フレンチ出身でラーメン屋経営、インドネシアでもラーメン店を経営したこともあるという少し変わった経歴があります。現在は、紀州鴨を素材にしたつけ麺・ラーメンの店「麺麓」「Gion Duck Noodle」や、紀州鴨ひつまぶしの店「Gion Duck Rice」、手包みで楽しむフルーツ大福の店「自分で包むフルーツ大福 包華堂」を経営しています。
このたび、中京区新町六角にあり、国登録有形文化財である、久保家住宅(旧今尾景年家住宅)にて、花わらび餅の店「麓寿庵」を手掛けることになりました。友禅の染屋の家に生まれ、色彩豊かな花鳥画を得意とした今尾景年が晩年を過ごした、とても美しい造りの邸宅です。
開業にあたり修繕計画をすすめていますが...
近年の建材高騰、特に木材の高騰がすさまじく、みるみるうちに物価も高くなり、施工費が賄いきれません。そこで、この挑戦を皆様に少しでも応援して頂きたく、プロジェクトを立ち上げました。
久保家住宅(旧今尾景年家住宅)の全体修繕には、邸宅内だけでなく、庭にも降りて楽しんでもらえるよう、庭の整備も含まれています。一般的な住宅設備等の建築会社ではなく、古民家再生を専門とする建築会社に修繕を依頼し、伝統ある姿はそのままに、お客様が安全に快適にくつろいで過ごせる空間にしたいと考えています。伝統的でありつつ親しめる地域遺産とするため、誰もが愛でて楽しめる場所として花わらび餅のお店「麓寿庵」をひらき、文化の継承・地域活性につなげていきたいのです。
四条烏丸からすこし西へ入った、六角通に南面する敷地の中央部に建つ、久保家住宅は、良材を用いた品格ある近代和風住宅の好例として、登録有形文化財に登録されました。同じ街区の、北側には大西清右衛門、東側には無名舍吉田家があり、京都洛中のど真ん中に位置します。明治期に日本画会で活躍した今尾景年(いまおけいねん)の自宅として、この数寄屋造りの邸宅は、大正3年(1914)に建築されました。随所に造りの美しさが感じられ、特に、大徳寺 三玄院の松雲老師より「捉月」(そくげつ)と命名された茶室は、床が桐一枚板、瘤が印象的なエゴノキの床柱は大正天皇より下賜された特別なお部屋です。苔がむす、しっとりとした佇まいの庭も素晴らしく、枯山水の庭にある手水鉢(蹲踞)は羅生門の礎石であったといわれています。その奥にあるコケに覆われた灯籠は、平安時代のものと言われています。室町時代の燈籠もあり、存在そのものがまるで美術館です。
新しくて便利なものがいくらでも生み出される今の時代に、わざわざ古くて手間暇のかかるものをお金をかけてまで修復することに何の意味があるのだろうと思う人もいるでしょう。でも幾年月を経たものは、すぐにはつながりを見出せないだけで、確かに今の時代に、今の自分に結びついています。また、正義感や公正さを重んじる心,他人を思いやる心などは文化を大切にする環境の中で培われます。文化と伝統を身近に感じ、自らも今ここで育んでいると実感する手立てのひとつに、最も身近な行為である食がある、と考えています。僕ができる食の場作りによって、文化財の活用に取り組みたいと思いました。
平成31年4月に改正された文化財保護法によって、これまで保存の意味合いが強かった同法は、文化財を活用しながら保存する方向へと舵を切っています。これは、所有者が維持・管理の厳しさに直面するケースや、行政が所有する文化財の増加で、維持・管理をまかなえず空き家のまま放置されるケースを回避する策であり、貴重な建造物を取り壊して新しくビルや商業施設などに建て替えるケースへの対策でもあります。久保家住宅も、営んでいた懐石料理のお店がコロナ禍で閉店となった後、次の担い手がいませんでした。花わらび餅のお店は、敷居が高くなく、たくさんの人が訪れることができます。食する時間がそのまま滞在時間となり、寛ぐうちに場所に慣れ親しんでいけると考えます。文化財自身の魅力発信も精力的に行い、皆に愛され、親しまれる場所として、地域の賑わいに貢献していきます。
5年1月上旬 物件契約完了
5年1月上旬 保健所の審査
5年1月下旬 クラウドファンディング終了
2月上旬 HP開設
2月上旬 支援者返礼品発送
2月上旬 支援者返礼品、招待開始
というスケジュールで進めていきます。
僕はこの事業を通じて、久保家住宅(旧今尾景年家住宅)を単なる観光資源ではなく、若い世代にとって気づきとなり、親近感をもって地域と共に大切にしていける場所として育んでいきたいと考えています。1人でも多く共感していただける仲間ができることを願っています。皆様、なにとぞよろしくお願いいたします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
2500円のプランは花わらび餅となっていますが、鴨粥の間違いでしょうか?