【原点】
皆さまから支えられながら走り続けてきました、この絵本出版プロジェクトも残すところあと2日となりました。
残り時間もあとわずかとなってまいりましたので、少し私の話にお付き合い下さい。
私がこの活動をはじめたきっかけなどについてはプロジェクトの本文に記載していますとおり、『我が子』の誕生がきっかけとなっています。
そんな息子も7月には4歳を迎えることが出来ます。
この子がいなければ、このプロジェクトが誕生することもなく、皆様とお繋がりすることもなかったと思います。
この子は、私たち夫婦を『親』にさせてくれただけではなく、たくさんの素晴らしい方たちとの『出会い』を運んできてくれました。
今でこそ『子供たちのために!』と活動を続けている私ですが、今までの人生を振り返ってみますと、けっして自慢出来るような人生ではなく、むしろたくさんの方たちへ迷惑をかけてきた方が多いと思います。
幼い頃、複雑な家庭環境で育っていく中で、周りの大人たちから「白い目」で見られていることに気ずきはじめ、そこから自分の心を閉ざしてしまい、誰も信用することが出来なくなりました。
おそらく、まったく可愛げのない少年だったと思います。
心を閉ざしてしまった少年はなかなか『輪』の中に入って行くことが出来ない性格となってしまいました。
それでも自分の信念だけは見失わずに強く生きていました。
それはたぶん、自分より幼い妹を守らなくてはいけないという責任感があったからだと思います。
そんな少年は、いつしか『変わり者』として扱われるようになり、いろんな場面で浮いてしまうことが多くありました。
しかしそんな環境下でも、少年のことを認めてくれる友達や仲間が現れることで、少しずつ心を開きはじめていました。
そしていつしか、そんな少年も社会へと出て働くようになりました。
『社会人とはこう在るべきだ』
なんの根拠もないこの言葉にとてつもない違和感を感じながらも、『変わり者』は社会に馴染むために小さな努力を続けていました。
そしていつしか『変わり者』も、家庭を持つ日がやってきました!
たくさんの人たちに迷惑をかけながらも、たくさんの人たちから祝福の言葉をいただき結婚することが出来ました。
そして我が子誕生を強く望みました。
しかし私たちの元へ、コウノトリはなかなかやってきてくれませんでした。
そこから、まるで魂を削られるような不妊治療との戦いが始まりました。
どんな治療を行っても、待てども、待てども、私たちの元にコウノトリはやってきません。
そしてようやく、コウノトリがやってきてくれました。
しかし、そのコウノトリは私たち夫婦に『幸せ』を運んできてくれたのではありませんでした。
そのコウノトリは私たち夫婦にさらなる『試練』を運んできたのでした。
『死産』
私たち夫婦は、すぐそこまで手が届いていた、あと少しで手を繋ぐことが出来ていたはずの我が子を失ってしまいました。
恨みました。
憎みました。
死のうと思いました。
こんな世界とはお別れしようと思いました。
しかし、少年はもう一人ではなかったのです。
彼には何よりも大切な、最愛の人が横にいてくれたのです。
そこから夫婦二人で力を合わせて立ち上がることが出来たからこそ、今こうして毎日、我が子を強く抱きしめることが出来ているのです。
人生なんて、楽しいことより圧倒的に辛いことの方が多い。
それは自分だけではなく、みんなそうなんです。
みんな知らないところで、たくさんの辛い経験を乗り越えて強くなっていくんです!
そしてその先に『楽しい』時間と『幸福』が待っているのだと感じています。
地位も名誉もない、ごく平凡な会社員ですが、幼い頃からけっして見失うことがなかったものがひとつだけあります。
それはまさに『信念』です。
どんな状況であろうと、自分の心を強く持ち続けてさえいれば、一人では乗り越えられない大きな壁だったとしても、支えてくれる仲間が必ず現れます!
目の前にある世界だけが正しいわけじゃない。
そしてこの命も、いつまでも続くわけではない。
たった一度っきりの人生の最後に、『素晴らしい人生だった』と胸をはって旅立つことが出来るよう、残された時間を精一杯生きていきましょう!
私は我が子から教えてもらった『生と死』を心に刻み、きれいごとと言われようが、笑いものにされようが、自分の『信念』を真っ当するために、これからも一生懸命に生きていきます。
今回、このプロジェクトで繋がることが出来た皆さまとの絆がいつまでも続いて行きますことを切に願っています。
くわきりょう