こんにちは、ぷちパリです。前回は「糸かがり綴じ」の製作工程をご紹介いたしました。機械作業でも、糸の素材の選定や、糸の張り具合など、人の経験が必要とされる繊細な作業も多く、意外に感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか?今回は、最終「仕上げ」工程をご紹介いたします。こちらは絵本『大丈夫 大丈夫!』ハードカバーです。表紙を印刷した後、表面に透明のフィルムを貼り付けて、厚手のボール紙(板紙)に貼り合わせます。裏側のねずみ色の部分がボール紙(板紙)です。普段目にする機会が少ない絵本の内側です。できあがったハードカバーは、シルバーの箔押し加工を施され、装飾をされることで、生き生きとした1冊となっていきます。実際箔押しに使われた銅製の版型薄くてデリケートな銀箔そして、綴じの工程を終えた本文にハードカバーをくるんで「絵本」が完成します。今回は、製作工程がわかりやすいように、小ロットの製作工程をご紹介いたします。こちらは「表紙くるみ機」と呼ばれる、本文に表紙を貼り合わせる機械です。先頭・最終ページにローラーで糊付けされた本文に表紙を貼り合わせます。本文の厚さや表紙の硬さを考慮して、押さえながら包まなければならない、コツのいる作業です。続いて、糊付けの固定と、表紙の反り返りを防ぐためプレスします。プレスを終えた2冊の絵本です。この2冊には、微妙な違いがあります。実は下の絵本には、本が開きやすくする「溝」が付けられています。この溝付け作業を「いちょう付け」といいます。偶然にも表紙の「いちょう並木」と同じですね。こちらも、経験が物を言う「強すぎず、弱すぎず」の絶妙な力で筋を付けていきます。絵本製作は、大部分を機械作業で行っていますが、全てが自動的にできるわけではありません。機械でできない部分をフォローしながら、1冊ずつ心を込めて作っています。
工場見学 の付いた活動報告
こんにちは、ぷちパリです。前回はJETPRESS750を使用した、超高精細デジタル印刷での工程をご紹介いたしました。JETPRESS750はインクジェット方式で印刷するプリンタですが、普段私達が想像する「インクジェットプリンタ」とは大分違ったものだったのではないでしょうか?今回は「糸かがり綴じ」の製作過程をご紹介いたします。はじめに、JETPRESS750で印刷された絵本の原稿をページ順に折って重ね「折丁」を作ります。『大丈夫 大丈夫!』は、40ページを5つの「折丁」で構成されています。そしてこちらが、糸を使って本文を縫い合わせる「糸かがり綴じ機」です。本文のページを1冊にまとめ、この機械を使って綴じていきます。本の大きさやページ数、厚みなどに合わせて、糸の素材やピッチを決定します。折丁をページでの順番にセットしていきます。折丁の順番を間違えないよう、長年の経験があっても「毎回慎重に数えながら作業をしている」と話します。『大丈夫 大丈夫!』で使用したのは木綿糸です。とても丈夫な糸ですが、綴じた部分に膨らみが出てしまいます。そこでこちらの「圧搾機」を使い、背の部分を中心にプレスをかけて膨らみをならしていきます。この後、まわりの白部分や、袋閉じ部分を断裁して「本文」が完成します。