2022/12/29 15:18

A.Dupré はインドの伝統的な手しごとを活かした商品づくりをしています。私たちの目は機械で作られたものに見慣れており、クリアなプリントや寸分の狂いもないパーフェクトなものを求めています。しかし、インドで作られる手仕事にはズレやヨレ、手の動きからくる揺らぎなど独特で、一つ一つ表情が異なり、同じものは一つとしてありません。

パターンや仕様書はミリ単位の設計図であり、縫製もミシンを使い機械的、作業的要素が強く、洋服には建築のような整然としたソリッドな要素があります。しかし、布は不定形で動きがあるものゆえの偶然性が垣間見える点が有機的で複雑な美しさを生みます。洋服は人の身体や動きに委ねることが大部分を占め、重力とともに変化する自由さ軽やかさや浮遊感こそが造形の魅力です。そんな必然と偶然、均一なもの、非均一なもの、必然的に作られたものの中に偶然性が宿ることが手仕事の魅力です。必然性と偶然性を混ぜ合わせてふたつを超越したパルマコン的なものを作り出すことが現代的な洋服の提案であるのではないかと私たちは考えます。一見ネガティブな要素をどううまく強みにしていくのかはもっともっと試行錯誤が必要ですが、素朴な表情を持つ生地がA.Dupréのチャームポイントになっています


A.Dupré では下記のようなインドの伝統的な手仕事を取り入れています。

・ブロックプリント

ジャイプールの伝統技法で木版に緻密な柄を手彫りで施し、手作業で版を捺していくプリント技法。約20センチ四方のローズウッドを使用。細かい柄を何メートルも綺麗に捺していくのは根気と緊張感のいる仕事です。柄の重なった部分が濃くなったり、インクの付き具合で掠れたり、表情の違いに奥行きやあたたかみがあります。

ブロックプリントの染料には建染染料を使用しています。プリントしても生地の質感が損なわれないのが特徴です。ザクロの花とアローム石で作られた赤色です。色定着には有機化学物質を使用。

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