2023/04/07 19:56
彦根エコーオーケストラのクラウドファンディングも終了まであと…4時間!
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今日は4月28日の定期演奏会に演奏します、モーツァルトのホルン協奏曲第1番について彦根エコーオケ代表兼ソリストの大森がお話します。

今回、モーツァルトのホルン協奏曲第1番のソロで使われるのはナチュラルホルンと呼ばれる楽器(写真右側)です。
現在一般的に使われるホルン(写真左側。ナチュラルホルンに対して、モダンホルンと呼ばれることもあります)とは異なり、左手で操作するキーがなく、非常にシンプルな形です。楽器本体とマウスピースの間にクルークと呼ばれる短い管が挟まれます。
クルークは長さの異なる管が何種類もあり、演奏する作品の調性に合わせて適切な長さの管をその都度付け替えて演奏します。
今回演奏するモーツァルトのホルン協奏曲はニ長調の作品なので、ニ長調用の長さの管(D管)を使います。

ナチュラルホルンでは本来、出せる音が限られていました。自然倍音列と呼ばれる種類の音です(楽譜参照)。

高音域では比較的多くの音を出せたものの、中低音域では音階すら作れないものでした。
18世紀中頃になると、ホルンのベルの中に右手を入れ、開口部を開けたり塞いだりすることによって、中高音域では比較的自由に半音階でも演奏できることが見出され、この演奏方法が広まっていきます。
ただし、右手を塞いだときの音はくぐもった感じであったり、時には金属的な音色となったりします。
モーツァルトはこの音色のムラを逆手にとり、第一楽章の最初のメロディでは主に開放的で伸びやかな音を多用し、緊張感のある場面では金属的な音を用いたり…と、ホルンをたいへん表現力のある楽器として用いることに成功しました。


現代のホルンでは全ての音を均一に鳴らすことが可能なので、非常に流麗な演奏が可能なのですが、モーツァルトが狙ったナチュラルホルンでの多彩な音色の変化は失われてしまったともいえます。
4月28日はナチュラルホルンならではの豊かな表現をお楽しみいただきたいと思います!