2022/12/11 17:41

こんばんは、プロデューサー/監督の髙嶺(たかね)です。皆さまの温かいご支援に心より感謝申し上げます。

クラウドファンディングも残すところあと2日となりました。最後の返礼品のご紹介は「ディナープラン」です。こちらを選んでいただいた方には、これまでご紹介した全ての返礼品に加えて、オシャレなレストランでのお食事(15000円相当)をプレゼントいたします。お食事には監督と水墨画アートディレクターの細川祥さんもご一緒させていただきます。せっかくですのでその日はディナーのみならず、昼間から観光をしたり食べ歩きしたり、楽しい1日にできればと思っています。Kickstarterさんのほうは売り切れですが、CAMPFIREさんには在庫が2つ残っております。興味がある方はご検討いだたけるとうれしいです。

ちなみに「ディナープラン」のイメージ画像は昨日、細川さんが描いてくださいました。今日は少し、細川さんとの思い出をしたためたいと思います。

細川さんは京都にお住まいの水墨画家さんです。彼の水墨画YouTubeチャンネル「つらら庵」には2万人ものフォロワーさんがいます。

そんな彼に初めてごあいさつしたのは2020年の11月でした。当時、僕は自力で作中の水墨画を描けないか模索していて、ネットで水墨画の描き方を検索しては練習する日々を送っていました。そのとき、いつも検索結果のトップに出てきたのが細川さんのYouTubeでした。梅や桜、富士山、年賀状の牛などなどいろんな水墨画の描き方を学びましたが、いくら練習しても彼と僕の水墨画では月とすっぽん。アマゾンで筆もすずりもそろえて半紙も1500枚ほど買い、床一面が半紙だらけになるぐらい毎日練習しましたが、1つとして満足行くものは描けませんでした。


自分がもっとも練習したのがこの富士山でした(7:49~)。筆の先端と腹を巧みに使って描く美しい線に惚れ込んだものの、自分はその線を1つも再現できず、かなり落ち込みました。自分で描くのはあきらめて、彼にご依頼してみたいという気持ちが芽生えたのはこのころでした。

でも正直、不安がなかったわけではありません。彼がどんな人かも、自分と合うかどうかもわからない。しかし彼がチームに入ってくれたら間違いなく、この作品は素晴らしいものになるという確信がありました。その夜から、自分は彼のYouTubeライブを拝見するようになりました。ライブにはたくさんのファンの方々がおられて、細川さんと楽しそうにおしゃべりしてらっしゃいました。その平和で和やかな様子を見ているうちに、自分の中の不安が薄れていくのがわかりました。ここまでたくさんの皆さんに愛されている彼なら、きっと素敵な人に違いない。この方に連絡して、ご依頼してみようと決意しました。

そして思った通り、彼は気さくで思いやりのある、愛らしい人でした。実際に制作が始まると、僕たちは毎日のように作品のことやお互いのことを語り合い、いつしか仕事上の仲間という関係だけではなく、大事な友人のようになっていきました。そんな彼のことをいっそう好きになったのは、彼が初めて東京にこられたときのことでした。

当時、自分はクラウドファンディング用のキャンペーン動画の撮影を企画していて、そこに彼にも出ていただくことになりました。


しかし彼にとっては初めての東京。しかもキャンペーン動画ではきれいなモデルさんとご一緒するということで、撮影が近づくにつれて彼は明らかに緊張し始めました。YouTubeのライブでも何度もため息をついたり、こわばった顔を見せるようになりました。自分はその姿をかわいらしく思うと同時に、やっぱり行かないと言われてしまうことも覚悟しました。

ですが彼は勇ましく東京にこられて、堂々とキャンペーン動画を収録し、トミコ・クレアさんとの水墨画教室を完璧にやり遂げてくださいました。

この水墨画教室には台本があると思われる方も多いのですが、実はそのようなものはありません。厳密に言うと「トミコさんが簡単な水墨画に挑戦。ドッキリあり。16:30には終わらせたい」と書かれたメモがあっただけでした。その上、リハーサルもなしのぶっつけ本番だったのですが、彼は一度も噛むことも立ち止まることもなく、手練れのようにスムーズに進行してくださいました。その姿に、自分はカメラの後ろで感動しっぱなしでした。緊張とプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、トミコさんの隣で見事なパフォーマンスを披露する彼が、逆境の大舞台で力を発揮するサッカー日本代表・堂安さんのように輝いて見えました。

無事に撮影が終わり、新横浜でビールを飲んだ夜。新幹線の改札前で、僕たちは力いっぱいハグしました。素敵なキャンペーン動画と、かけがえのない頼もしい存在ができた日。あのとき、Operation ONIは間違いなく一段上のステージに登りました。

その後も彼は土壇場での勝負強さを発揮して、Operation ONIのクオリティを何段階も上げてくださいました。そして自分が困ったときは、率先して相談に乗ってくれました。お互いに励まし合い、刺激し合ってきた2年間でした。彼がいなければ、ここまでこられませんでした。彼がいなければ、クラウドファンディング前に企画自体が消滅していた可能性もありました。それぐらい自分にとって、彼の存在は大きなものでした。

細川さん、本当にありがとうございます。そしてこれからも末永くよろしくお願いします。オシャレなディナーを楽しませていただき、素晴らしい映画を作って、最高のレッドカーペットを歩きましょう。

髙嶺