2021年3月17日、札幌地方裁判所は、同性婚を認めない今の民法・戸籍法は、法の下の平等を定める憲法14条1項に違反するという画期的な判決を言い渡しました。2019年に全国5都市で提訴した「結婚の自由をすべての人に」訴訟の初めての判決であるとともに、同性婚に関する日本で初めての違憲判決にもなりました。裁判所の前には、さっぽろレインボープライド実行委員会の皆さんにも駆けつけていただき、レインボーフラッグが青空に舞いました。その光景は、日本のみならず、世界中のメディアに取り上げられました。
そして札幌から始まった違憲判決の波は、東京、名古屋、そして福岡にも広がりました。5つの裁判所の判決のうち、4つの裁判所で、同性カップルが家族になるための制度がないことは憲法違反であるとの判決が下りました。裁判所が憲法違反の判決を下すことはめったになく、ここまで違憲判決が相次ぐことは、極めて異例なことです。このことは、同性婚が認められないことが、性的マイノリティの権利を侵害し、その尊厳を傷つけていることが、誰の目からみても明白であることを示しています。
私自身も、この裁判の弁護団の一員であるとともに、ゲイの一当事者でもあります。札幌でのパレードは、レインボーマーチ札幌の時代から参加しています。また、2016年には、札幌市でパートナーシップ制度を実現するために、「ドメスティックパートナーシップ札幌」という団体を設立して活動し、2017年6月に、日本の政令指定都市で初めてパートナーシップ制度が導入されるに至りました。
プライドパレードは東京に次いで全国2番目に始まり、パートナーシップ制度は政令指定都市で初めて導入され、そして全国で初めて同性婚を認めない現行法を違憲とする判決が出る、それが札幌という街です。札幌のLGBTQコミュニティの持つパワーが、全国に先駆けた成果を生んでいるのです。
今年の9月、さっぽろレインボープライドで、どんな新しい動きが生まれるのか、とても楽しみにしています。今年こそ、色とりどりの風船を飛ばせますように…。
私は、さっぽろレインボープライドを、全力で応援します!
加 藤 丈 晴