2022/07/24 10:02

プロジェクトの近況報告ですが、本プロジェクトはデータベースのもととなるデータの構築に長い年月をかけてきており、最終段階がWEB上での公開ということになりますので、これまで行ってきた取り組みの状況や、音楽史年表作成中に考えたことなどをご紹介したいと思います。

構想から数えますと30年ということになりますが、写真でご覧いただけるように原稿の作成はモーツァルトの原稿作成開始が平成15年10/25ですから、19年前からということになります。その後、平成17年12/25にはベートーヴェンの原稿作成にかかっています。創作史年表作成の動機は、作曲家が作曲した時点でどのような作品が世の中に存在し、どのような動機で作曲家が音楽を生み出したのかということが、分かるようにしたいというようなことだったように思います。

その後、バッハ、ヘンデルのバロック期に移り、シューベルト、ロッシーニ、ロマン派作曲家へ取り組みを広げて行きました。

しかし、このあたりで、ただいろいろな著作から歴史的事実としての年表を寄せ集めて何になるのかという疑問に突き当たりました。そして、創作史年表を作るからには、その創作史年表から得られるものを取りまとめる必要性があると感じ、ベートーヴェン「女性と作品」や分野別創作史などを作るようになりました。

創作史はバロック期から始めていましたが、ミサ曲創作史を作成しますと、ミサ曲においては更に歴史をさかのぼる必要があり、中世、ルネサンス期まで創作史の範囲は広がることとなりました。

この時期には、原稿のEXCELへの入力作業に取りかかっています。先月にはようやくショスタコーヴィチの最後の作品であるビオラ・ソナタOp.147の入力を終え、現在までの原稿の入力をすべて終えることができました。長かったです。一時は指が腱鞘炎のようになり、動かなくなることもありました。

写真は1803年の原稿ページです。当初は見開きで、左ページにはベートーヴェンの情報を、右ページにはハイドンなど他の作曲家の情報を記入しはじめましたが、情報量は増え、1803年で9ページを費やしています。この年には、ベートーヴェンは交響曲第2番ニ長調Op.36やクロイツェル・ソナタ イ長調Op.47などを初演しています。

原稿量は全部で厚さが11センチありましたから、厚さ3ミリのノートで36冊分になります。

今後、20年以上放置してきたLPレコードの復活の話なども交え、これまでの状況について報告して行きます。今後もよろしくお願いします。

プロジェクト代表 早川明