2022/08/10 16:43

私の年代は学生時代からLPレコードに親しんできましたが、やがてCDにその役割が引き継がれました。画像付き音源では、モノクロTVからカラーTVへ、そしてビデオテープ、レザーディスクからDVDへと変遷しています。

約400枚のLPレコードをおそらく30年ほど前までは聴いていました。しかし、その後はその存在が忘れられ、昨年でしたか久々に聴いてみると、LPレコードは埃とカビにやられ、再生してみましたが、カートリッジを新品にしても全く聞くに堪えない状態となっていました。そこで、インターネット情報を調べ、レコード盤の水拭きを実践してみるとこれがなかなか効果的で、従来の静電気防止スプレイなどとは比べ物にならないくらいに元の状態を取り戻しました。

また、カートリッジもオーディオ・テクニカのスタイラスクリーナーのクリーニングで、寿命が来たと思っていたショアのカートリッジまでが復活し、現在ではこれを使っています。


LPレコードとCDの聴き比べですが、ヘンリク・シェリングのバッハの無伴奏バイオリン・ソナタとパルティータのLP版の方は1954年にフランスで録音されたモノラル版で、おそらく同一のバイオリンを使用したと思われる1967年にアメリカで録音された音源を用いたCD版と聴き比べてみます。やはりLP版の方が数段良いですね。バイオリンの低音から高温まで響きが豊かで絹のような滑らかさがあり、すぐれたバイオリンの魅力が充分に聴けるように思われました。CD版の方はどちらかと言えば綿布か麻布のような粗さが感じられました。もちろん、LPやCDよりも実際にホールで聴くのが一番ですが、すぐれた楽器の音をピアニッシモからフォルテッシモまで十分に響かせることができるホールでの演奏においてです。日本の和楽器は静寂の森に響き渡らせるというイメージがありますが、西洋の楽器は石造りの教会のような響きの豊かなホールでその楽器のすばらしさが表現できるようです。このような響きの豊かなホールでは、ハープシコードやリコーダーのような音量の少ない楽器も独奏楽器として十分にアンサンブルに加わることができます。

ということで、多くのLPレコードの名盤が完全復活し、その豊かな響きと往年の名演奏を楽しむことができるようになりました。