こんにちは!京屋染物店の蜂谷淳平です。稲穂も黄色く色付き秋の気配が漂う岩手県ですが、まだまだ暑い日が続いています。岩手の各地で行われる秋祭りもひと段落する頃になると、徐々に草木も色づき始め、赤き山々に囲まれた晩秋の岩手の景色が一気に広がります。そんな紅葉広がる岩手の山間で、郷土芸能の本質を見つめて、次の世代への繋げ方を考える新たな祭り「ヘンバイバライ2022」を開催いたします。「反閇(ヘンバイ)」とは、邪気を払い除くためや、鎮魂のために大地を踏みしめる芸能特有の足さばきのことで、岩手に伝わる郷土芸能の多くの踊りの中に、この反閇を見ることができます。命の源でもあり、命が還る場所でもある大地を清め、無病息災や五穀豊穣を願い、日々の暮らしへの感謝を願う「反閇祓(ヘンバイバライ)」は芸能の本質です。今よりもっともっと厳しい環境で生きてきた先人たちにとって、食への感謝と喜びは計り知れないものでした。生きる喜びと感謝が、踊りという野生的とも言える身体的な表現で伝えられ、今も岩手の大地を踏み締めています。まるで言葉を持たない子供が、嬉しければ飛び上がり、悲しければ寝転んで泣きじゃくるくらい純粋なものが踊りなのではないかと思います。これこそ踊りの原点であり、芸能の中心にあるものだと個人的にいつも感じています。このイベントは、「命とは〇〇だ」とか、「芸能とはこうである」など、正解を示すものではありません。岩手らしい命への向き合い方、食への考え方、芸能の捉え方や続け方など、皆さんと一緒に考えるきっかけを作りたいと思っています。郷土芸能の継承を考えるイベントということで、『山ノ頂』クラウドファンディングにて、皆さまからご支援頂いた金額の3%を「ヘンバイバライ2022」の運営費として活用させて頂きます。ご支援いただき本当にありがとうございます!また「ヘンバイバライ手拭」を販売し、売上金も運営資金に当てさせていただいております。イベント開催を応援いただける場合は、ぜひ「ヘンバイバライ手拭」のご購入をお願いいたします。「ヘンバイバライ2022」の詳細はこちらから↓https://www.ennichi-shop.com/note/?page_id=1369県内6つの芸能団体の出演のほか、食育として鹿の解体体験や岩魚の掴み取りから捌いて食べる体験、またシシに化けて鹿踊りをみんなんで踊るワークショップなど、さまざまな企画を準備していますので、ぜひご家族でご参加くださいませ。皆様のご参加お待ちしております!!
郷土芸能 の付いた活動報告
ご支援いただきました皆様、本当にありがとうございました。296名のサポーター様によって総応援購入額は5,364,510円(達成率536%)で終えることができました。また、期間中様々な励ましのお言葉をお寄せいただいた皆様にもあわせてお礼申し上げます。岩手の知られざる自然や郷土芸能に、多くの関心や共感が寄せられたことは未来への大きな希望となりました。私たちは今後も山ノ頂を通して、岩手の自然と郷土芸能を未来に繋げていく継続的な活動をしていきます。山ノ頂を通して、皆様と岩手の山々がより深く繋がっていくことを期待しています。リターンの発送に関しては準備ができ次第、ご案内させて頂きます。プロジェクトの定期的な進捗につきましては、私たちのSNSでもご報告させていただく予定です。ぜひ「いいね」やフォローをお願いいたします。◎京屋染物店 Facebookhttps://www.facebook.com/kyoya161◎en・nichi Facebookhttps://www.facebook.com/en.nichi.official◎縁日 Facebookhttps://www.facebook.com/ennichiselectshop◎京屋染物店 Instagramhttps://www.instagram.com/kyoya_dyeing/◎en・nichi Instagramhttps://www.instagram.com/en.nichi_official/◎縁日 Instagramhttps://www.instagram.com/ennichi_selectshop/今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。京屋染物店スタッフ一同
『山ノ頂』の根幹である、鹿踊りと鹿の命の繋がりという、深い着想を与えてくれたのが人類学者の石倉 敏明(いしくら としあき)先生です。石倉先生は秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻准教授で、日本や世界の神話や山岳信仰などの調査を行い、多数の論稿、エッセイ、神話集などを発表されています。人類学を芸術領域まで高め、多くの美術作家や音楽家との共同制作活動を行っています。山ノ頂のプロジェクトを進める中で、鹿踊りと鹿の命の深い繋がりについてお話をお伺いしたいと思い、昨年の秋に石倉先生の元を訪れました。石倉先生はとても気さくで、私の印象としては研究者というよりもアーティストの雰囲気を感じる方で、芸能や神話におけるとても細かな知識を沢山知っているのですが、難しいことをとても簡単な言葉で教えてくれる凄い人です。写真家・田附勝さんとの共著『野生めぐり 列島神話の源流に触れる12の旅』(淡交社) 神話の源流にふれる旅を記録しており、山ノ頂のコンセプトを固める上でとても勉強になった本です。そこで私がまず最初に学んだのが、海外と日本の決定的な神様に対する考え方の違いでした。海外ではキリストのように単一の神様を信仰しているものが多く、食べ物などは神様が分け与えてくれるという考え方が多いこと。そして自然は神によって作られた被造物であるというスタンスを取っているものが多いということでした。一方日本は、八百万の神々を信仰しており、野菜や米や肉など、それぞれに神様が宿っているという考え方をしています。それを食べる我々人間もまた神様であり、一時的にその命のめぐりを自分の体の中に入れ、いずれその命を自然に循環させるという考え方をしているということでした。この基本的な神様に対する考え方が、日本人の自然との繋がりを大切にしていきた根幹にあると感じました。獣の命や山の神様に感謝する鹿踊りにもそうした考え方が生きています。石倉先生は鹿踊りについて「平等の極み」と表現してくれました。 人、獣、自然の境界線をなくし、命のめぐりをありのまま踊る鹿踊りは、『人間的な平等』という考えではなく『宇宙から見た平等』の精神が鹿踊りには宿ってるといいます。岩手出身の宮沢賢治の作品「鹿踊りのはじまり」にも、人と鹿が登場する話の中で、人間と獣の種としての境がなくなる表現があります。「鹿踊りのはじまり」は、主人公の嘉十(かじゅう)があえて残した栃の団子を6頭の鹿が分け合って食べながら、ぐるぐる廻りながら踊る印象的な場面が描かれた物語です。鹿たちは嘉十(かじゅう)が忘れていった手ぬぐいを不審に思いながらも、そこに置かれている団子を一つ一つ食べ、鹿は我を忘れて歌い踊っていきます。それをススキに隠れて見ていた嘉十(かじゅう)も「もうまったくじぶんと鹿とのちがいを忘れて」しまい、「ホウ、やれ、やれい。」と叫びながらススキを飛び出してしまう。そんなストーリーが描かれてた物語です。この時に、嘉十(かじゅう)は人と獣を分ける種の境界を忘れ、同じ命として出会う体験をします。宮沢賢治の作品『鹿踊りはじまり』は、まさに「平等の極み」を伝えてくれている物語だと思います。かつて岩手に暮らしていた祖先も、鹿の命を頂き命を脈々と繋いできました。祖先たちもやがて土に還り、山の草木に命が巡っていきます。ふと岩手の自然に身を置くと、山と人の区別の基準はどこにあるのかと不思議に思うことがあります。鹿踊りはやはり私にとっても大切なもので、人と獣のボーダーラインを消してくれる、消しゴムみたいなものです。自然の中に身を置けば、命の垣根などないことなど身体はちゃんと分かってくれているんだと感じます。シンプルで大切なことを身体で伝えるこの踊りを次の世代にも繋げていくために、これからも岩手で踊り続けていきたいと思います。今日がクラウドファンディング最終日。沢山の方からの応援と共に過ごせた1ヶ月は私の宝物です。これからも岩手で踊る理由がさらに強くなりました。皆様のご支援心より感謝しています!本当にありがとうございます!!
岩手めんこいテレビで、『山ノ頂』を取材していただき、昨日放送されました。緊張で上手に話せなかったのですが、編集で上手く繋いでいただき、プロジェクトの内容が伝わる放送になって安心しました。早速テレビを見た岩手の方から『商品を手にとって見てみたい』とお問い合わせを頂きました。サンプル品ではありますが、本日より店舗にディスプレイさせていただきますので、実際に手にとって見たいという方は、ぜひ京屋染物店の店舗までお越しくださいませ。京屋染物店の店舗の場所はこちらをクリックめんこいテレビのニュースの内容は、下記URLからご覧いただけます。https://www.fnn.jp/articles/-/378140現在までに430万円以上の多大なるご支援が集まっております。本当にありがとうございます!!クラウドファンディングもいよいよ残り5日です。クラウドファンディング後に継続して活動していくためにも、今まで誰の耳にも届かなかった山のことや芸能のことを、より大きな声として伝え続けていくことが大切だと思っています。これからも皆さまと共に、活動の輪を広げていきたいと考えておりますので、残りわずかではありますが、引き続き応援&シェアのほど宜しくお願い致します!
京屋染物店の蜂谷淳平です。「山ノ頂」クラウドファンディング、なんと400万円以上のご支援を頂いております!皆様の温かいご支援、本当に感謝申し上げます!!多くの方に活動に共感いただき、こうして目に見える形で共感の輪が広がっていることに関係者一同とても嬉しく思っております。先日地元の友人がお店に来て、「クラウドファンディングの仕組みが分からないけど、活動応援しているから」と、ご祝儀袋を持ってきてくれました。新しいことには疎い友達らしいなと思いつつ、わざわざ足を運んで支援を届けてくれることに感謝の言葉しか見当たりません。嬉しさと同時に、クラウドファンディングの本来の姿も同時に考えることができました。クラウドファンディングとは、遠くにいても支援しやすいように、アナログな形を便利にした仕組みで、今集まっている400万円のご支援も、225名の方から同じようにご祝儀袋をいただいているんだと改めて感じました。そこにはさまざまなコメントも寄せられていて、全て拝見させていただいていますが、胸が熱くなるコメントに勇気をもらっています。現在225名の方々から頂いた「頑張れ」や「応援してる」は、400万円以上大きなお金となっています。 このお金を更なる力に変えて、人と自然のより良い関係性を取り戻していく事業に繋げていきます。本当に多大なるご支援、ご祝儀ありがとうございます!1ヶ月のチャレンジも残り11日となりました。引き続き応援宜しくお願いいたします。