ご支援いただきました皆様誠に有難うございます。本文中にも記載ありますようにTYPE CODEのA(ARMY陸軍)とN(NAVY海軍)が示すとおり陸、海軍で使用するために開発された時計でした。これは陸軍と海軍が共同で必要とする軍事物資であり議会で軍事予算を獲得しやすくするために国防省が考えだしたシステムとされています。特に戦時下の中物資不足の為に物の調達が困難であった事も背景にあります。腕時計だけでなく、フライドジャケット等陸海軍が共通に必要としたアイテムにはANの記号がしばしば見受けられます。陸軍にしろ海軍にしろ独自に予算が獲得できればそれに越した事がないので『AN』ものはあまり人気がありませんでした。そこには、各軍のライバル視が見受けられます。しかし、そのような『AN』ものの中でも腕時計のA-11と懐中時計のAN5740は例外で人気があったようです。ただ腕時計A-11(弊社復刻品販売中)に関しては海軍では違う番号(R88-W-800)と呼ばれており、ここに誇り高き海軍の意地を指摘する声も多いようです。AN5740はその中でもそのままの名前で両軍から人気のあった時計でした。それは高精度のナビゲーターウォッチとして大海原を進む船舶だけではなく専用のケースに入れられ戦車にも運ばれたからでしょう。そして陸軍航空隊や空母艦載機の飛行隊もハックウォッチであるAN5740が必要だったからです。
イギリス軍 陸海空軍に採用された不滅の名作時計ロイヤルアーミー W-10 を復刻CAMPFIREで現在支援を募集しております。↓↓https://camp-fire.jp/projects/view/6225941971年5月19日に発行された イギリスのミルスペックDefence Standerdによって生産された空軍兵士用腕時計ではRoyal Air Force 「6BB」海軍では「0052」そして陸軍ではW10という名称です。陸海空軍すべてに配給された事が使いやすさを物語っています。当時のトノーケースは金属塊をくり抜いて作られたものでWW1で初期の軍用型防水時計の発展型です。イギリス軍ミルスペックに則して(ダイヤルブラックに時間表示はボールド体のホワイト、アラビア文字)製作されたので製作会社による大きな違いありません。 しかし、そのなかでも文字版はフォントが太く視認性が高くデザインがかわいらしいデザインを選びました。是非覗いてみてください。https://camp-fire.jp/projects/view/622594
AN5740は24時間時計です。以前パイロットウォッチTYPE A-17aをMakuakeにて紹介させていただいた際にも「24時間時計パイロットウオッチが生まれた背景」をお伝えさせていただきました。今回も同じ内容をレポートさせていただき24時間時計に慣れしんでいただければと思います。24時間時計がパイロットナビゲーションウオッチが生まれた背景には、航空機の発達により夜でも雨でも出撃可能な全天候型戦闘機の出現もありますが、軍では一日24時間を通して2400式の時間呼称を使っている所にあります。午後1時であれば”1300時”というように午後12時以降は1200を足してを足す必要があり、暗算による、間違いや時間を把握するまでに時間がかかるリスクがともないました。そこで軍からの指令時間表示を直接ダイヤルから読める24時間表示のダイヤルを持つ時計が作られる事になりました。24時間時計を製作するにあたり1946年、アメリカ陸軍に属していた航空隊心理学チームでは、2400時間表示システムに慣れている現役軍人62人と数学に学ぶ高校生100人をを対象に、複数文字盤デザインによる視認性実験を行いました。12時間表示5種類と24時間時計6種類のデザインの時計の読み取りスピードと誤認率の比較検討をする為でした。航空隊心理学チーム実験結果を抜粋したものです。1.軍の時間表示システム(普通の12時間表示システムの生活の場合とは異なります)にとっては、12時間表示の最も優れたダイヤルに比べても24時間表示ダイヤルの方が、より早くより正確に時間を読み取る事ができる。2.12,3,6,9時と行った主要時間に数字ではなくドット・バー・マークだけ記しているダイヤルは時間の読み取り速さと正確さは低下する。3.12時間表示のダイヤルに午後の時間13〜24の時間数字を追加記載しても、軍の24時間表示システムによる読み取り作業を楽にする効果はなかった。4.24時の数字を真南(通常時計の6時位置)に持ってくる事は、真北(通常時計の12時位置)に24時配置したダイヤルよりもわずかだが優位性が認められた。しかし、真北に24時配置すると午後12時がダイヤルの真南に位置する事になり、こうする事で時計の短針が太陽が地球の周りを回っているかのように思える見かけの動きと同じ運針をする事になる。また、60分のメモリを真南に配置すると時間の読み取りの正確さを著しく低下させる。以上の事から2400式時間表示システムに最も優れたダイヤルとは、24時を真南に配置し、分目盛は1分間隔に入れる事が望ましい。時間目盛には全ての数字を入れ夜間時間である事を示す為にダイヤル半分に影をつける事が望ましいと結論されました。しかし、実際当該時計も含め24時が真南に位置する時計は製作が圧倒的に少ないようです。心理的な問題なのでしょうか。いずれにせよ24時間時計は航空機の発達と軍による2400時間表示システムに由来するようです。やはりミルスペックのプロダクトは目的がはっきりと明確化されているだけに優れたデザインと機能美の集約ですね。今後ともご支援の程、宜しくお願い申し上げます。
ご支援いただきました皆様誠に有難うございます。添付写真は製作会社であるハミルトンが実際に米軍に納品する為のパッキング工程説明になります。まず、ビニール袋に入れ保存した状態のナビゲーションウォッチAN5740をスズ箔(アルミ箔は不可)で包む。次に乾燥剤を入れクッション紙で包む。そして缶詰にします。その後、缶を熱してすぐに水につけ気泡がない事を確認します。気泡が出ないようであれば機密性に問題がなく出荷するといった工程です。それだけナビゲーションウォッチが作戦上大切なものかわかると同時に、軍モノは目的が明確なためどのような過酷な状況下でも、耐えうるパッキングを要した事がわかります。パッケージに於いては現代の時計とは大きく異なりますね。本当は安全に時計を運ぶのであれば今でもこの方法が良いのかもしれません。
ご支援いただきました皆様誠に有り難うございます。お陰様で目標金額を24時間で達成いたしました!このAN5740は元々ミリタリータイムピースなので、アウトドアやキャンプ等のシーンでマッチするのですが、腕時計として装着した際に意外と都会の街並みが似合うのが大きな良い誤算でした。革ベルトを標準に装備した事もあるかもしれません。腕時計になった時の完成度が圧倒的に高く。非常に評価が高いです。コロナも一時抑えられ人々と会う席も増えてきました。少し大きめなこの時計は目を引く事でしょう。ご友人はまさか懐中時計になるとも予想がつかないはず。