2022/05/26 14:22

こんにちは!

今回は、支援いただいた方からのコメントにお答えして、モリビトが現在施業している山の状況と、これから施業、管理していきたいと思っている岡山県鏡野町の山についてご報告しようと思います。

モリビトが現在施業している山は、副代表が個人で所有しているもので、5年前に元の所有者さんから譲っていただいたものです。
面積は約13ha。こう表記するとピンとこない方も多いと思いますが、よくある比較でいえば、東京ドーム約3個分くらいです!

そして、植生樹種ですが、約6割がスギ・ヒノキ(スギ3:ヒノキ7くらいの割合)、残りの4割が広葉樹林といった感じです。
現在は、林業施業という形で、まずはスギ・ヒノキを中心に間伐(択伐)を進めている状態です。
画像のように、どの木を切るべきか、地形や周りの木との関係を見ながら、選木して伐採していきます。
そして広葉樹林ついては、元の所有者さんの時代に皆伐された後に天然更新している状態で、2メートル弱の雑木(広葉樹、針葉樹さまざま)がびっしりとひしめきあって成長している状態ですから、こちらもスギ・ヒノキ同様に間伐が必要です。

今後は町内に範囲を広げて森林管理を行っていきたいと考えています。
では、鏡野町の森林はどんな状況なんでしょうか。

面積→419.7㎢
森林率→89%(うち、人工林率70.1%)


なんと鏡野町は、岡山県内でも3番目に人工林の多いところなんです。
しかも、町面積の約90%近い面積が森林。約38,000haほどが森林ということになります。
うち、人工林は約30,000ha。
もちろん、これらの森林のすべてが管理放棄されているわけではなく、森林組合や民間事業体が管理しているものもあります。
ただし、32,000haほどの森林は私有林。個人所有です。

<市町村の姿 グラフと統計でみる農林水産業>
http://www.machimura.maff.go.jp/machi/contents/33/606/details.html

これが大きな問題で、所有者さんがなんらかの形で管理しない限り「放置林」になる、というこということです。
そして、日本全国で問題になっているこの「放置林」問題は、鏡野町も例外ではありません。
また、たとえ管理をしていたとしても、皆伐後に植林せずハゲ山化する、といったような、健全な管理ができているとはいいがたい例も少なくありません。

私たちが適切に管理したいと考えている森林は、人工林だけではありませんから、単純に見れば、鏡野町だけでも約38,000haある、ということになります。
数値だけ見れば、果てしないですね。
それに、管理できるようになるために、乗り越えるべきハードルがあります。
なによりも、「所有者さんに森林管理の必要性を理解していただく」ということがもっとも大きなハードルだと思います。

相続して所有者になったものの、都会へ移住されてノータッチ、という人もどんどん増えています。
より自然から遠くなった所有者さんたちに、森林管理の必要性をどれだけお伝えすることができるか、それがカギだと思っています。

大変ですが、できることから確実に進めていきたいと考えています。