我々大倉書房は8月19日、本文の印刷をお願いする印刷所へ打ち合わせに行ってまいりました。前回の訪問の際にもご提案頂いていた2色印刷について、実際に試し刷りしていただいたものを見ながら、予算と相談しつつ印刷方法を決めるのが主な目標です。病床の小間使いAは隔離期間のため不参加だったのですが、なんと、以前より相談に乗っていただいていた装丁家の先生も同行していただけることに…!いろいろ大緊張の中の訪問となりました。
まずは、事前に小間使いAが作成してくれていた①シアン+ブラック、②シアン+マゼンタ、③シアン+マゼンタ+ブラックの3種類を出力していただきました。やはり画面で見ていたものと実際に見るのとではまた色味に差が…。青緑だと思っていた①のサンプルですが、かなり本文の緑が弱くなって、クリアブルーのような爽やかな色に。
その場で作者の方に見せてお伺いを立ててみましたが、目指している色との差が大きいとのこと。前回装丁家の先生のもとで伺った3色印刷と特色インキを用いた印刷方法についても相談したのですが、3色で印刷するとフルカラー印刷とほぼ同じ値段になってしまうこと、特色インキの作成にもそれなりにお金がかかってしまうことがわかりました。③の印刷を見てみるとかなり元原稿に近かったので、予算次第では…と思っていたのですが、そう甘くはなかったようです。
見積もりをお伺いすると、概算ですが2色印刷で1部分カラーページを入れると15万円ほど、すべてフルカラーだと26万円ほど。我々が印刷にかけられる予算は足が出ても17,8万円だったので、2色印刷でお願いする方向になりました。
そしてもう一つ、『終の一語』に巻く帯の話を。見返しの紙と関連を持たせたいという作者の意向から、似た風合いで透け感のある「シープスキン」という銘柄が挙がっていました。実物を見せていただいたのですが、風合いがかなり見返しと近く、程よい透け感!!廃品でもない(本当に大事なことです)ので、是非この紙を使いたいと思います。
他にも詩集についても相談させていただいたり、製本の観点からもアドバイスを頂いたりと、話は盛り上がりまた3時間ほどの打ち合わせになってしまいました。装丁家の先生も印刷所の方々も、私たちの企画を「おもしろい!」と言ってくださって、実現のために一緒に考えてくださいました。自分たちが考えること、いいなと思うことに賛同してくださる大人がいるというのは本当にありがたいことですし、励みになります。
印刷の方向性も定まり、入稿がいよいよ目前に迫ってきています。原稿の表現をできる限り再現しつつ、オンデマンド印刷を生かした作品作りをしていければと思います。皆様これからも見守っていただけると幸いです。
※本文は同日にnoteで公開される記事に一部加筆・修正を加えたものとなります。