こんにちは!
いよいよクラウドファンディング終了まで残り5日…!!!
今日は、コントラバスパートでありポートソレイユオーケストラ楽団長の【本田直也さん】に、インタビューしました!
定期演奏会で演奏する《コントラバスコンチェルト》の魅力が詰まっています!!!
是非ご覧下さい⭐︎
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そもそもコントラバスという楽器は、「なんか右側の方にでかいのが集まっているな」という認識があるかないかくらいというのが一般的な認識なのではないでしょうか。
場合によっては左だったり奥の方に横並びになっていたりしますが…
この楽器は基本的には曲の一番低い音、それも人間の聞こえる範囲の端っこの方を受け持つため、その音を音楽の中でしっかり聴き取るには、一種の意識改革が必要になります。
しかしそのパートも無くなってみれば、音楽的な豊かさが相当失われます。この辺りを総括すると、聴衆の無意識の部分に最もアプローチできる楽器と言うことも出来るかもしれません。
それを敢えて主役に立ててみるという試みは、作曲家にとっても、演奏者にとっても大きなチャレンジがあります。
メロディを聴かせるために、普段オーケストラの演奏ではあまり使わない高音域を使いつつ、コントラバスらしい低音も時には用い、
それでいて伴奏を弾くオーケストラとのバランスを取らないといけません。なにより、ヴァイオリンだったら1オクターブ(低いド→高いド)まで上がれる幅で、
コントラバスでは届いても短3度(ド→ミ♭)くらいまでしかあがれないので、音の選択肢が非常に少ないのも頭を悩ます要因になっています。
普段目立たない・目立てないからこそ、そこを逆転させるのに多大な工夫が必要なのですね。
そのため、楽器の特性をフル活用するためか、古来よりコントラバスの協奏曲はコントラバス奏者が書くというパターンがかなり多かったのですが、
ここ最近は作曲の専門家の方々がソロのコントラバスの楽曲を手掛けることを見かけるようになってきました。
クーセヴィツキーという作曲家は19世紀から20世紀にかけてアメリカで活躍した、ロシア人のコントラバス奏者だった人です。
ただ、クーセヴィツキーは途中から指揮者としても活躍をした人で、特にラヴェル版の展覧会の絵の初演をしたことで知られています。
そんな経歴もあったので、おそらくオーケストラの音に対する理解も相当に深かったものと思われますし、お作りになった協奏曲を聴くと、
オペラが好きだったのかなという気かしています。もしくは、コントラバスという運動量に対する音の選択肢の狭い楽器を最大限に活かすために、
敢えて歌曲的な楽想をチョイスしたという可能性もあります。
協奏曲というと、初めにオーケストラがどんなメロディであるかを教えるように前奏を弾き、それからソロの楽器が入るというのが基本の型になっています。
もちろん人類史の例にもれず、作曲の型もどんどん崩されていくことになるわけですが、このクーセヴィツキーの曲も始まってからすぐ、劇的なソロとしてコントラバスが入ります。
それ以外にも、全3楽章の切れ目が薄く、1・3楽章で半分ほど似た楽想を用いているため、全体で1つの曲のようになっているように聞こえることもあり、かなり特殊な構成になりますが、
そういうのも手伝ってか、全体を通した「ストーリー」を想定しやすいようなところがあります。
個人的な感想として、1楽章は悲劇や疑念、焦燥、2楽章では慈愛や喪失感、嘆き、3楽章では希望や回想、勝利そんなワードが浮かんでいます。
そういった思いが皆さんに共有させられたらいいなと思っています。