が朦朧としていたのでそのままだとやらかす所でした。

13時19分

陣痛が来てから12時間32分後、ふぇーんと産声を上げて、

凪くんがこの世に誕生しました。

生後1日の凪くん。

産まれてきた子どもを見た瞬間、何とも言えない本当に不思議な気持ちになりました。
出産で限界突破した直後のやり切った感と、
このヌルヌルしていて、シワシワで、弱そうな小さな人間は、私の息子なんだという少し実感が無いような、フワフワとした感動がありました。

そして、無事に産めた。やり遂げた誇らしさで胸が一杯になりました。

レポートを清書しながら振り返っていると、遠い昔の出来事のような不思議な感覚になり、あんなに辛かったはずなのに、懐かしくなってしまいました。

知らない間に寒くなっていて驚いていますが、今年のクリスマスやお正月は今までと違う過ごし方になりそうで楽しみです。

コロナもまだ落ち着きそうにありませんが、皆様が穏やかな日々を過ごせますように。