「渇花」は植物が美しく咲き朽ちては再び咲く姿を、人が抱くナヴァラサという感情を元に感情の外側と内側、循環される時間を押花と人物で表現した写真作品です。
ナヴァラサとは「9つのラサ」という意味のサンスクリット語です。
インドの芸術論では芸術を人が鑑賞した際に抱く感情とされており「恋」「滑稽」「悲しみ」「怒り」「勇猛」「恐れ」「嫌悪」「驚き」「静寂」が「9つのラサ」として分類されています。
また、数字の9は10にひとつ欠ける「不完全」と見なされているという意味が隠されており、今回で完成ではなく後々に繋がるよう9作での発表にしました。
植物は後々に種を残す為に美しく咲き、朽ちては残った種が少しずつ進化をして再び美しく咲きます。
僕はその姿と人の感情は似ていると思います。
人は愛情や喜び、怒りや哀しみを感じている時が最も美しいと感じています。
なぜ美しいと感じるかというと、無感情ではなく何かしらの感情を抱くということは
今まで経験したこと・もしくは体験したことがないということで、個人がより先に待つ自分の可能性に繋がりたいからこそ抱く感情だと思い、「渇花」の制作を始めました。
是非、ご興味持っていただけると幸いです。