■別府竹細工の素晴らしさを伝えたい
温泉で有名な大分県別府市で生産されている「別府竹細工」は“経済産業大臣が指定する伝統的工芸品”のひとつです。他の伝統工芸の産地と同様、昨今の生産量(額)、従事する職人数は、ピーク時に比べ、その凋落は激しいものがあります。
※参考:別府竹細工について http://kougeihin.jp/crafts/introduction/bamboo/2917
今回、本プロジェクトを思い立ったのは、そんな状況を一気に改善しようという程の大風呂敷を広げるわけではありません。みなさんの家庭に国産の「竹かご」あるいは「竹製品」はあるでしょうか。存在は知っていても、実際に使われている例は多くないでしょう。生活に密着していた時代から日本人の暮らしのスタイルが変化した、そして、身近に販売しているところも少ない、などの理由があるでしょう。
そこで、まずは手ごろな価格の商品を実際に生活の中で使って頂く事で、伝統工芸品に対する見えない壁のようなものを取り払い、ぬくもりのある竹の質感、永く使っていただける堅牢さ、造形の美しさ、などを実感して欲しいのです。
同時に我々作る側としても、長年の間に培われてきた技術をもとにしながらも現代に合った(欲しいと思ってもらえる)ものを模索し、創造していく、そういった流れが結果的に産業として勢いを取り戻していくひとつのきっかけになれば良いと考えています。
■私について
自宅前の河原での作業風景
私は、有製咲処(タモツセイサクショ)という屋号で、個人で竹細工・竹工芸品の製造・販売をしております。サラリーマンを37歳でドロップアウトした後に、大分県竹工芸・訓練支援センターを修了、企業には属さず、各地のクラフトフェアへの出展、福岡でのショップ「かご屋」の開店、などを通して、かご・ざるなどの実用品をはじめ、バッグ、スツールなどを自ら製作、そして、時には若い職人仲間へ依頼したり……という活動をしてきました。
福岡のショップ「かご屋」店内
現在製作している商品の中で、特にトートバッグ(bamluxeシリーズ)は、従来の買い物かごをベースに、マチを小さくし、革の持ち手を使用することで、気軽に街へ持ち出せるようなスタイルを確立しつつあります。また、その派生として、昨年は別府市のアートNPOであるBEPPU PROJECT殿 http://www.beppuproject.com/ からの依頼により「竹トート」をリリースしました。実用、デザイン性を一際アップさせた本作で、従来竹かごには目を向けていなかった男性のユーザも増やすことに成功しました。
■一人での活動から、協働へ
一人での活動(製作)には限界があります。
例えば、バッグでいえば、納期は数ヶ月~半年かかっています。多くは興味を持って頂ける「春~秋」に注文を受け、「夏~冬」に納品をする、というサイクルです。竹製品が脚光を浴びはじめる春~初夏の時期にタイミングよく販売するために、本当は真冬の時期に製作を始めることが理想なのですが、私をはじめ、個人で動いている職人たちが予測で多くの数量を製作するのはリスクが大きいのです。
今後、「有製咲処」をいたずらに拡大するつもりはありませんが、クオリティを維持した商品を安定して供給していくためには、やはり一人ではなく、適当な人数で運営していくことが必要です。そのためには、バッグのような付加価値をつけた商品のみならず、他の定番商品も含め、前述の時期の問題等もクリアし、年間を通して受注も平準化することが理想です。
■伝統工芸品を身近な存在に、そして後世へ伝えるために
今回のプロジェクトで、リターンを比較的手ごろな価格の日用品からバッグに至るまで、すべて実際の別府竹細工の商品とすることで、下記の二大テーマ実現へ向けての起爆剤にしたいと考えています。
1.伝統工芸品をもっと身近な存在に
伝統工芸品は、今では眺めて楽しむような美術品の方向へ昇華したものもありますが、もともとは「人が使うもの」として、長い間磨かれ改善されてきた技で製作されてきたという背景があります。まずは、手に取りやすいものを身近に使って頂き、それがひいては他の竹細工、または他の伝統工芸品への興味へ繋がっていけば幸いです。
2.後継者職人の仕事の確保
前述の「センター」があるため、基礎技術を身に付けた人が毎年誕生する体制はありますが、そこからひとり立ちして継続していくまでが非常に困難という現実があります。(職人として雇用する企業、生活を保障してくれるような徒弟制度などないに等しい)今回のリターンに設定した商品の製作補助からきっかけを作りたいと思っています。
九州以外の方は、別府竹細工を展示会、ショップなどで実物をご覧頂く機会もまだまだ少ないかと思います。加えて、ECサイトも未整備の現状なので、興味を示してくれそうな方々への訴求が不十分であるとも認識しています。twitter、facebook、などのSNS、そしてCAMPFIRE殿を通じての認知度向上を目指したいです。
■リターンについて
◇500円のご支援で
「四ツ目編みコースター」を一枚お送りします。
竹の表面である光沢のある「皮」と内側のつや消しのような「身」を交互に編みこむことで、上にのせたグラスがずれにくく、また適度に水分も吸います。(色は白、茶と二種類ありますが、選択はこちらにお任せ下さい、縦横:約10×10cm)
◇1500円のご支援で
「白竹箸」を一膳お送りします。
竹のお箸は、細くともしなやかな強さを持ち、折れにくく、また麺類・小さなものなどを滑らずに掴むことが出来ます。今回は、青竹から油分・水分を抜いたカビなどが生えにくい白竹(晒し竹)を材料とし、塗装は施しません。(写真右、長さ:約23cm)
◇2000円のご支援で
「四ツ目編みコースター」を四枚お送りします。
(前述のコースター四枚セットです)
◇5000円のご支援で
「六つ目編みかご」を一つお送りします。
“六つ目編み”は“かごめ編み”とも呼ばれ、柄のモチーフなどにも使われるほどポピュラーな編み方です。野菜や果物、小物などの整理に最適です。(写真左、直径:約24cm 高さ:約8cm)
◇8000円のご支援で
「四ツ目編みお弁当箱」を一つお送りします。
“四つ目編み”を斜めに配し、モダンに仕上げた一品です。風呂敷、手ぬぐいなど和の布にもよく合います。また、たいせつな手紙や写真を入れておく箱としても。(上蓋寸法:縦21×横16×高さ6 cm)
◇10000円のご支援で
「鉄線編み 一尺皿」を一枚お送りします。
編み目が鉄線の花に似ていることから“鉄線編み”と呼ばれています。枝豆、お蕎麦、天ぷら……食材の色つや、美味しさが際立ちます。(直径:約30cm 高さ:約3cm)
◇15000円のご支援で
「お椀かご(水切りかご)」を一つお送りします。
“高台”がつくことで、見た目も上品になりますし、底が直接下に触れないということで、清潔感もあります。実際うつわを洗った後に乾かしておくという使い方でも良いし、うつわを並べて楽しむという方も多いです。(直径:約24cm 高さ:約15cm)
◇30000円のご支援で
「かごバッグ bamluxeシリーズ」、下記からお好きなものを一つお送りします。
「LUXE(リュクス)なスタイル ~安らぎのある贅沢、心の余裕を感じさせる豊かさ~」 そんな思いをこめ、素材である“bamboo”と組み合わせ、「bamluxe」と名づけました。よくある「買物かご」ではなく、気軽に街で持ち歩けるということを想定しています。革の柔かい持ち手で、マチは抑え目に。(持ち手の革色が選択可能です。また、1~4については内袋の色が選択可能です。)
1.bamluxe(L) ※A4サイズがおさまる大きさ。
寸法:37×13×22cm (幅×奥行×高さ)、革持ち手幅 1.7cm
【持ち手革色:ナチュラル、黒、茶より選択下さい(写真はナチュラル)、内袋:巾着タイプで、色はキナリ、紺、茶より選択下さい(写真は内袋なし)】
2.bamluxe(M) ※bamluxe(L)の高さを低くしたタイプ。
寸法:36×13×17cm (幅×奥行×高さ)、革持ち手幅 1.7cm
【持ち手革色:ナチュラル、黒、茶より選択下さい(写真上は茶、下はナチュラル)、内袋:巾着タイプで、色はキナリ、紺、茶より選択下さい(写真上はキナリ、下はなし)】
3.bamluxe(S) ※bamluxe(L)のひとまわり小さいタイプ。
寸法:26×13×17cm (幅×奥行×高さ)、革持ち手幅 1.7cm
【持ち手革色:ナチュラル、黒、茶より選択下さい(写真上は黒、下はナチュラル)、内袋:巾着タイプで、色はキナリ、紺、茶より選択下さい(写真上下とも茶)】
4.bamluxe(tote) ※口が柔軟で大きくあけられるのでモノの出し入れも簡単。
寸法:30×15~20×22cm (幅×奥行×高さ)、革持ち手幅 1.7cm
【持ち手革色:ナチュラル、黒、茶より選択下さい(写真上下ともナチュラル)、内袋:巾着タイプで、色はキナリ、紺、茶より選択下さい(写真は上は内袋なし、下は紺)】
5.bamluxe(superior) ※口が角型で持ち手と同色の革蓋付。内張りは帆布。
寸法:35×13×25cm (幅×奥行×高さ)、革持ち手幅 1.7cm
【持ち手革色:ナチュラル、黒、茶より選択下さい(写真は上下とも茶)】
◇50000円のご支援で
「かごバッグ bamluxeシリーズ」からお好きなものを二つお送りします。
(上記1~5より二つお好きなタイプをお選び下さい。ご夫婦で、または、一つはご自分で、もう一つはプレゼントに、などいかがでしょう)
◇100000円のご支援で
「竹製椅子(mushroom stool)」を一つお送りします。
きのこをイメージしたスツールで、公共施設、企業のロビーなど広いスペースでの設置を想定しています。座面のふたを開けると中は収納も可能。金属等のフレームは使用していませんが、竹をしっかり編みこんであるため、堅牢です。【座面の布色はご相談の上、決定】(座面直径:約53cm 高さ:約38cm)
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
facebook上では「かご屋 by 有製咲処」ページを開設しています。
こちらでは、上記のリターンに設定したオリジナル商品ばかりではなく、仲間の竹職人の情報、伝統工芸に関すること、かご、竹に関する話題、など幅広く紹介していますので、こちらの方もチェックしてみてください。
https://www.facebook.com/tamotsubamboobasket
よろしくお願い致します。
最新の活動報告
もっと見るリターン(コースター)を発送いたします
2013/06/23 19:29リターンの第二弾、明日「コースター」を発送致します。 メール便にて、ですので、3~5日後には届くかと思います。 楽しみにお待ちくださいませ。 もともと、この商品は四年ほど前に福岡は西中洲の飲食店から依頼されてつくったものです(写真はそのお店です)。和風のダイニングバーということで、コテコテの和風ではなくモダンな感じで、かつ、実用性も兼ね備えた……というご希望でしたので、デザインは目立たずシンプルに(一般的に「竹細工のコースター」というと、四辺を籐で巻いたりなど“いかにも”なものが多いのです)、皮と身竹(竹の内側の部分)を交互に編みこむ、というものにしました。 残念ながら、お店は閉店してしまったのですが、納入後ほぼ毎日ご使用いただき、若干の破損はあったものの、ほとんどが補修せずに、また心配していたカビも生えず……という結果です。 どうぞみなさまも末永くご使用下さいませ。 もっと見る
リターン(白竹箸)を発送いたしました
2013/05/04 22:14リターンの第一弾、本日「白竹箸」を発送致しました。 メール便にて、ですので、3~5日後には届くかと思います。 楽しみにお待ちくださいませ。 写真は後半の仕上げ工程「面取り」です。 お箸の断面は基本正方形ですが、そのままですと角が鋭く、指を切る可能性もあるため、軽く切り出し小刀で削ります。(削れた角の部分がくるくると) もっと見る
白竹箸とコースターを製作中です
2013/05/01 10:17みなさま、こんにちは。ひさしぶりの活動報告であります。 ただいま、リターンのお箸とコースターを製作中です。 写真は、お箸の材料の白竹。 完成品より少し長めですが、途中の工程で適当な長さにカットしていきます。この後、一膳(つまり二本)分を同じ幅で割っていき、削りやすくするために水に浸け……という風に進めていきます。(ちなみに、山から切ってきたばかりの青竹の場合は十分に水分を含んでいるため、水に浸ける工程は省略できます) 早ければ数日中には発送出来るかと思います。 (コースターの方を先に出荷予定でしたが、材料どりの関係でお箸が少し早くなっております。そちらの方の進捗もまたこちらでお知らせ致します) もっと見る
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