私たちは生産者に会いにいく旅を続けています。
さまざまな食材を手がける職人たちと出会うために。
料理は素材を通して表現するしかありません。
顔の見える生産者からは勿論、直接会うことで密接な繋がりを築き、その価値を伝え、繋いでいく。
お店で使用している食材、イタリアワイン、オリーブオイル、日本の食肉や野菜、
チーズなど生産者に会いに行き、その土地をみて語り、
確かなクオリティの食材を見定め、安心安全な食材を使用しております。
料理を作る過程で誰が食材を育ててくれてどういう魅力や特徴があるのか?
どんな思いで作られているのかを知り、考える事で食材の可能性を広げ大切にし、
生産者の想いと共に皆さまのテーブルへとお届けしております。
信州の厳しい自然に寄り添い24時間自然放牧で豚を育てる生産者。
以前よりお世話になっている「安曇野放牧豚」の藤原畜産さんを訪ねました。
東京より車で約4時間、長野県安曇野に到着すると藤原さんが
ようこそいらっしゃいましたと迎えてくださいました。
車で15分ほど雪の残った山道を登り、山の中腹へ。そこには、まだ雪がしっかりとのこっており一面真っ白な世界が広がっていました。
少し離れた所に豚舎があり、私達が到着すると
少し怯えながら、でもしばらくすると私たちに興味を持ったのか走って駆け寄ってくる豚さんたち。
安曇野放牧豚の特徴や生育方法などを、実際に見学しながら生産者の藤原さんにお話して頂きました。
【安曇野放牧豚の特徴】
冬はやはり寒いので大きくなりにくいですが、肉質はぎゅっと締まるので、ジビエに引け劣らず、この時期が一番美味しいです。
しかし、この時期はジビエを使用するお店が多い為、出荷量が減ってしまうのが残念だとおっしゃっていました。
イノシシとの違いは、イノシシはこの時期運動しないので、皮下脂肪が厚くなる=運動量
が少ない
安曇野放牧豚 皮下脂肪が厚くならない=運動によるもの
そしてこの寒さが肉質を良くしてくれるので、この時期の九州の放牧豚と信州の放牧豚で
は肉質の「キメ」が違う!そして脂がシャキシャキしているのが特徴だそうです。
しかし、約30年前安曇野放牧豚を始めた当初はこの寒さが仇となりうまくいかなかったこ
ともしばしばあったそうです。豚には冬毛がなく(一般的に牛や馬には綿毛のような冬毛
に生え変わるのに対して豚は年中毛が生え変わらない)ので寒さに弱いことが判明。豚舎
に木くずや藁を入れ工夫し、藁と泥が何層にも重なり、発酵して暖かさを保つことで豚を寒
さから守っています。
季節に合わせた信州の食材を与えることも安曇野放牧豚の特徴です。夏には夏バテ防止に
ミネラルの含まれたスイカを与えているのはマジカメンテにきて下さったお客様にお話し
ていますが、雪が溶け、春先になると豚舎のまわりにヨモギが生えてくるので刈って豚に
与えます。そしてこの寒い時期には信州の特産
品であるリンゴを与えるなど、信州の自然に寄り添った生育をしています。
この寒さと運動量が安曇野放牧豚のおいしさの決め手です!春夏秋冬、肉の色も変わるし、
味も変わる、と素敵な笑顔で語る藤原さん。
お客様にお話したいことが更に増えた今回の訪問、貴重な経験をさせて頂きました。
マジカメンテでは顔の見える生産者と繋がることでどんな思いで作られているのかを知り、考える事で食材の可能性を広げ大切にし、
生産者の想いと共に皆さまのテーブルへとお届けしております。