●目次
1. なぜ居場所づくりが必要か?
2. 子ども食堂のイメージを変えたい
3.子ども食堂とSDGs
4. モモの木の想いと活動紹介
5. さいごに
はじめまして。
NPO法人モモの木 代表の横尾と申します。
NPO法人モモの木(以下、モモの木)では家でも学校でもない第三の居場所として「子ども図書館」や「子ども食堂」活動などを通じ、親と子が気軽に集い、子育ての負担や悩みや孤立感を軽減・解消し安心して過ごせる”場”づくりを行っています。
モモの木では2019年12月、子ども食堂ではない形の子どもの居場所作りとして「モモの木 子ども図書館」を開始。
誰でもが気軽に立ち寄れ、人と繋がれる居場所として2年間でのべ2262人の子ども達が通っています。
おもちゃもあり、小さなお子様とママが集える子育てひろばのような場所でもあり
小学生が学校帰りや長期休暇に、自由に遊びに来て宿題をしたり将棋をさしたりできる場所であり
地域のママたちが、梅干作りや味噌作りを一緒にするワークスペースであったりと様々な世代がゆるりと繋がれる場所です。
そしてこのたび「モモの木 子ども図書館」は2022年度日本財団の「子ども第三の居場所」コミュニティモデルの採択をうけました
誰一人取り残すことなく地域のみんなが笑顔で暮らせる温かいまちをつくりたい。
地域コミュニティは、そんな思いを持って、地域をより良くするために活動する住民同士のつながりや集まりのことをいいます。
モモの木は「地域の子育て」を柱に、<子ども食堂>を通じて地域コミュニティを形成していくことを目標に活動を続けています。
今回のプロジェクトでは、モモの木の想いや活動を知っていただきご支援いただくために立ち上げました。
正直に申し上げると、コロナ禍以降、経営が危機的状況となり、現在も苦しい状態が続いております。
NPO法人モモの木の収入源として主に「寄付」「賛助会員からの年会費」「カフェ営業による自主事業収入」が挙げられます。
この中で、主に私たちの活動を支えていたのは「カフェによる自主事業収入」でした。
NPO法人(非営利活動法人)の「非営利活動」とは利益を目的としないことであり、自主事業(カフェ運営)により収益を得ることは可能です。
しかし、コロナ禍となりカフェの収入は激減し、今もなお以前のような賑わいには戻っていません。
カフェの売上からお店の家賃+スタッフの人件費+食材費を差し引くと、ほぼ利益がない状態です。
それとは相反し、子ども食堂利用の急増、および材料費の高騰により、このままでは活動を続けていくことが困難となりました。
NPO法人って助成金や補助金など大きな資金をもらえているのでは?という声もあるかと思います。
確かに申請できる助成金や補助金は収入として活動費に充てていますが、あくまで一時的な変動性のあるものです。
サラリーマンで言うとボーナスのような位置付けであり、毎月の安定した収入があるからこそ生活を続けていけるものだと思います。
私たちがこれからも活動を続けていくためには継続的にご支援いただく事が必要なのです。
そのために、今回は「賛助会員の募集」を含め寄付を募っております。
*賛助会員とは、運営や活動には直接関与せず年会費によってモモの木を支援する会員のこと
現在、核家族化、個人の価値観の多様化、地域を支える人材の不足、新型コロナウイルス感染症など様々な理由により、住民同士のつながりが希薄になっています。
かつて地域で盛んに行われていた子ども会やお祭りなどの行事は、娯楽や社交の場といった機会の提供をしつつ、社会とのつながりを実感させ自分の居場所があるという安心感や生き甲斐を与えていました。
また地域みんなで安心安全を見守るセーフティネットのような役割もありました。
そういった地域コミュニティの良い部分を「子ども食堂」という場所をきっかけにして、多世代が交流できる場作りを現在行っています。
現代の子育ては、「孤育」と表されるように子育ての負担は親(特に母親)にのしかかり、子ども達の家庭環境は約7人に1人の子どもが貧困家庭で育っているという問題があります。(出典:「平成28年国民生活基礎調査」厚生労働省)
日本で増加している貧困とは「相対的貧困」です。世帯に入ってくる所得が一般的な世帯の半分未満で、他の家庭と同じような生活が送れない状態を指します。
特筆すべきは、子どもがいる一般世帯の相対的貧困率が12.6%に対し、ひとり親世帯は48.1%と高い数値となっていることです。(2018年厚生労働省「国民生活基礎調査」より)
堺市のひとり親世帯の割合は、全国平均と比べて8%も高く、ゆえに貧困率も高いです。
家庭だけでは解決できない問題を地域全体でケアする必要があると認識しています。
貧困に加え、子どもたちを取り巻く問題の一つに児童虐待もあります。
上のグラフを見るとわかるように堺市における児童虐待相談件数は年々増え続けています。
虐待を受ける子どもの年齢では、0〜5歳児が全体の47%、小学生が33%、合わせると約80%が小学生以下の子どもたちです。
実父・実母から虐待を受ける割合は全体の92%と家庭に居場所のない子どもたちもいます。
行政の福祉課に相談に来るときには、赤信号で手遅れになることもあります。
子ども食堂や子ども図書館は子どもたちにとって地域の身近な相談窓口の役割を果たすものだと感じています。
これらの社会問題に対し私たち「モモの木」は、子どもが産まれたときから地域の頼れる居場所となり、専門機関と繋がる相談窓口となり、継続的に支援を行うことを目指しています。
子ども食堂でお金を渡す小さなお客様
今は感染症対策でお弁当を販売していますが、大切にしているのはおうちのごはんを心を込めてお弁当箱に詰めること。
オムライスとマカロニサラダのお弁当(2022.1.21)
地域社会は、家庭や学校とは異なる人間関係や様々な体験、居場所の提供などを通じて、子どもたちの健やかな成長に重要な役割を有しています。
すべての子ども達が、未来への希望を持ち、これからの社会を生き抜く力を育むことができる環境と機会を提供することは大人の責任です。
地域の大人の力で子どもを育むために、子ども食堂・地域の居場所は絶対に守っていきたい大事な場所です。
「子ども食堂」と聞いてどんなイメージをお持ちですか?
⼦ども⾷堂では「子どもの貧困対策」という⾯がメディアなどにより強調され「⼦ども⾷堂=貧困家庭の⼦どもが⾏く場所」というイメージが今もなお強いです。
しかし、そうではありません。
モモの木の子ども食堂は、どんな家庭の子どもでも、大人だけの利用でも、誰でも来てOKな場所です!
確かに子ども食堂を始めたきっかけは、一人のシングルマザーとの出会いでした。
しかし、それは1つのきっかけに過ぎません。
そういった面でのサポートだけではなく、子育て中の親子が気軽に集まったり、家庭や学校だけではふれあうことができない多世代との交流や憩いの場ともなっています。
そして食事のサポートとしての役割だけでなく、子どもの学習支援や居場所作りなどの面もあります。
子ども食堂が貧困というイメージが強いと何が問題かというと、本当に支援が必要な人も、そうでない人も利用しづらいという事です。
これでは本末転倒で、貧困の子や家庭に問題がある子どもや親も普通のふりして、普通に来れる場所というのがすごくいいなと思っています。
何かの問題があり支援が必要な子どもは、自治体などの行政で対応すべき事ですが、なかなか表面化してこない問題でもあります。
そういった場面で、地域コミュニティが形成されていると、身近にいるからこそ気づけるSOSのサインがあると思います。
子どもだけではなく、大人もそうです。
困りごと(特に親子関係が関わる問題)は、なかなか相談するのは勇気がいります・・。
「同情ではなく、共感できる」居場所を地域のみんなの力で創っていく。
子ども食堂という名前がついていますが、すべての人に対して「食事」をきっかけに地域のみんなの「居場所」を提供する取り組みです。
子ども食堂の名前は認知されていても、どのような取り組みをしているのか、その実情を知る人はあまり多くありません。
子ども食堂はもっと楽しい場所です。ほっこりできて安心できる場所です。
このことをより多くの方に知っていただきたいのです。
SDGsは「誰ひとり取り残さない-Leave no one behind」をスローガンに、経済成長、社会福祉の発展、環境保護の3つの側面から、すべての人々がよりよい生活を送れる世界を目指しています。
モモの木 子ども食堂は
目標1.「貧困をなくそう」
目標3.「すべての人に健康と福祉を」
目標4.「質の高い教育をみんなに」
目標11.「住み続けられるまちづくりを」
につながる取り組みを実行しています。
前述したように、子ども食堂は貧困だけでなく、地域みんなの居場所としての役割も有しています。
モモの木の子ども食堂には、主婦の方や大学生のボランティアさん、シニアボランティアさんなど自分たちにできることで、お手伝いを買って出てくれています。
食事作りのお手伝いをする
子どもの宿題を見てあげる
子育てひろばの見守りをしてくれる
ママたちが笑顔になるワークショップを企画する
1つ1つの行動は決して大きくはないけれど、みんなの温かい心が集まって、この居場所を支えてもらっています。
そして、来てくれる子どもや大人だけでなく、運営する側の私たちも、お互いに認め合い、この居場所に安心感を覚えています。
誰かに必要とされているという想いは、社会の中で生きていく上で大切な気持ちです。
みんながみんなを見守り、助け合っていけるような、そんな地域子育てコミュニティに向けて、コツコツ続けていきたいと強く思います。
子ども食堂には大きな可能性があり、継続していくことで、SDGsが目指す「誰ひとり取り残さない」のスローガンに近づけるのではないかと考えています。
親と子が安心して人と社会とつながり、子育てができ、子どもたちが安心してすごせる居場所をこの街につくりたい。
現代の子育ては「孤育」と表され、〈子育て〉〈子育ち〉は親と子どもの問題ととらわれがちです。
モモの木は子どもを育てる親も、子どもたちも、地域の“宝物”としてみんなではぐくめる社会を目指します。
〈子育て〉はどうしても親の負担が大きいもの。 親子がほっと一息つける場所をひろばやカフェでつくります。
子育てって、大変!だからこそ、親子で楽しい時間を創りましょう。 親の笑顔は子どもの笑顔です。
〈子育ち〉は家や会社や学校ではない「第3の居場所」で、手作りのごはんをお腹いっぱい食べ、人と繋がり、学び、体験することで生きる力を育み子どもたちの健やかな成長を支援していきます。
9年前の設立当初からこの思いは変わっていません。
現在「モモの木」の拠点は2箇所です。
古民家を改装した「モモの木」百舌鳥店
それぞれの店舗では以下のような活動を行っています
「季節ごとの体験活動」
古民家を改築した百舌鳥店の裏庭にある畑での野菜の植え付けや収穫体験を行なっている。
また味噌作りやしめ縄作り・百舌鳥精進おせち作りなどを通して多世代交流の場を提供している。
<Instagramでは日々の活動報告やイベント情報を発信中!>
ワークショップや子育て講座など随時開催しています。ぜひチェックしてみて下さいね。
モモの木 @momonoki2016
おうちcafeモモ @ouchicafe_momo2022
NPO法人モモの木 HP:http://momonoki-sakai.org
<目標金額と資金の使い道>
目標金額 50,000円
今回寄付いただいたお金は、全て子ども食堂の運営費、材料費として使わせていただきます。
<スケジュール>
2022年9月3日 堺市キュレーションチャンネルにてクラウドファンディング開始
2022年10月31日 クラウドファンディング終了
2022年11月~ お礼のメール、賛助会員加入者へのお礼の手紙発送
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
※寄付型クラウドファンディングについて
「NPO法人モモの木」は非営利法人ですが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。
子ども食堂は「縦割り・横割り・年代割り」を排した、縦にも横にも割らない地域コミュニティづくりの拠点となっています。
「貧困・虐待」などの負のイメージではなく、地域の誰もが交流できる場 =誰一人取り残さない世界が実現できる場。
モモの木子ども食堂も「どの世代もが集える場作り」を目指しています。
みんなで流しそうめんや餅つきなどの楽しいイベント、地域のお兄ちゃんお姉ちゃんと勉強をしたり、地域のおばあちゃんにしめ縄を習ったり、紙芝居を読んでもらって、手作りのごはんでほっこりしたり...
そんなあれこれができる場と共に
ふと子育てでしんどくなった時
親子関係がうまくいかなかった時
1人で寂しさを抱える時はモモの木を思い出してほしいのです。
美味しくて、楽しくて、いつもだれかがそこにいてほっとできる場所。
また、役所まで相談していいか分からない困りごとを気軽に相談できる場としてもNPO法人モモの木は「子ども食堂」「子ども図書館」を存続させ、 継続的に支援を行うことを目指しています。
お近くの方は、ぜひ一度遊びに来てください。一緒に活動を支えていただけるボランティアの方も募集しています。
モモの木の想いに賛同いただけましたら、ぜひ「賛助会員」になっていただき応援いただけますと大変嬉しいです。
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