2017/12/24 17:32

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約20年前に島から姿を消した帆舟、島民にとってどういった存在だったのでしょうか。それは、生きるための大切な道具としてだけではなく、家族を繋ぐ大切な役割を果たしていたのです。島民からの小さなエピソードをひとつご紹介します。

 

助け合って生きる 

大きな瞳ににっこりと笑った顔がキュートなノベは42歳。小柄な体でとても9人の子どもを産んだとは思えない、明るく楽しい女性だ。彼女は6人兄弟の下から2番目。敬虔なクリスチャンの家庭で、ノベのお姉さんのチュナはシスターでもある。
昔は、家の屋根に樋や雨水を貯めるための水瓶が充分になかったから、雨水が不足すると、マクタン島に帆舟で行って、水を買いに行く他なかったという。父のアノンと一緒に帆舟に乗っていたのは9歳の頃。帆舟に乗る前には胸の前で十字をきった。風に任せてマクタン島まで水を買いに行き、風が吹かなければ、ボクサイとよばれる櫂を使い、兄妹で漕ぐ。マクタン島までの道のりはそう近くはない。ボクサイの使い方は父が教えてくれたという。どんなに大変でも家族が一緒に助け合えば、なんでもできるんだよと、大きな口を開けて笑うノベからはポジティブで強い女性の魅力が溢れていた。