駿河敬次郎先生が長寿であることは、食生活、生まれながらのDNA(お父様も100歳まで生きた)…、など、いろんな要因があると思います。
その中でも、先生の意識して「怒らない」ことが長寿と関係しているようです。100歳・駿河敬次郎先生の医師の同僚で早死した方が、いつも怒っていたそうです。
駿河敬次郎先生は、その人のよさゆえか、人に騙されたり裏切られたりもしました。病院スタッフの不正の不始末をご自分が負うこともありました。でも、先生は悪いことをした人を責めたり罰したりしませんでした。
私が「先生、怒ったり告発したりしないのですか?」と聞くと
「いやいや、別に…」と飄々とされていました。
赦し
ということばのリアリティを見た思いでした。
なぜ、私が駿河敬次郎先生の人生を知りたいと思ったか。私自身が駿河先生の「赦し」の実践や淡々とした生き方に憧れているから、かもしれません。私を死に至る大病に陥れ不正をしながらも盗人猛猛しい人物への葛藤、沈黙を貫く中での言葉にならないうめき…。それらが、私を作品作りへと駆り立てています。
関智征