▽自己紹介
コガネブリュワリーの梶原です。
私達は、2022年2月23日に新しく兵庫県姫路市の大手前通りにクラフトビールの専門店「kogane」をオープンしました。コロナウイルスのまん延防止等重点措置が終わった3月22日以降は多くのお客様にお越しいただけており、姫路の地においてもクラフトビールファンが確実に増えていることを実感しています。そして、無事にkoganeをオープンさせることが出来た次の目標として新たに醸造設備を整えるための活動をはじめており、その一環でこの度クラウドファンディングを実行することに致しました。
なぜ姫路の大手前通りなのか、なぜクラフトビールなのか、私達はどこへ向かい、何を実現しようとしているのか。もしよろしければそのストーリーをご覧ください。
▽きっかけは大手前通りのプロジェクトに参加したことだった
改めましてこんにちは。コガネブリュワリーの梶原です。
私は兵庫県姫路市を拠点としており、空間の設計を軸にコワーキングスペース運営や公共空間活用などを生業としています。
大阪で設計の仕事をしていた私は、2012年に実家のある姫路市へUターンし、2013年からコワーキングスペース兼設計事務所を営んでいました。建築設計の傍らで地域のお祭りやリノベーションなどを細々と続けていたところ、姫路のメインストリートである大手前通りをそぞろ歩きが出来る魅力的なストリートにしていくという、とても面白そうなプロジェクトに関わるチャンスを得ました。私は二つ返事で参加したい旨を伝えたのですが、これが大きな転機になったのです。
(ここから述べるプロジェクトについては、別記事でより詳細にまとめて頂いています。
公共R不動産 “エリアの個性が滲み出すストリート“を実現するための社会実験|姫路市「大手前通り活用チャレンジ”ミチミチ”」)
▽ただの通過動線になっている大手前通りを、日々人が佇み、楽しみ、そぞろ歩き出来る目的地としてのストリートに。世界遺産へと伸びる50m道路を変えていく壮大な計画。
人口53万人を擁する中核市の姫路市。古来よりその肥沃な土地と地理的な重要性の高さから、今も播磨地域の中心でありつづけています。JR姫路駅には新幹線のぞみも停車し、駅を降りるとまっすぐ伸びた大手前通りの先に世界遺産の姫路城がそびえ立っています。
誰もが知っている世界遺産の姫路城と玄関口の姫路駅を結ぶ大手前通りですが、近年大きな改修が行われました。歩行者も自転車も安心して移動でき、それぞれの通行帯の間にはウッドデッキが整備され、将来的には沿道の事業者が机や椅子を出したりイベントで使えるようになっています。
しかしながら、せっかく整備された道路も使い手がいないことには宝の持ち腐れ。イベントの一時利用だけではなく、日常的に日々この空間を使っていける事業者を増やしていくことがこのプロジェクトの主なミッションです。
ただの通過動線になっている大手前通りを、日々人が佇み、楽しみ、そぞろ歩き出来る目的地としてのストリートに。
このことが、私達がkoganeを立ち上げる源泉になっています。
▽全力で取り組んだ社会実験
小さなエリアではまちと関わっていましたが、大手前通りはとにかくスケールが大きく、街の中心なので影響力も関わる人も段違いです。社会実験というものも初めてなので、どうやっていいかわからない中で次々出来ていくタスクをこなしていくことに必死でした。通りに面するテナント・ビルオーナーへ将来像を提示し、共感してくれる方々や仲間と一緒に社会実験を組み立てて行く。 約3ヶ月ほどしかない準備期間と限られた予算の中、なんとか1年目の開催にこぎつけました。
▽実感した沿道店舗のちからと、自らが参加する意義
1年目の社会実験で分かったことは、イベント出店ではなく従来から大手前通りにある店舗の変化でした。
当たり前だと思われるかもしれませんが、道路に椅子やテーブルを並べたら例外なく売上が上がったのです。このことは、いかに沿道店舗が道路活用によって受ける恩恵が大きいのかが実証されたことを示しています。そして同時に私の大きな課題も出てきました。それは、今まで沿道に関わりがなかったので当事者にはなりえないという事実でした。当事者ではない以上、どうしてもよそ者としての発言になってしまう。姫路市やコンサル側での関わりに限界を感じた1年目でもあったのです。このままでは、せっかく関わったプロジェクトを前に進めることが難しい。なんとかしたい。。。
▽自ら行動を起こす
最大の課題に直面した私は、素直に沿道で何かをしたいという気持ちが大きくなりました。自らが行動を起こさないと、誰も真剣に考えてくれない。
なにがいいかと考えていた私に、とある人がアドバイスをしてくれたのです。
「梶原くん、ここでビール作りなよ」
最初はそんなこと出来るわけないと思いました。しかし同時に、もしそれが実現出来たらめちゃくちゃ面白いやん、、、と、いつの間にか本気に。気がつけば色んなアイディアが頭を駆け巡るようになってきました。
▽KOGANEで実現したいこと・アイディア
ビールが繋ぐ、はりまのふるさと。大手前通りのKOGANEでご提供するビールを介して、まちを訪れる人が周辺地域のことを知り、訪れる。農村が持続可能となり、私達はまたその恩恵を受ける。そんな農村部とまちとの関わりが、このお店から始まればいいなと考えました。
また、KOGANEで得た利益を大手前通りに再投資することも考えました。このお店は、目の前の通りと一体となって初めて本当の魅力を発信できます。そのためにかかる費用や維持管理にかかる費用のうちの一部を、自ら得た利益を還元することでまかなえたら。そのことは結局KOGANEのためにもなり、まちのためにもなる。そんなサーキュラー・エコノミーがこの場所で実現できれば最高です。
▽はりまグリーンラボと、飯田くん・平櫛さんとの出会い
しかし、せっかくのアイディアも実行しなければ意味がない。実行するための仲間を模索していた私は、すでに播磨地域で活動しているはりまグリーンラボのメンバーに興味を持ちました。
「みどりを広げ、仲間を増やして地域を元気に」
そんな思いで活動されている彼らは、数年前から播磨地域でホップを育て、収穫してビールを醸造する活動をされています。
その中でも、Spoonという飲食店を経営していた飯田くんがビールを作りたがっているという話を聞き、農村との連携でホップを拡げている平櫛さんとともにお声掛けすることにしたのです。
アポイントを取ったものの、当日まで考えつづけました。人の人生を左右するお誘い。どう話そう、うまく伝えられるか。
「大手前通りでビールを作りたい。ビールで姫路を楽しくしたい」
結局はシンプルにド直球でそう伝えたところ、快くお返事いただき、ついにプロジェクトが始まったのです。大変に嬉しかったことを覚えています。
しかしながら、ここからがまたしんどかった。
▽コロナとの戦い
スタートしようとした矢先、次はコロナとの戦いが始まりました。
自らの事業である建築設計とコワーキングスペース運営も例外ではなく、ビール事業開始にも大きな影響が出てしまいました。さらには、こんな状況で賑わいとか飲食なんてとてもじゃないけど始められない。。。
いたずらに過ぎていく時間と共に、ビールプロジェクトが本当に実現できるのか自信がなくなっていく中、2年目の社会実験を行いました。
▽始まり
そうして1年が過ぎ、ついに2022年。世間ではコロナの出口も見え隠れしてきていた頃、ビール事業スタートのタイムリミットも近づいてきていました。道路活用の行政側のスケジュールはコロナ中でも着実に進んでいて、事業を始めないと色々な影響が出ることが予想されました。このままでは夢に見ていた大手前通りのプロジェクトが出来なくなってしまうかもしれない。3年間関わってきたことが無駄になってしまう。飯田くんにもずっと待ってもらっているし、スタートしなきゃいけない。
どうしたら始められるか。
考えたのは、2段階で整備するプランでした。
まずはクラフトビールのパブだけで小さくスタートし、クラフトビールの認知度を上げながら、そして世間のコロナの状況を見極めながら醸造設備を整えていく。それなら今から出来る。
そう考えた私は、すぐにスタートに先駆けて一緒に動いてくれる仲間を探しました。
▽仲間への呼びかけと店舗準備・オープンまで
飯田くん、平櫛さん、未咲ちゃん、カナちゃん、藤尾くん、優作くん、池島くん、岑田さん。一緒に動いてもらえる仲間と何度も打合せを行い、2月23日のオープンに向けて急ピッチで店舗の準備をすることに。各種SNSを使い、DIYを重ねながら関わってもらう人を増やしていきました。
そうして迎えた2月23日。私達はついに、大手前通りでの店舗運営にこぎつけることが出来たのです。当日は5回に分けたオープニングイベントを行い、計100人以上の方にお越しいただきました。新聞やテレビにも取り上げて頂き、ちょっとした話題にもなりました。
通りで賑わう人たち。この光景が日常にあふれてほしい。
5月中旬の時点でも、変わらず多くの方にクラフトビールを楽しんでもらっています。私達の夢の第一歩であるKOGANEはついに動き出し、大手前通りを歩く人達に少しだけ楽しんでもらえることが出来る様になりました。
さらにさらに、5月14日には店先で育てるホップの設置も。8月頃にはここで収穫出来るように育てて行きます。まちなかにも緑が増えていきます。
店先で育てるホップの鉢植え。
さとまちガイドラボのみなさんと。
順調にスタートしたKOGANEですが、私達の挑戦はまだ始まったばかりです。
▽醸造に向けて・ご協力のお願い。
現在、秋の醸造に向けて資金調達を行っています。全体では約3,500万円程度かかるのですが、今回のクラウドファンディングではこのうちの1,000万円を目標としていて、全額を醸造機器とボイラーなど製造設備の購入・設置に充当する予定です。ぜひご協力をお願い致します。
▶店舗内装・厨房機器:1,500万円
▶醸造機器・ボイラーなどの製造設備一式:1,270万円
▶資材・準備:300万円
▶設計・デザイン・広報など:400万円
〈スケジュールについて〉
▶︎2022年2月下旬:先行オープン完了
▶︎2022年7月下旬:工事(厨房工事、醸造場内装工事、醸造場設備設置工事・その他全ての工事)
▶︎2022年8月:オープンテラス工事
▽終わりに。
私達はこのプロジェクトを通して、一人でも多くの方にKOGANEの『オーナー』になってもらいたいと思っています。
大手前通りが、みんなにとって居心地のいいリビングのような場所になり、いつも笑顔が絶えない空気を醸し出し続けてほしい。その思いでがんばります。みなさんのご協力、よろしくお願いいたします。一緒に大手前通りを作っていきましょう!
【資格・免許】
酒類販売免許番号:姫路酒第101号(株式会社エルデベルグ平井)
最新の活動報告
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2024/04/05 18:36こんにちは、コガネブリュワリー株式会社の飯田です。少しずつ暖かくなり桜が咲き始め、KOGANE前の人通りが盛んになってきました。さて、いよいよ最後のクラファン限定ビールがまもなく完成します。煎茶を使った爽やかで春らしさを感じるセゾンを作りました!セゾンとは、ベルギー発祥であり、夏の農作業の合間にのどを潤すために造られたビールスタイルなります。比較的ボディや飲み口が軽く、 オレンジやレモンのような柑橘類を思わせる香りと、スパイシーな香りが一体となった複雑な香りが特徴的です。そのセゾンに、農薬不使用/有機肥料で栽培された煎茶を贅沢に使用してみました!今回提供して下さったのは、E.A.T Store Cafeのオーナー吉田さん。京都の茶畑オーナーであり、そこで摘んだ茶葉を使用させて頂きました!お茶の爽やかな風味と、セゾン由来のスパイシーさが味わえるすっきりな仕上がりになりました。今月末には、支援者様にお届けしますので、もうしばらくお待ち下さい。また、飲食チケットの受取をされていない方は、7月末までとなっておりますので、この機会にお越しくださいね。引き続きよろしくお願い致します。 もっと見る
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2024/03/08 15:30こんにちは!コガネブリュワリー株式会社の飯田です。クラファン限定ビールも残すところ、あと2種類となりました。第4弾は、コーヒー豆を贅沢に使用した『コーヒーアンバーエール』です!今回使用したコーヒー豆は、常連様である「就労継続支援B型事業所なのはな 」さんが提供して下さいました!代表の宮家さんのおススメは、「ブラジルサントスショコラ」。こちらでは、欠点豆を一粒一粒取り分けたハンドピックをされております。欠点豆は、通常破棄されるのですが、この豆を再利用できたらという話から使わせて頂くことになりました。コーヒー豆特有の香りはもちろん、甘味もほんのり感じれるコク深いテイストにしてみました。こちらのリターン品を選んで下さった皆様、まもなく完成しますので、もうしばらくお待ちください。 もっと見る
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2024/02/08 16:57こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
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