現在改修工事中の「小森商店」さん。プロジェクトのタイトルにもあるように「創業大正9年」ととても歴史あるお店で、地域のみなさんからは「お紺屋さん(おこうやさん)」という屋号で呼ばれ親しまれていました。大家さんの話では先代の方が農家が使う器具や雑貨などを長野県の諏訪から仕入れて、現在改修工事中の店舗と同じ建物で商売していたのが最初のようです。この写真が今の所手元にある一番古いものです。これを見ると現在の店舗の前側半分が増築であることがわかります。石垣は当時のままのようですね。そこからこんな感じで店舗部分が増築され今の広さになったと思われます。この後も増改築が色々あった形跡はそこら中で垣間見ることができます。この写真の頃にはかなり今の状態に近づいていますね。カラー写真になる頃には入り口や窓がアルミサッシに変わっています。昔ながらの商店といった感じですね。「ここでコーヒー屋をやりたい」と思った時に真っ先になんとかしたいと思ったのは、お店の入り口であり顔でもあるアルミサッシでした。大家さんから昔の写真を見せて頂いて以前は木のサッシだった様子を見て、その思いは確信に変わりました。「ここは木製のサッシがいい」そんな思いを抱えて改装工事のイメージを膨らませていました。店舗改装のために昨年補助金を二つ申請していたのですが、その一つが12月に採択が決まり年明けから具体的にどう工事していくか話が進んでいきました。担当してくれている大工さんは「甲斐の匠おだぎり」の小田切さん。この地域で人気の飲食店などを多数手がけている超信頼できるセンス抜群の大工さんです。「木製のサッシに全て変えたい」という希望を話すと、8枚の揃いで昔の木製サッシはなかなかないかもなーとの事で少し諦めながらも人づてに探していると、なんとみつかりました!しかも11枚セット!笑並べてみると、やっぱいいわ〜もう一つの補助金も3月に無事採択され、改修工事に必要な予算も確保できたところで少しずつ工事は進んでいきました。そして9月に入りついにこの木製の建具が店舗入り口のハマりました。グッドムード!!!これこれー!と言わんばかりのナイスマッチングです!昔の通称「ゆらゆらガラス」が醸し出す雰囲気がいいんですよね〜ただ、古い建具の場合は高さが大体170cmくらいなので、普通に使うには少し背が低いんです。そこはチーム・甲斐の匠、さすがです!まさに匠の技で建具に新材を器用に付け足し、現在でもストレスなく使用できる高さに大変身しました!付け足した部分は元の建具同様に色を塗る予定です。店舗の東側の小部屋(焙煎室になってる)のアルミサッシも同様に木製のものに変えてもらいました。というよりは「昔の姿に戻してもらった」の方が正しいかもしれません。こんな風にして時代を超えて元の姿を取り戻しながら、再び人の集まる場所にしていきたいという思いを込めながら店づくりを進めています。ただ昔の姿に戻すというわけではなく新しい時代の風を入れて、古いものと新しいものが正しく混ざり合うことでより魅力的な価値観が生まれるんだと思います。この土地と建物を大切にしてきた先人たちに敬意を示しつつ、僕らの時代なりの「あり方」を提案していけたらと思ってます。ということで、内装もお楽しみに!