2022/11/11 19:35

2021年4月に、定期借地契約の期限切れまでに移転先が見つからないまま、道場所在地を失いました…

まだコロナの感染拡大基調に左右され、営業を行わない時期も多く、同時に長期化により会員数は徐々に減少していく流れ。

とはいえ、この頃でも明確に道場の方針を支持してくれる沢山のメンバー(会員さん)がいてくれたことは、本当に心強かった。そんな人たちのために、とにかく何か出来ることを提供し続ける努力は怠りませんでした。

その中での苦肉の策が、公共施設や施設の道場やジムを間借りし臨時で行う「NOMAD道場」。

とにかく利用する時間を確保するのが難しく、特に公共施設はまず4か月先の予約のための抽選から始まり、希望日時を一か月の内で20日分x4投票(団体登録人数により投票券が4つもらえていた)に対し、平均たったの2~3件の当選確率でした。それがさらに緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によりせっかく予約してもいざ待ちに待った4か月後になってみたらキャンセルになってしまうことも頻繁にありました。
他の利用者との競合を避ければ抽選での当選確率は上がるものの、利用開始・終了時間が早すぎるか遅すぎるため、実質借りるても誰も参加出来ないので意味がない…。
あのストレスは、普通の環境ではまずあり得ないもので、そもそもNOMAD道場でなく固定の道場さえあれば存在しないストレスでした。
その間も、いくつかの新物件が現れては、希望に一致する物件は一つもなく、さらにストレスは高まるばかりです。

そんな流浪のNOMAD道場での7か月間を経て、遂に探していた錦糸町の前道場から徒歩5分と近い物件が現れたのです。
実はこの物件は、入居したいけれども、敷地面積の割には室内の壁による区切りが道場の命のマットスペースを狭くしてしまう事務所の作りのため、とにかく広い練習スペースを重視する自分にとっては割高なスペースという見え方でした。それでも、7か月(否、前物件退去以前の3年間だってずっとずっと移転先を探していたのですが、当時のインバウンド旅行者景気と東京オリンピック景気で3道場物件として探す30坪以上の物件の家賃がどんどん上昇していたばかりか、そもそも広い物件が錦糸町エリアには見つからない状況でした)の苦痛の日々のなかで現れた唯一の希望に近い物件であり、熟考の末、いつかは分からないし、来ないかもしれないけれども、それでもアフターコロナの日がやってくるという希望に賭け、厳しい環境ではあるけれども飛び込むことに決めました。

物件が現れてからかなり短い時間で契約を締結後、実際の入居は2022年新年明け早々。物件登場からたった半月。入居はしたものの、まだまだコロナ第6波の影響下、きちんとした新規会員募集は早々と判断し、現メンバー向けに限定しひっそり営業を続ける選択をしていました。新規会員を募集しないということは、売上は長期化するごとに毎月、一人、また一人と減少する中で、極力コストを抑えての運営を続けていました。

旧道場にはシャワーが2基。ただ、コロナパンデミックが発生した当初に使用を禁止としました。理想を言えば、練習後にシャワーを利用することで個々の感染リスクは低減できるのですが、不特定多数がシャワーを利用する際に唾液など吐き出すことが容易に想像できるため、運営するスタッフ(当時私ともう一人の2名)のシャワー室清掃の際に生じる感染リスクを排除するためでした。

とはいえ、シャワー利用停止は、何よりも自分にとってもつらかったです。それがさらに物件退去となり、練習後は自宅に帰るまではシャワー無しというのも、コロナ禍においては不安を募らせる一つの経験でした。

新物件を初めて内覧した時の懸念は、シャワー室を設置するために、室内の壁を壊し再構築しなければならない作りでした。いや、それどころか、この大家さんは電気工事の会社で、賃貸に出す前は実はシャワー室が設置してあったのに、事務所として賃貸に出すためにわざわざトイレへと改装して河岸に出していたのです…。本当にガッカリの情報でした。

そして、入居にあたり、壁の取り壊しに加えてシャワー設置、また将来退去時の原状回復まで考えると、非常にコストのかかる決定となるのは明らかで、その覚悟と準備ができませんでした。


時は流れ、シャワーもなく必要最小限の設備と共に、現存するメンバーだけで運営を続けた行く中で、コロナの時代を突き抜けたアフターコロナの時代に飛び込むタイミングが来るのを日々待ち構えていました。

道場主として、常識的に海外渡航が出来るかどうかが大きな分かれ目でした。
今こそ!と判断したのは5月末。
ホイス・グレイシー柔術ネットワークの契約締結に加え、インストラクター資格を得るために米国カリフォルニアへの遠征を敢行、1週間のトレーニングを経て、無事合格しインストラクター資格を得て帰国。その日からが新道場を再興させるために、あらゆる投資をする覚悟を決めた時でもありました。


それまではあくまで想定でしかなかった内装デザインの相談開始、デザインを練る以前に施工業者の選別や、新道場でどんな新しいサービスを提供するのか、色々考えながら、実に莫大なエネルギーを必要とする日々がここから始まったのでした。


実際の工事が始まったのは、旧道場の創立記念万18周年を過ぎた9月に入ってから。

日々、少しずつ変わりゆく道場の景色は、オーナーにとっては楽しみであり、また利用するメンバーの皆さんにとっても以前よりもアップグレードとなるため、毎日が前向きになる日々でありました。

なお、あらたな設備として、これは利用者にはあくまで間接的なメリットになりますが、レンタル胴着サービスも再開します!
重たい胴着を持ってこないで済む、ばかりか汗を含んださらに重たい胴着を持って帰り、なおかつ深夜に近い時間帯に家族やご近所に配慮しながらコッソリ洗濯するあの罪悪感…

レンタル胴着を利用すれば、その悩みは解決!

その為に、12キロ洗える大きな洗濯機に、スッキリ乾くガス乾燥機「乾太くん8㎏」を導入しました!

手ぶらで道場に来て練習して、汗をたくさん書いて、練習後に浴びるシャワーって、本当にいいもんですよね!!


ホイス・グレイシー柔術アカデミー東京

代表 Max Masuzawa