おばんです!
6月に入り『山梨の妖怪展2022』も近づいてまいりました。
大蛇堂は山梨妖怪100体のため、連日描きまくっております。
いろいろな郷土史料や市町村誌から情報を得るわけですが、なかなか「ザ・妖怪」みたいなものはそれほど多くなかったりします。
伝説・伝承などを引くので現象・動物・幽霊・土地など広範になり、妖怪の範疇はけっこう意見のわかれるところでもあると思うのですが、このあたりは大蛇堂のさじかげんになります。
なおかつ、ただ採集してるだけでなく「絵に起こす」という作業があるので「描ける」というのも話を採用する大きな要因になってきます。
今回紹介する「雉肉食せず」は、絵に描いてみたら思いのほか面白くなった妖怪。
これは山梨県小菅村長作部落に伝わる七不思議のひとつです。
町作部落の人は全員雉肉を食べないそうです。
それは皇女が難産に苦しんでいたとき、雉の鳴き声と羽音に驚き、みまかってしまったからだそうで、もし知らないで食べてしまっても必ず日に関わる災いがあるそう。
大正のはじめころ、小菅小学校町作分教場で教鞭をとっていた坂本小治郎先生は大酒飲みで毎日晩酌をしていたそう。
あるとき、酒で酔って「雉肉を食べてはいけないのは迷信だ」とみんなが止めるのもきかずに食べたところ、その後食べた時に使用していた座布団の一部が焦げたり灰になったりしたが、畳の上に置かれていたのに畳は焦げていなかったそうです。
この話から、描いた絵がこちら。
「雉を食べる」をどう表現したものか、と考えたすえ、このような絵になりました。
我ながらシュール極まってると思います(笑)
妖怪のおもしろいところは、こういった、描いているわたし本人も予想外のものができあがってくる場合があることです。
「山梨の妖怪展2022」では、こんなヘンテコな妖怪もたっぷり100種類紹介します。
楽しみにしていてくださいね!
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