2013/05/06 23:52
3階の突き当たりの作品は、今回の新作でJRにとっても初トライの作品でもあります。事前に紙を床から天井まで積み上げて壁にしてその上に作品を作りたいとのリクエストが入ってきた。紙を積み上げるって倒れてしまうし、A3やA4の紙かなりの量と重量になる。現代アートの特に若手の作家達はそれどれ無理難題の素材やリクエストを要求してくるものだ。23年前の開館以来ワタリウム美術館はかなりその無謀なオファーに応えてきていると自負している。火薬だったり、蛇だったり、中国包丁だったりする。それをネットワークとタフな交渉で実現していけるかどうかが展示スペースとしての技量だろう。特にワタリウム美術館は絵画、彫刻、写真だけを展示する場所ではないのだから。
半ばプラドと意地でこの期間でこの価格でだったら出来るというところまでほとんど持っていく。JRのケースも来日したその日に諸々のチェックをしていく中で、通常の壁を設置して、LAから特別な強力な接着剤を取り寄せ倒れないようにして設置し、A4のコピー用紙を36万以上用意した。おまけに吹き抜け部分に展示してある本のケースあれも紙をくりぬいて作ってあるのです。(誰も気がつかないけど)しかもこれが結構ばかになら程コストがかかる。往々にしてこのような場合はこれだけ大変でコストもかかったのでマスターピースを期待しているといいる意を直接ではなく暗にそのような雰囲気とプレッッシャーをかけさせて頂く様にしている。
丸一日かかって、仮設壁に特殊接着材と紙を積み上げていき、やっとオープン前日のよる20時ごろの写真がこれ。今展示してあるものと全く違う作品だったのです。シールをパリから持ってきて貼ってスプレーをかけステンシルで目のイメージ作品を作っているところです。