みなさまこんにちは!
初めてのクラウドファンディングでとても緊張しております水谷晨です。
私はオランダのハーグ王立音楽院の修士課程を追放され(※ネタではないです。)帰国、日本で桐朋学園大学に入学し作曲科教授の金子仁美先生、音楽学者の西原稔先生の元で修士の学位を取得しました…が、今機会がありその時書いた修士論文を読み返して、思った事などを綴ってみようと思います。
当時の私は、オランダ20世紀音楽史という、日本ではまだ研究が全くされていないテーマに挑戦したのですが、如何せん先行研究が皆無な為、研究は茨の道でした。
そこで私が目をつけたのが、私の研究対象であるオランダ20世紀の作曲家、ルドルフ・エッシャー氏の親族からインタビューをする、という手段です。
ルドルフ・エッシャー氏は1910年代に生まれ1980年に亡くなっており、世界的に有名な画家でイラストレーターのM.C.エッシャーの甥にあたる人物です。
そこで私はオランダにあるM.C.エッシャー美術館に連絡し、エッシャーの一族、親戚をたどり、最終的にルドルフ・エッシャーの娘様、シドニー・ツィンマーマン=エッシャー様の連絡先をゲットしました!
が、なんとシドニーさんはEメールアドレスを持っておらず、やり取りは手紙でするしかなく、またシドニー氏に手紙を出し返信を頂いたまではいいのですが、なんとも達筆な方で、手紙を英語で書いて頂いたにも関わらず解読が出来ませんでした。
そこで紹介されたのが、母の友人で日本でピアノを教えていらっしゃるオランダ人ピアニストのルイ・レーリンク先生。
ルイ先生には拙論文を書くにあたって、私がネット通販で手に入れたルドルフ・エッシャー氏のオランダ語の著書やエッセーなどを翻訳して下さいました。その成果は私の修論に大きく取り入れられています。
そんなこんなで波乱万丈な私の修論執筆だったのですが、、今読み返してみると、あまりにただ歴史をなぞっただけの論考が大半を占めており、新しい発見がどこでなされているのかが問われるのではないかという気がしています。
また、日本の西洋クラシック音楽研究はドイツ、フランス、イタリアなどの主要諸地域の論文がほとんどな為、学術的需要も少ないのではないか、という不安にも駆られています。
また私は論文の中でヘーゲルやアドルノ、マルクスなどのドイツ観念論哲学の引用も行いましたが(友人の哲学者に手伝ってもらったとはいえ)こういった哲学的考察もかなり後付けな感じが否めない…と、今になって書き直したい気持ちでいっぱいです。
また、これはここでは書きませんが、今回の渡欧でシドニー氏の家を訪れる機会があり、そこで新たな発見が幾つもありました。それを書き足してジャーナルに…などと考えていたり考えていなかったり、、なんとも複雑な心境です。
さて、拙クラウドファンディングもご支援頂いている皆様のお陰で順調に進んでおります。
引き続き、皆様におかれましては温かい支援と血湧き肉躍る楽しいリターンの購入を何卒、そしてSNS、LINEなどでの拡散を何卒、よろしくお願いもうしあげます!
ではまた!
水谷晨