解決したい社会課題
皆さんは、実はこの日本においても中学校や高校に通えない環境の子どもたちがいるのをご存知でしょうか?
また、自らの居場所を見つけられずに彷徨っている子どもたちがいるのをご存知でしょうか?
人は自らの居場所を見つけられなければ、人との関わり方すら学ぶことができません。
彼らがいわゆる「普通の生活」を送るためには、まず「自分の居場所」だと思える場所を持つことが重要です。
このプロジェクトで実現したいこと
居場所を求めて彷徨う子どもたちの居場所となる養鶏場を作ります。
まだまだアルバイトもできない状況の子どもたちが家業の手伝い感覚で仕事に携わり、小さな命に触れ、愛情を学び、心の成長を図る場です。
そして、このプロジェクトをやろうと思ったきっかけである“ある少女”に、もっと「当たり前の経験」をして欲しいと思っています。
“ある少女”については後述しますが、バッグや財布を持たない彼女に買い与えようとしたとき、スマホを持つように勧めたとき、彼女は「もったいないから」と断ってしまうのです。
養鶏場での労働により賃金を得ることが、「当たり前の経験」への第一歩を踏み出す後押しになればと考えています。
プロジェクトをやろうと思った理由
なぜ養鶏場なのか。
それは“ある少女”との出会いと、その成長がきっかけです。
私たちはファミリーホームを運営しており、そこで彼女に出会いました。
ファミリーホームとは、里親のように児童を養育者の家庭に迎え入れて子育て、養育を行う家庭養護です。
厚生労働省が定めた第二種社会福祉事業で、「小規模住居型児童養育事業」を行う住居を「ファミリーホーム」と言います。
他にも細かな違いはありますが、里親が子どもを養育できる人数が最大4人なのに対し、ファミリーホームは最大6人まで養育できるという違いがあります。
児童養護施設にいた彼女ですが、様々な事情で退所となり、家に戻ることも出来ない中で私たちと出会いました。
私が初めて彼女に出会ったとき、彼女は服を2枚しか持っていませんでした。
家から服を持ってくることができる状況ではなかったのです。
彼女はどこに行っても誰とも話をせず、昼夜問わず徘徊し、警察に保護されて自宅へ戻り、そしてまた徘徊をするという生活を送っていました。
彼女が当時どういう状況にあったのか。
いくつかのエピソードをお話しします。
出会って最初のお正月、15歳で一人暮らししている彼女のため、同じ10代の子たちと一緒に私の家で過ごすことにしました。
しかし、彼女はその輪に上手く溶け込むことができません。
部屋でみんなで寝るように言っても、彼女はいつの間にかリビングに移動して寝てしまうのです。
3日目になってようやく部屋で寝ることができるようになり、10時間以上グッスリと寝ていたのを覚えています。
また、初めてアクセサリーを買ったとき。
きっと嬉しかったのでしょう、彼女は全てのアクセサリーを身に着けました。
しかし、それを見た誰かに「着けすぎじゃない?」と言われてしまいます。
彼女はまた徘徊を始めました。
私たちが「教えられた」と意識することなく知っていることでさえ、彼女は知る機会がなく育ってきていたようです。
社会の風に当たり出した彼女は、人との関わり方や温度差を感じ、そこから人に他する恐怖や安心感、好意や憎悪といった様々な感情を感じ取っていきました。
しかし、まだ自らを表現する術を多くは持っていません。
素直に伝えることができない感情は、どうしても意に反する言葉を使ってしまい、本当に言いたいこと、したいことを伝えることができないのです。
そうして問題を起こしてしまい、また人との関わりが少なくなっていってしまいます。
そんなとき、ある転機が訪れます。
私が友人から譲り受けた鶏を飼い始めたところ、気づけば彼女がいつも鶏小屋のそばにいるようになりました。
特に何をするわけでもなく、じっと鶏たちを観察しているだけ。
しかし、彼女は自分の居場所を見つけたようでした。
毎日エサをあげ、水をやり、じっと観察。
時々忘れることもありましたが、アドバイスにも素直に耳を傾けてお世話をしてくれます。
卵が採取できるようになると、毎日の観察も念入りになりました。
休日は携帯も持たず、時間を持て余している彼女に有精卵を渡してみました。
言われたことに気をつけながら、じっくりと見守り続けたのでしょう。
21日後、見事に孵化しました。
私が部屋に行ったとき、彼女は予定日をメモし、しっかりと準備をしていました。
鶏のお世話を通じて人との関わりが増えたことで、以前とは表情も変わっていきました。
何か思うことがあったときは鶏小屋へ行き、そこで自分で考えを整理する時間を持つようになり、感情を爆発させることも少なくなっています。
あるとき、彼女が小屋の扉を閉め忘れたことで、鶏がイタチに襲われてしまったことがありました。
彼女はその原因が自分にあることをしっかりと自覚し、1日しっかりと考えたのでしょう。
その日から、自分の機嫌がどんなに悪くても、何かに当たったり、何かのせいにすることがなくなったのです。
彼女は、鶏の世話を通じて他者とのコミュニケーションを学び、鶏の生死に触れて責任と喜びを学んでいます。
この「居場所」を守り、そして彼女と同じような状況にある子どもたちを1人でも多く受け入れられる場所にしていきたいです。
これまでの活動
現在は飯塚市にある八木山の一画に小さな鶏小屋を建てて飼育しています。
「平飼い」と呼ばれる放し飼いに近い養鶏法です。
通常「平飼い」は土間で行われますが、山の斜面という自然に近い環境で育てています。
しかし、元々はけもの道すらない場所です。
整備された道もないため、今は手作りで階段を作ったりしています。
また、柵も簡易的なもので扉もなく、足場の悪い斜面にある柵を跨いで入る必要があり、人にとっても鶏にとっても安全とは言えない環境というのが正直なところです。
1人でも多くの子どもたちを受け入れる場所づくりとして、まずは100羽の養鶏場を目指します。
それにあたり、土地の買い足しと、きちんとした柵の設置や道の整備などが必要です。
資金の使い道
●土地代:300,000円
●整備費:700,000円(鶏小屋周辺の柵工事費400,000円/水回り工事200,000円/階段製作費(材料費)100,000円)
[合計]1,000,000円
実施スケジュール
2022年12月31日 プロジェクト終了
2023年1月下旬 土地整備完了
2023年2月上旬 リターン発送開始
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
リターン
ご寄付くださった皆様へ、当プロジェクトを行うきっかけとなった“ある少女”よりお礼のお手紙と活動報告をお送りいたします。
最新の活動報告
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2023/03/06 13:42こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
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