●はじめに
はじめまして。
ページをご覧いただきありがとうございます。
熱海市伊豆山(いずさん)で、弁当屋「喜余味(キヨミ)」を営む高橋一美です。
2021年7月3日に伊豆山で発生した大規模な土石流。
亡くなられた人、家族を失った人、自宅や仕事場が崩壊してしまった人、休業を強いられた人、今までの日常生活を送れなくなった人。本当に多くの犠牲と被害がありました。そして、いまだ一人の方の行方がわかっていません。
海までおよそ1kmにわたって、すさまじい勢いで街を飲み込んだ土砂は私の店舗兼自宅にも入り込み、水道やガスが止まりました。なんとか土砂をかきだしたものの、とてもすぐに店を再開できる状況ではありません。
「それなら自分にできることをやろう」と、翌日から仲間とともに在宅避難している近所のおじちゃん、おばちゃんたちに支援物資を届けながら、困りごとを聞き取る活動をはじめました。
ボランティア経験などなく、計画的に活動してきたわけでもなく、毎日ひたすら目の前の困っている人や問題に向き合いながら今日まで動いてきました。
その一方で、活動を重ねるほどに「まだまだやれることがある」という思いが強くなり、土石流発生から3カ月目の10月3日に、15人の地元の仲間と任意団体「テンカラセン」を立ち上げました。
団体名には、“点”と“点”が結びついて“線”となり、誰もが“縁”で結ばれるようにという願いを込めています。
あの日まで、当たり前だった日常を、暮らしを取り戻したい。
最悪の出来事が起きたからこそ、そこで生まれた人のつながりや思いを大切に育みながら、誰もが暮らしやすい伊豆山をつくる。
それが私たちの願いであり、活動の目的です。
その第一歩として、伊豆山を象徴する場所である「浜会館」に、人や情報が交わり、つながる“交差点”のようなコミュニティカフェをつくることに決めました。
●プロジェクトを立ち上げた理由
熱海市の高齢化率は、静岡県でも上位の48.3%(2021年4月時点※)。なかでも私たちが活動する伊豆山地区は50%を超えるといわれています。今回の土石流で犠牲になった方の多くも高齢者でした。
温泉郷として栄えた伊豆山ですが、過疎化によって飲食店や食料品店が減ると、地元の人たちが日常的に顔を合わせる機会も自然と失われていきました。地域の高齢化や独居化が進み、コミュニティのつながりが薄くなる中での新型コロナウイルス感染症による自粛生活。そこにあの日、土石流が起きたのです。
いざ現場で動こうとしても、どの家に何人暮らしているのか、どこが空き家なのか、まったくわからない。まずは、仲間たちと支援物資を届けながら地域の人たちの安否や健康状態などの情報を集め、壁に広げた地図に落とし込むことからはじめました。
すると、足が悪くて公民館に配給のお弁当を取りに行くことさえできない高齢者や、直接的な被害をまぬがれて自宅にとどまったものの道路が寸断されて支援の情報や物資が届かず、買い物にも行けない人がたくさんいることがわかりました。
お弁当を手渡すたびに「毎日、坂道をのぼって来てくれて助かる」と笑顔を見せてくれる人、孫世代のボランティアと話すのを楽しみにしている人、食事やコーヒーを提供してくれる人、活動場所を提供してくれる人、自分の店を閉めてまで駆けつけてくれる人。
世代を超えて人と人がつながっていく光景を目にするうちに、「人が集える場をつくろう」と心に決めました。
地域の人たちが日常的に顔を合わせる場所があれば、コミュニティのつながりが生まれ、今回のような災害が起きても声をかけながら助け合えるかもしれない。一人暮らしの人が、誰かに会うために外へ出るきっかけになるかもしれない。
観光で訪れた人が地元の人と言葉を交わすことで、新しい縁が生まれるかもしれない。
それはきっと地域を、お互いを支える力になると信じています。
●伊豆山をつなぐコミュニティカフェをつくる場所
コミュニティカフェをつくる場所は、伊豆山の国道沿いにある「浜会館」です。
かつては地元の人や観光に訪れる人で賑わったエリアで、会館の下にある広場は地域の子どもたちの遊び場でした。そして今も伊豆山神社例大祭に使われる大切な場所です。
1階には、伊豆山に残る唯一の共同浴場「浜浴場」。日本三大古泉のひとつである「走り湯」が源泉で、地元の人たちが毎日利用する憩いの場です。2階は地域の集会場になっていて、伊豆山の人なら誰もが知っている場所。
残念ながら土石流で壊れてしまいましたが、浜会館のすぐ近くにある逢初橋は伊豆山の人たちがよく使う待ち合わせ場所でもありました。
土石流が起きた後、十数年ぶりに浜会館の屋上にあがったとき、理容室だった4階が長い間倉庫として放置されていることを知りました。
人と人、人と地域をつなぐ場所をつくるなら、ここしかない。
建物を管理されている町内の方に相談すると、快く貸していただけることになりました。
窓の先には水平線が広がり、晴れた日には初島や大島、房総半島まで一望できます。この絶景を味わいながら、みんながのんびりと会話やお茶を楽しめるように、4階へと上がる階段には昇降機を設置して、室内も段差のないバリアフリー設計にします。
そして、目標金額以上の資金をいただいた場合には、多目的トイレをはじめ誰にとっても利用しやすい環境を整えていきます。
●目標金額と資金の使い道
ご支援いただいた資金は、CAMPFIREの手数料とリターンにかかる経費を除いた全額を、コミュニティカフェの工事や運営の費用にあてたいと思います。
じつは、コミュニティカフェをつくる浜会館の4階は水回りの設備がなく、壁や天井も崩れた状態。建物自体も老朽化しているため、安全に運営できる状況に整えるだけでも400万円かかることがわかりました。
そして、伊豆山ならではのリターンを提供してくれる人たちへの支払いや発送費、CAMPFIREの手数料などに100万円ほどかかることを考えると、必要な額は500万円。
今回のプロジェクトでは、私たちの自己資金50万円を差し引いた「450万円」を目標にしたいと思います。
〈コミュニティカフェにかかるリフォーム費及び備品費の内訳〉
・解体、仮設・・・130,000円
・内装工事・・・1,500,000円
・電気工事・・・800,000円
・水道工事・・・400,000円
・ガス工事・・・100,000円
・内装、外装備品・・・200,000円
・諸経費・・・250,000円(カフェ備品、ネット環境整備など)
・消費税・・・450,000円
〈コミュニティカフェ完成までのスケジュール〉
2021年11月 物件契約完了
2022年1月 クラウドファンディング終了
2022年1月 着工(予定)
2022年2月〜3月 オープン(予定)
2022年4月〜5月 リターン発送(予定)
●支援してくださった方へのリターンについて
支援の気持ちを寄せてくださった皆さまには、お礼のメッセージと併せていくつかのリターンをご用意しました。
伊豆山の人たちにプレゼントできるコーヒーチケットや、伊豆山で頑張る人たちがつくるおいしいものや楽しい時間など、どれも今の私たちにできる心からのお返しです。楽しみながら選んでいただけたら嬉しいです。
【ギフト型リターン】
◇500円
・地元の人にコーヒーをプレゼント!(コーヒーチケット1枚)
◇5,000円
・地元の人にコーヒーをプレゼント!(コーヒーチケット10枚綴り+1枚)
◇10,000円 伊豆山のお店応援セット!
・「下総屋」のお肉セット
・「魚久」のお魚セット
※ リターン文章には「土石流によって一時的あるいは現在も休業を余儀なくされた〜」と記載しましたが、どちらのお店も現在休業はしておりません。
◇30,000円
・伊豆山スペシャル応援セット
お肉セットorお魚セット+オリジナルトートバッグ+チャリティTシャツ
※ リターン文章には「土石流によって一時的あるいは現在も休業を余儀なくされた〜」と記載しましたが、どちらのお店も現在休業はしておりません。
◇50,000円
・伊豆山の漁業応援セット(伊勢海老、サザエなど!)
・チャリティTシャツ5枚セット
◇50,000円
・伊豆山に思いを届ける!純粋応援プラン その1
ご支援に感謝し、お礼のお手紙をお届けします。
◇100,000円
・伊豆山に思いを届ける!純粋応援プラン その2
お礼のお手紙+ご希望の方はWebサイトにお名前を掲載します。
◇500,000円
・伊豆山に思いを届ける!純粋応援プラン その3
お礼のお手紙+ご希望の方はWebサイトとコミュニティカフェにお名前を掲載します。
◇1,000,000円
・伊豆山に思いを届ける!純粋応援プラン その4
お礼のお手紙+ご希望の方はWebサイトとコミュニティカフェにお名前を掲載します。
さらに、テンカラセンからお礼の気持ちとして感謝状を贈呈いたします。
【体験型リターン】
◇10,000円
・伊豆山「浜浴場」入浴券3枚+テンカラセン湯あがりタオル
・studio iiro「吹きガラス体験」ペアチケット
◇100,000円
・テンカラセン代表・高橋一美の講演会開催!
●おわりに
土石流の発生から5カ月の間、「何とかしなきゃ」という思いだけで走ってきました。
一人でやれることには限界があります。
けれど、一人ひとりが持っている力をつなぐことで、より大きな力になる。テンカラセンの活動を通じて、何度もそれを体感してきました。
そして、その力はどんな困難も乗り越えられると信じています。
これまで捜索活動や復旧活動に携わった方々、駆けつけてくれた仲間、そして様々なかたちで力を貸してくださる皆さんには、心から感謝しています。皆さんの力がなければ、ここまで復旧は進みませんでした。本当にありがとうございます。
私たちテンカラセンは、復興の先の伊豆山を見据えながら、今後も自分たちがやるべきことに取り組んでいきます。少しずつ仲間も増えてきましたが、高齢者の見守り、地域コミュニティづくり、世代を越えた交流、復興支援イベント、行政・町内会・各団体との連携……まだまだやれることはたくさんあります。
ぜひ皆さんの力を貸してください。
テンカラセン
代表 高橋一美
※メインビジュアル提供:©️熱海経済新聞
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るおかげさまで、オープンから1年を迎えました!
2023/04/18 11:28こんにちは、テンカラセンです。2023年4月15日、「あいぞめ珈琲店」は開店から1年を迎えることができました。クラウドファンディングやSNS、つながるチケットなど、さまざまな形で応援してくださる皆さまのおかげで歩みを進めることができました。本当にありがとうございます。地元出身アーティストによる作品展や、地域の方が講師となるワークショップ、熱海で働く若い世代の横のつながりをつくる取り組みなど、さまざまなきっかけも生まれています。ぜひ、あいぞめ珈琲店のInstagramもチェックしてみてくださいね。人と人が逢初める=出会う場所になれるようにという願いを込めた「あいぞめ珈琲店」。私たちはこれからも、焦らずに自分たちのペースで歩みを進めていきます。伊豆山の復興はまだ始まったばかり。ぜひこれからもお気持ちを寄せていただけたら嬉しいです。できることを、できるだけ、できるかぎり。テンカラセン一同 もっと見る
できることを、できるだけ、できるかぎり。
2022/07/03 21:54こんばんは。テンカラセンです。熱海市伊豆山で土石流が発生した日から、一年を迎えました。今日は地域の皆さんやご遺族の方たちと献花台に献花をし、手を合わせるところから一日がはじまりました。周囲に目をやると、何度も通ったであろう道をゆっくり確かめながら歩く捜索隊の皆さんの姿が。伊豆山港も含め、今日もたくさんの方が捜索に携わってくださったようです。本当にありがとうございます。いまだ行方がわからずにいるお一人が、一日にも早く大切な人のもとへ戻れますように。あの日から、それぞれの場所で動いてきたメンバーたちも、言葉少なに献花台での時間を過ごしました。発災から1年を迎えたけれど、明日からも日々は続いていきます。だからこそ、自分たちにできることを、できるだけ、できるかぎり。その原点を再確認する時間でもありました。そして今日、熱海市全域の新聞に折り込む形で『テンカラ新聞』第1号を発行しました。みなし仮設で暮らす皆さんにも、熱海市伊豆山ささえ逢いセンターを通じてお届けします。熱海市復興ボランティアセンターや消防団、伊豆山地区の町内会、熱海盛り土流出事故被害者の会など、組織や団体の枠にとらわれることなく、伊豆山の“いま”がわかる情報を年4回のペースでお届けしていきます。伊豆山の復興はまだこれから。ぜひこれからもお気持ちを寄せていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。できることを、できるだけ、できるかぎり。テンカラセン一同 もっと見る
いよいよ、はじまります。
2022/04/15 09:00おはようございます。テンカラセンです。たくさんのご支援をいたただいた「あいぞめ珈琲店」は、伊豆山神社例大祭にあたる本日4月15日に開店します。無事にこの日を迎えられたのは、応援してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。先日、地域の方をお招きして内覧会を開催しました。珈琲豆をお願いしている「カモメ珈琲豆店」さんにアドバイスをいただきながら、時間ギリギリまで豆の挽き具合を調整。2日にわたって開催した内覧会には、たくさんの方が遊びに来てくださいました。店内の壁に貼られたコースター、見覚えのある方もいるかもしれません。昨年の大晦日に開催したイベント「伊豆山に灯りを」で願いごとやメッセージを書いてもらったコースターを、少しずつ壁に展示していきます。内覧会の前日には、伊豆山の子どもたちがお手伝いに来てくれました!開店したといっても、本当のはじまりはこれから。飾らず、構えず、目線を合わせながら、自分たちのペースで歩んでいきます。Instagramアカウントもできたので、よかったらフォローしてくださいね。次回は、メニューやチケットをご紹介しますのでお楽しみに!できることを、できるだけ、できるかぎり。テンカラセン一同 もっと見る
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