2022/02/15 18:00


新店舗オープンが近づくと、本社ではディスプレイ準備が始まります。新店舗の什器レイアウトを確認しながら各商品の配置を考えます。現場のディスプレイイメージを事前に作り写真に収めておくのです。本日は「ボタニカルハンドメイド石鹸」のディスプレイを行っていました。何度も新店舗立ち上げに携わっているメンバーは慣れたものです。本社の会議室が石鹸のいい香りに包まれていました。


私たちは、いまでは幅広い商品を取り扱っていますが、首里石鹸という名の通り、石鹸から始まったブランドです。美容効果が高く保湿性がある石鹸を作る、と決めてからさまざまな困難を乗り越え、最初の石鹸400個が出来上がった時の感激は今でも忘れられません。「ボタニカルハンドメイド石鹸」は、根強いファンがついている商品でもあります。


首里石鹸の「ボタニカルハンドメイド石鹸」は、熱を加えないコールドプロセス製法を用い、時間をかけて冷やし固める「枠練り」で整形します。湿度や温度といった環境の変化が影響する石鹸の裁断や素材の調合には職人の勘が必要。「製造中の石鹸が固まらないように、工房はエアコンを付けないので夏場は汗が滝のように出て、2~3キロ体重が落ちることもあるんです。石鹸作りって意外とチカラ仕事なんですよ」と職人の平良栄吉さん。


弟の栄彦さんが月桃を研究し、商品開発に取り組んでいたことがきっかけで、栄吉さんはシステムエンジニアとして働いた会社を辞め、一緒に石鹸工房をはじめました。「自然で肌あたりの良い、優しい石鹸を実感してもらいたい」。研究者で、職人気質のおふたり。


そして、この石鹸のなんといっても一番の魅力は、鮮やかな「マーブル模様」。合成着色料は使用せず、天然顔料の自然な色だけで沖縄の情景を表現しています。使用する色の数だけ石鹸液を容器に取り分け、香料を加えて混ぜ合わせます。順番に「枠」に流し込んだあと、手でゆっくりとかき混ぜてマーブル模様を作ります。だから、首里石鹸の「ボタニカルハンドメイド石鹸」には、ひとつとして同じ模様は存在しないのです。

首里石鹸 店主