クラウドファンディングにご協力いただいている皆さま、これからご協力いただける皆さま、通りすがりの皆さま、こんばんは!チェロの長南牧人です。
さてさてさて、前回の続きです。
ネックが出来上がったら、本体に取り付けます。
ルネッサンスの頃の弦楽器はわざと本体に対して斜めに取り付けられたりしていましたが、ヴァイオリンなどはやはり直角に正確に取り付けられていた方が楽器が素直に鳴るようです。
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製作加工があまりお上手ではなくネックが斜めに入っちゃっている楽器はネック入れ直しなどの修理で真っすぐに直したりします。
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ネックとボディーが無事にくっついたら、次はニスを塗っていきます。
ヴァイオリンなどに使われるニスは主にオイルニス、アルコールニスの二種類があります。
天然の樹脂や鉱物、色素などをオイルニスはテレピン油や亜麻仁油、アルコールニスはエタノールに溶かしたものです。
誰かごま油でオイルニスを作らないかしら。美味しそうな香りのヴァイオリンが出来そうですね。
冗談はともかく、ニスは楽器保護、音教的な意味合い、などがあるようです。
レシピも製作家によってさまざまです。
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ガラスの板の上で材料をすりつぶし、調合します。
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塗ります。
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このニス塗り、下地色を塗ってから乾かし、目止めを塗っては乾かし、紙やすりでツルツルにしてニスを塗り始めて薄く何層にも塗るので、塗っては乾かし、塗っては乾かし、を何回も繰り返します。
外に吊るして日焼けさせる職人さんもいらっしゃるそうです。
アルコールニスは乾くのが速いのですが、オイルニスは時間がかかり、紫外線ライトを当てて固まるのを速くさせたりするそうです。
早くても一か月、数か月かかったりするので、気の遠くなりそうな作業です。
・・・気が遠くなってきてしまいましたが、今日は続けましょう。
さて、そのオイルニス、熱や湿気で緩みやすいのでケースのクッションの跡が付いてしまっている楽器など良く見かけます。かくいう私も夏の半野外での仕事の時に、ズボンがペッタリ楽器に貼りついてしまった事があります。迂闊に剥がすとニスが取れて白木が剥き出しになったりするので
剥がす時になんともいえぬ気持になりました。そんなわけで、チェロは裏板の胸が当たる部分はとんでもない事になっていたりします。
ニスが塗り終わったら、今度はフィッティングです。
フィッティングとはペグ(糸巻)、駒、魂柱、テールピース(緒止め)、顎あて、テールガット(緒止め糸)、エンドピンなどを取り付け、調整する事です。
チェロは顎には挟まないので顎あてはなく、エンドピンは金属製の棒を収納出来るようになっている物を使います。このフィッティングのパーツやチェロのエンドピンについては、本一冊書けるくらい多様性があるのでまたの機会に詳しくお話ししたいと思います。
これらは市販品もありますが昔はもちろん全て職人さんの手作り、今でも凝っている職人さんはご自分で作っていたります。
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ヴァイオリンの駒は大量に見るとゲシュタルト崩壊でだんだん妖怪ぬりかべに見えてきたりします。
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しませんか?俺だけかなぁ(笑)
それでは、次回もお楽しみに!