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日本画で「ふるさとの記憶」を描き、みんなで地域の未来を語りあおう!@京都・西賀茂

大宮学区は京都市北区西賀茂にある人口17,000人の地域。地域の記憶を絵で表現する「大宮ふるさと絵図」をコミュニティアートとして完成させたい! 地域の子どもと大人がいっしょに、古き良き大宮の暮らしを偲ぶことから、未来の自分と地域の幸せについて考えてもらうためのツールとして活用していきたい!

現在の支援総額

263,000

26%

目標金額は1,000,000円

支援者数

39

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2022/08/15に募集を開始し、 39人の支援により 263,000円の資金を集め、 2022/09/30に募集を終了しました

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日本画で「ふるさとの記憶」を描き、みんなで地域の未来を語りあおう!@京都・西賀茂

現在の支援総額

263,000

26%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数39

このプロジェクトは、2022/08/15に募集を開始し、 39人の支援により 263,000円の資金を集め、 2022/09/30に募集を終了しました

大宮学区は京都市北区西賀茂にある人口17,000人の地域。地域の記憶を絵で表現する「大宮ふるさと絵図」をコミュニティアートとして完成させたい! 地域の子どもと大人がいっしょに、古き良き大宮の暮らしを偲ぶことから、未来の自分と地域の幸せについて考えてもらうためのツールとして活用していきたい!

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の付いた活動報告

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写真(右がMさん。左が私と大宮絵図メンバー)こんにちは!由佳です。先日は、すごく貴重な経験をしてきました。絵図当時(昭和30年)に大宮地区で子供時代を過ごされ、今も大宮に住んでいるMさんに、当時の大宮のお話を聞くことが出来ました。いくつか紹介します。●絵図当時の船山に生えている木について今の船山と昔の船山は生えている木の違いはあるのか?。船山は西方寺が所有しているので、誰かが勝手に木を切る事ができないのでかわりはない。周りの山は燃料として木を切っていたことから雑木林として描くことにしました。●水はだれが守ってきたのか集落全体で草刈りや用水路の掃除はあったのか。水利組合が存在し、田んぼを持つ長男のみが草刈りなど参加。これは、絵図に入れると説明が大変なので入れることはしません。●8月に帰ってくるご先祖様をお迎えするお供えもの絵図に描く予定だったお供え物8月になると、スーパーに果物や野菜がお供え物のセットとして売られています。私も毎年、果物セットと野菜セットを購入していました。りんご、みかん、ももなど、当たり前だと思っていたお供えものが、Mさんに見てもらうと、『お供えにはみかんやりんごはなかった。これは季節の物じゃない』『長い豆のささげや、ナス、キュウリ、トマトなどの夏野菜ばかりだった』というお話を聞いて、スーパーで一年中リンゴやみかんを購入している私が、季節感を失っていることに衝撃を受けました。当時の大宮は純農家だったので、皆さん自分で作ったお野菜をお供えしていたのです。Mさんにお話を聞いて、お供え物を描き直すことにしました。絵図当時の事を描くとき、当時の事が載っている本や写真も参考にしますが、本当に知りたい私が欲しい情報でない場合が多いです。地域の事が知りたい、どんな色をしていたのか、どんな事があったのか、本にも写真にものっていない『大宮の本当の事』が知りたいと思っていました。Mさんと出会えたのは『大宮絵図プロジェクト』メンバーの方が橋渡しをしていただいたのもありますが、Mさんも記憶を大事に持って元気で過ごされたこと、私も元気で絵を続けていたから昔の記憶を拾う事が出来たという、シンクロニシティが起こったのだと思います。人の記憶はその人が持つ、財産です。Mさんが元気で過ごされて、私とお会いして、私はMさんの記憶を拾うことが出来た。そのことは、絵図メンバーのみなさん、Mさんには感謝の気持ちでいっぱいです。


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こんにちは。由佳です。五山の送り火というのは、お盆に来たご先祖様を船に乗せて極楽浄土に帰すための行事ですが、船山独自の行事があることをご存じでしょうか?船山の点火の仕方がとても原始的な方法であること、ご先祖様を迎えるための準備や、船山独自のご先祖様を極楽浄土に送る踊りなど、興味深い行事がたくさんあります。実際にスケッチや取材をしたので それらを一緒にみていきましょう。下絵には、『五山の送り火』に対して関係しているものに『赤丸』がしてあります。『西方寺 六歳念仏』と『万燈炉』一番左の赤丸の『西方寺 六歳念仏』とは、 送り火終了後の21時から西方寺で行われる、鉦や太鼓ではやし、念仏を唱えながら踊る民俗芸能・民間信仰です 。六斎念仏は非公開でしたが特別に見学・スケッチさせていただきました。『万燈炉』とは、西方寺の門の上に照らされている燈籠で、ご先祖様をお迎えするための迎え火の事です。夜、赤々と照らされています。船山の点火の方法 船山の点火方法は、『音』と『光』です。船山の麓の山がよく見える住宅地で、西方寺和尚様の読経後、鉦が叩かれ、その音の合図で山に火がつけられます。下絵の『西方寺和尚様 点火のために読経』と『鉦をたたく人』に赤丸がしてあります。鐘の音によって点火の合図になりますが、和尚様の足元にある提灯も点火の合図のようで、私が和尚様をスケッチしようと、ヘッドランプで画用紙を照らしていたら、『点火の合図と勘違いされるから消してください』と言われました。また、カメラのフラッシュも点火の合図と山にいる人が勘違いしてしまうので、集まっている地元の方にも『フラッシュはやめてほしい』と和尚様が言われました。ご先祖様をお迎えする準備 『精霊馬』 『ハスの葉の上に丸いものをお供え』絵図下絵の送り火の下には、『精霊馬』 『ハスの葉の上に丸いものをお供え』 『船山が田んぼにうつる』と言う文字に赤丸をつけています。『精霊馬』とは、ご先祖様がこの世に来て帰る乗り物を表していています。きゅうりが馬、ナスが牛です。馬に乗って早くこの世に来てほしい、あの世に帰る時は牛に乗ってゆっくりお帰りください、という意味がこめられています。『ハスの葉の上に丸いものをお供え』とは、あの世から来たご先祖さまにお供えするものです。ハスの葉っぱに丸いものや季節の野菜をお供えします。『船山が田んぼにうつる』とは、水のはられた田んぼに美しく船山が映る景色を描きます。『手を合わせて祈る人』絵図下絵の一番右の『手を合わせて祈る人』とは、船山に火が点火して、ご先祖様が乗った船が無事に極楽浄土に行くのを祈る、地上の人々の姿のことです。観光でもない、インベントでもない『人が祈るためのシンボル』私は今、京都に住んでいますが、京都に来るまでは東京の都会に住んでいました。東京のテレビ放送では、京都が観光地として紅葉の季節や五山の送り火の映像を流していました。しかし京都に住んでみて、五山の送り火が観光でもイベントでもないという事がわかりました。送り火の日、地元のおばあちゃんが1人、送り火に手を合わせている姿を見て思ったのです。五山の送り火は、『信仰』、祈りのための火でした。住むことでその土地が持つ、祈りや願いの行事の本当の姿を見ることが出来ました。送り火の文字によって違うことがある左京区の『大文字の送り火』の近くに住む友人宅に行くと、玄関の飾り棚に、送り火で焼かれて炭になった、消し墨が飾られていることがあります。消し墨は、魔除け、厄除けになるとされています。送り火の次の日の早朝、友人は家族と大文字に登り、燃えた木を持ち帰るそうです。『早朝に行かないと大きな炭が取れない。みんな持って帰るから遅く行くと小さいのしかない』。船山ではそのような事はありませんが、五山の送り火の大文字ではそういう事も行われています。送り火も場所によってそれぞれ違うのです。西方寺の和尚様は、読経と鉦の音で船山を点火するという重要な役割をもっています。大宮絵図ではこの役割を目立たせるために他より少し大きく人物を描きました。


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こんにちは。由佳です。今日のテーマは『この土地で生きる人の一生』についてお話します。私の生まれた田舎(石川県)ではご先祖様から受け継いでいる土地や財産は、その家の長男が継承して守ってきました。おじいちゃんになったら家の裏のお墓に眠り、その土地のご先祖さまになる。このようなローカルな思想は同じ農地の広がる大宮でもあるのではないかと興味がありました。この土地で暮らす人はどんな一生をしているのだろうか。それを知るには絵図当時を知る大宮に住んでいる方からの聞き取り調査が必要でした。図1聞き取り調査をして見えてきた大宮で暮らす人々の一生。聞き取り調査をした方々は、全員絵図当時を知る方で、代々農家に生まれた長男のおじいちゃん、この土地にお嫁に来た70代の女性やここで生まれて育った女性、次男で一度この土地を離れたけど、農業以外の仕事をして戻ってきた方々 です。それをまとめてこの土地に住む人の一生を作ってみました。水色で色をぬっている場所は人が集まっている行事などです。この土地で生まれた長男のおじいちゃんから聞き取り調査をしました。長男は仕事を選べない。農家になるのは当たり前?そのおじいちゃんはたくさんいる兄弟の中で唯一、代々受け継いできた農地を仕事として引継ぎました。仕事は農業をするというのが当たり前であり、子ども時代は家族で大切に育てていた牛の世話の仕事をしていたそうです。農家さんはたいへん忙しいため、子供でも仕事が与えられていたそうです。図1の左下に、『男』と『女』がいますが、『男』が若い頃のおじいちゃんとして、男は力仕事の田起こしをします。田植えは女性の仕事なので、農家にお嫁に来た『女性』を描きました。男と女がいて、子供が生まれて、『父』と『母』になりました。その息子は牛の世話をしていた子どもでしたが、この家の跡取りとして青年として成長しました。成長した青年のその後の人生をどう描くか。70代女性から聞き取り調査をしてわかったこと男女の出会いの表現方法●70代女性『男女の出会いは盆踊りぐらいだった。』人口が少なく、農地がほとんどの地域では、人が集まる行事がお見合いのような場所だったようです。成人した女性が着飾って盆踊りに胸を躍らせて行っていたようすが目に浮かびます。女性から聞き取り調査をして、絵図では跡取り息子が盆踊りで女性と出会って結婚と言う流れにしました。●70代女性『結婚式は家でしていた。』このお話を聞いて、女性が結婚すると『家の中に入る』というイメージが湧きました。絵図では、跡取り息子のお嫁さんは、結婚をするために、この地域の文化的な『門構えの松』をくぐます。門構えの松とは、松の枝が一本だけ長く横に伸びていて、人がその下をくぐれるようになっている松のことです。とても縁起がいいものです。絵図ではお嫁さんが家の中で行われる結婚式のために家に入りますが、家の中ではこれから結婚する旦那さんが待っているという設定にしてあります。●70代女性『布オムツだったから、庭の物干しにはたくさんの布オムツが干してあって壮観だった』赤ちゃんを育てるのに重要なのが、オムツ問題。そこをちゃんとしないとオムツかぶれになったりで大変です。私は紙おむつで子育てをしたのでオムツが汚れたらポイッとゴミ箱に捨てていました。絵図当時は何度も繰り返しオムツ使用していました。また、この家には赤ちゃんがいまーす、というメッセージがあるようで面白いなと思いました。この土地に生まれた次男のお嫁さんのお話。旦那さんが農家の次男のため、農業以外の仕事に就くため大宮を離れて都会に住んでいましたが、この土地が好きで戻ってきたご夫婦のお話を聞くと大宮への愛着が伝わります。●次男のお嫁さん『ミルクなんてないから赤ちゃんに母乳をあげました。』絵図の家の中では『子育て』が行われています。絵図では赤ちゃんに母乳をあげるお嫁さんを描いていますが、大っぴらにそれを表現するのではなく、家の前の柿の木にわずかに隠れて描いています。赤ちゃんはすくすく成長をしますが、図1の右側にいくと、冬の仕事のしめ縄づくりが描かれています。ここで、お嫁さん、子供達、おじいちゃん、おばあちゃん、息子が登場。家族が増えて、おじいちゃん、おばあちゃんから次世代にしめ縄の技の継承が行われ、その後、おくどさんに行き、人の死になります。結婚式とお葬式をどう表現するか。昔はこの二つは地域の人が集まって行われていたものでした。絵図ではおくどさんという、竈門で煮炊きをする地域の人を描いて、お葬式を意味する白黒の垂れ幕の鯨幕を描いています。 


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絵図に時間軸を作って風が吹くように季節を動かしたい。この絵図には時間軸があります。過去から現在、未来へと経過していく時間の流れ 、変える事のできない、すべての人に平等に与えられたもの。絵図の一番左は1月、一番右は12月として時間を設定して月日を表現。また、人が生まれてから命が終わるまでの時間軸も存在します。人は生まれ、どんな人とご縁があり、地域のどんな行事に参加して人生を送ったのか、何を見て、何を感じて生きていたのか、人の一生の歳月も左から右に行くにつれて進むように描きました。ねらい作品の流れに視点をまかせることで、自然と作品を見る事ができるのではないか。絵巻物を見ているように、絵図の物語を見てほしいと思ったから。一番左の1月にはお正月の行事を描き、8月には送り火の行事が集まり、絵図上には五山の送り火があります。一番右の12月には新年に使うお正月の飾りを作る家族を描いています。大きな赤い矢印の動きのように人の一生も一年の月日も過ぎていくその中心の『船山』は、始まりと終わりとして存在しています。ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず (方丈記)川の流れのように、幸せも、悲しみも、時とともに過ぎていき、なにごとも移り変わっていく、人の人生とはそういうはかないものかもしれません。しかし、それぞれの流れの中で私達はほんの一瞬を生きていますが、情熱をかけて生きていること、その土地の歴史に比べれは点にすぎないかもしれないけど、毎年同じ行事を同じ場所で行い、親から子へ里で暮らす技の継承を繰り返していくことで次の世代に受け継がれ、『点』すらも、何度も繰り返すことで大宮という土地に根付いてこの場所に色を残していくのではないでしょうか。私はそういうものを鳥瞰図で描いていきたい。次の③からは大宮絵図のテーマについて解説。おたのしみに。


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こんにちは。由佳です。大宮絵図にはたくさんのモチーフが詰め込まれています。地域の方や代々大宮に住む農家の方から絵図当時の事を聞き取り調査した事や、一から自分の足でお祭りや行事に取材しに行き、スケッチをした物を入れています。それ以外にも、大宮地区の『一年間』を何度も、何年も、取材を重ねてきて見えてきた私の視点の『新しく発見したモノ』も入れています。絵図上中央には大宮地区の五山の送り火『船山』が入っています。絵図下部分には地域の人々の暮らしやお祭りがひしひしと詰め込まれています。これらすべては、聞き取り調査や取材でスケッチした物を推敲を重ねて選別してあります。絵図の紙の大きさに入るモチーフの数に限界があるためすべて入れる事は出来ません。テーマを作り、それに沿ってモチーフを選んでいます。ただ、入れるだけでは一つの作品になりません。沢山ありすぎるでは統一感をなくし、何を伝えたいのかわからない作品になってしまいます。だから、テーマに沿ってモチーフを選ぶことはとても重要でした。大宮絵図のテーマとは『祭りや生活における藁と竹の使用方法』『この土地で生きる人の一生』『子どもの遊びとそれぞれの仕事の役割』『五山の送り火に関係するモチーフ』『地域の祈り』『虫・生き物・植物』『大将軍神社例祭と農家の田んぼの一年』『船山の果たす役目』『生と死』になります。それぞれ説明していきますので次回②もお楽しみに!