竹村さんのお手伝いでクラファンページの編集等を担当しています、小嶋まりあと申します。私自身は今年9月からイギリスの大学院に進学して開発学を専攻する身で、社会問題に関心を持っています。そんな青二才の私ですが、今回はこのプロジェクトのソーシャルグッドな面を紹介させてください!今回のクラファンは農業と福祉の連携に焦点を置いていらっしゃいますが、竹村さんとお話させていただくと、実は他にもあらゆる課題に取り組まれていることが見えてきました。突然ですが、皆さんは「フードロス問題」と聞いて何を思いつきますか?賞味期限間近で売れ残った商品、食べ残し...どれもフードロスが抱える重要な問題です。昨今注目が高まる中で、政府や企業は様々な対策をとっています。しかし農業の現場は消費者の私達から見える「フードロス問題」とは少し異なる状況を抱えているそうです。 たとえば「わけありセール」。味は変わらず美味しくても、厳しい形状規格基準から外れる野菜は通常廃棄対象となります。わけありセールはこれらの規格外品を安価に売りさばきますが、これは本質的な問題解決にはなりません。なぜなら多くの消費者は安価にとびつき、今度は正規品が売れなくなってしまうからです。こうして規格内外に関わらず、セールや価格競争の激化という負のループが出来上がっています。竹村さんのように直接販売している場合はさておき、通常、農家は価格の決定権をもたないため、原価率がどんどん下がっていきます。そして農家がますます苦境を強いられる仕組みとなっています。またフードロス問題の「対策」として、飲食店は無駄をなくそうと出荷量削減を求めるようになりました。世界の食糧危機を見据えてフードロスを減らそうとする運動の裏で、実は農家における廃棄量が増えただけという現状があると言います。農家経営はそこでさらに厳しさを増しています。 この農業という職業の厳しさについては、竹村さんのブログを読んでいる方や援農経験がある方は少し馴染みがあると思いますが、ここで少し触れておきます。竹村さん自身夢を持って新規就農されたものの、現実はとても厳しいものでした。初年度は100万円を超える赤字スタート。徐々に売り上げを伸ばしてきているものの、野菜の保管倉庫もままならず、経営は厳しいままです。27時まで作業を行い5時間弱の睡眠という生活も負担が大きく、農家を続けていけるか不安を抱えていると言います。 今でこそ多くのボランティアの方々に支えられて手作業の多い自然栽培を継続できてはいるものの、このままでは持続可能なやり方とは言えません。加えて2020年から猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症も、農家には大きな打撃となりました。社食や給食、レストランへの出荷を見込んで生産を増やしていたにも関わらず出荷が減ってしまったため、廃棄を余儀なくされました。売れ残り野菜の商品化や寄付も行っていますが、パッキングや郵送といった作業が追いつかず廃棄は避けられないのです。これらの状況は、なかなか消費者の私達の目には届きづらいのではないでしょうか。その原因は、「農業のブラックボックス化」にあります。多くの仲介業者を経て収穫物が皆さんのもとに届く今日の農業界において、農家さんの「生の声」を聞ける機会はなかなかありません。悲しいことに、情報が限られていることによって、農家側が心無い声を浴びることが多々あります。そして逆も然り、農家さんも畑作業や収穫に手一杯で、伝えることを諦めてしまっているところもあると言います。 このように、「食」という私達の生活の基盤を支えてくださっている農家さんたちが、あらゆる問題に直面しています。その解決へと踏み出す一歩として、今回の取り組みがあります。このクラファンを通じて解決したい課題を、図示してみました。①福祉と連携することで「障がい者の自立支援、生きがい創出」に貢献できる②加工によって野菜の消費期限の延長と、規格外野菜の販路開拓に繋がり、「フードロスを削減」できる③自然栽培野菜の商品を手軽に食べて野菜不足を解消、健康に④農家の収入UPで、持続可能な職業へ⑤クラウドファンディングで農業について発信・援農機会の提供を通して「生産者と消費者の間の乖離」解消このように、竹村さんは農業全体の問題解決まで見据え、その第一歩として今回のクラファンに取り組まれていらっしゃいます。1,000円からご支援いただけますので、一緒に応援していただきたいです。ラスト1日、よろしくお願いいたします!