私ども株式会社タグボートは国内最大手のオンラインギャラリーを運営する会社です。
日本ではじめてインターネットで現代アートを売ることを始めたパイオニアでもあります。
タグボートはネット上で現代アートを販売するだけにとどまらず、現在は若手アーティスト支援のために様々な活動をしております。
今回は、アーティスト28名を率いて台湾をはじめアジアのアート市場になぐり込みをかけるために、クラウドファンディングを利用することになりました。
展覧会を開催する場所は台湾にある台中市という街です。
台中市は現在、高雄市を抜いて台湾第二の人口280万人もいる経済成長のめざましい大都市です。
1988年に台中市に国立台湾美術館が開館して以来、アジアン・アート・ビエンナーレが6回開催されたほか、2013年から毎年Art Taichungというアートフェアが開催される芸術都市でもあります。
そういった場所においてタグボートは、この地において日本のアートシーンのムーブメントを創っていきたいと思いました。
実は昨年末から今年7月に新しく設立される台中大里藝術廣場(台中大里アートセンター)より、こけら落としとなる大規模展覧会のオファーがタグボートに来たからなのです。
【台中市はこんな街並み】
【今回の舞台となる台中大里アートセンター】
今回の展覧会は「TOKYO ILLUSION」というテーマにしました。
日本のアートが得意としているのは緻密な技術と幻想的なイメージ、つまりILLUSIONです。
このイメージを全面に出しつつ、最も新しくてカッコイイ日本のアートを見せていくには、やはり「TOKYO」という最も知られた大都市を冠としていくのがベストだと思ったからです。
今回の展示は、ペインティングや写真、立体といったものだけでなく、インスタレーション、プロジェクションム―ビー、ライブペインティング・パフォーマンスなど、あらゆる技法の作品を見せることで、日本のアートのトレンドとバラエティの豊かさを前面に出していきたいと思っています。
展示では、タグボートがとことんまで考えて選び抜いた28名の若手アーティストに参加してもらい、いずれも今回の展覧会のために新作を作ってもらいました。
空間はやや薄暗いトーンの中でライトアップしたより幻想的な雰囲気を味わえるイメージを作っていきます。
さらにTokyo Illusionは単に展示された作品を見せるだけでなく、気に入った作品を実際に購入することができるアートフェア型の展覧会とすることでパワーアップしていきます。
【伊藤咲穂と足立篤史のインスタレーション】
今回は台中市内のソフトウェアパークの中で新設される大里アートセンターが展示会場となります。
大里アートセンターにある約1,900㎡の広々としたしたホールはアートを展示する空間としては完璧であり、ここで二カ月にわたる長期の展覧会を開催することができるのです。
【プレーオープンでの展示風景】
【今年3月時での建設中の展示ホール】
実はタグボートは、今回の展覧会開催に際して先方の台中側との交渉において苦しみました。
当初は両者で分け合う予定の入場料収入と作品販売の手数料を全て台中のアートセンター側の収益として渡すという条件でしか開催ができなくなったのです。
また現場での展示作業が必要ゆえ、アーティストに台湾に来てもらわねばならず、その渡航費用についてもタグボート側で負担しなければなりません。
さらには、作品の台中までの配送費用についても、往復費用の半額をタグボートが負担しろとまで言われております。
このような厳しい現状では、開催前の段階ですでにタグボートは赤字が確定となってしまいます。
しかし、今回はたとえ赤字であっても台中での展覧会をどうしても予定通り開催したいと思い、開催を決意しました。
というのは、台中での展覧会を一度きりの海外展示に終わらせるのではなく、これを糧に今後は中国全土での同規模の展開に繋げていきたいと強く思ったからなのです。
以上が少しでも赤字を軽減させるために、クラウドファンディングで資金を集めたいと考えた理由です。
【神田さおりのライブペインティング】
【塩見真由のアルミ箔を使った作品】
今回の展覧会のプロジェクトにかかるコストは合計で200万円となりますが、そのうちクラウドファンディングで資金をお願いしたいのは以下の運送費とアーティストの渡航費となる124.5万円です。
【プロジェクトにかかる総コスト】
1)台中から日本までの作品配送費 : 795,000円 (20フィート・コンテナの荷役料、船積み費用)
2)アーティストの渡航費 : 450,000円 (LCC航空券 成田ー台北の往復)3万円 × 15人
3)ウェブ広告費 : 240,000円
4)タグボート旅費(2名) : 185,000円 (LCC往復 +5泊)
5)その他諸経費 : 50,000円 フロアプラン作成
6)ウェブサイトの中国語翻訳 : 80,000円
7)現地での通訳雇用など諸経費 : 40,000円
8)カタログ制作費 : 160,000円
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合計 2,000,000円
上記のうち、 1)2)の小計 1,245,000円
+CAMPFIRE手数料 17%(決済手数料含む): 255,000円
支援依頼する合計 1,500,000円
以上150万円をクラウドファンディングにて資金を集めたいと思います。
今回のリターンはすべて出展するアーティストからのご協力でアート作品として出品してもらうことになりました。
なんと、アーティストからは実際に販売している作品よりも20%-30%ほど安い価格で提供してもらっておりますので、かなりお得な価格で作品をゲットできるチャンスです。
リターンとしてアート作品を支援して頂いた場合、その支援額のうち手数料を引いた40%をアーティストに制作費としてお支払いし、タグボートは残りの60%を受け取ることとなります。
従い、仮に150万円満額の支援を手にした場合に、タグボートの実際の受け取り額はCAMPFIREの手数料を除くと、約半額の74.7万円となります。
リターンの制作費を手にしたアーティストは今回の渡航費だけでなく、宿泊費まで手にすることができればありがたいと思いますし、励みになることは間違いありません。
今回、リターン作品に協力してくれた15名のアーティストのプロフィールは以下の通りとなります。
足立篤史 Atsushi Adachi
足立篤史が作品を制作するにあたり、コンセプトの土台としているのは「記憶を記録すること。」
主に古い新聞記事を素材に、それまで人間が経験した遠い昔の記憶の中にあるモノを今の時代に表現しようと試みている。
すでにこの世にはない戦艦や軍用機が掲載されていた時代の古い新聞や資料を使いながら、歴史的背景や形跡を知ることで、昔の技術者がどのように作っていたのかを記憶を追うように思い描きながら作品を作っている。
塩見真由 Mayu Shiomi
アルミ箔のもつ素材感を活かしたアーティスト、塩見真由は2016年に愛知県立芸術大学の大学院博士前期課程を修了し、現在はアーティストとして自立するための新しい舞台に立っている。アニメやそのキャラクター、おかしやたばこのパッケージ、履き古したブーツといった我々の身のまわりに溢れているサブカルチャーや既製品をモチーフに、それらの先入観やイメージをひっくり返す、様々な世界の見方の可能性を表現している。
曄田依子 Yoriko Youda
現代アジアに混在する華やかで艶やかな文化や伝統を、現代の視線を取り混ぜて視覚化した作品は、和紙に透明水彩で描かれたものや、装丁・挿画、立体作品、ファッションアイテムまで幅広い形態に展開されており、国内外で高い人気を誇る。
上床加奈 Kana Uwatoko
まだ若くアーティストとしての対外的な展示などもほぼ初めてといった新人ながら、その圧倒的な構図のうまさと線の描写の確かさは同世代のアーティストの中でも群を抜く。
極めて日本的なモチーフで描いているが、そこには震災を意味するなどコンセプチュアルな表現を巧みに作品の中に入れている。
榊貴美 Kimi Sakaki
1983年和歌山県生まれ。和歌山県「熊野」の地で幼少期を過ごした後、2010年に東京造形大学美術学科卒業、2012年に東京造形大学大学院(修士課程)修了。
子供をあつかった絵画作品を主に制作。日本独自の感覚や、象徴的な形を取り入れるなどし、絵画、写真、版画、インスタレーション等、様々な媒体での表現をおこなう。
Aira
ソウルにある美術大学に進学し、大学では油彩を専門に勉強をしていたが、途中休学をし、海外旅行をしながらダンスを勉強したりしている内に、大学には7年間在籍していたとのこと。
Airaの作品は日本の文化に合いやすく楽に日本のカルチャーに溶け込んでいるため、作品に統一性をもたせて、ひとつの世界観を築いていっている。
石川美奈子 Minako Ishikawa
石川美奈子の真骨頂は、1本の細いアクリルで描かれた線をその配色を微妙に変えながら幾千にも並べられたその美しさにある。 細い一本の線を左右にぶれることなく一直線に同じ太さで描き続けることは尋常なことではない。
透明のアクリル板の上にレインボーカラーで作品を彩ったと思えば、白いキャンバスの上にブルー一色に描くといったように変幻自在に形を変えながら、グラデーションで見る人を魅了させていく。
工藤千紘 Chihiro Kudo
工藤千紘の絵には人を引き付ける不思議さがある。 どことなく、奈良美智のようなタッチや技法を思わせる作品には独特の絵画の魅力がある。
青森出身の工藤千紘は名古屋芸術大学の大学院を修了後、損保ジャパンのFACE展やタグボートアワードで入選を遂げた。 そんな彼女の描く女性像はほのぼのとした雰囲気の中に奇妙さと可愛さの絶妙なバランスが上手く表現されている。
坪山斉 Hitoshi Tsuboyama
仙台生まれ、東京藝術大学の油画を卒業した坪山は現在は福岡に住んで先品を制作している。
坪山斉の作品をよく見ると、地形図の等高線によって区切られた面を今度は個性や特徴を消すかのように塗りあげている。 西洋絵画における立体的な表現と、東洋絵画のもつ平面的な表現のよい部分を併せもつように描かれているのだ。
濱村凌 Ryo Hamamura
武蔵野美術大学を卒業したばかりの濱村凌はひとことで言うと「オーロラで描き出す」アーティストである。 単なる人物像を描いているのではなく、その中に介在する心の内側をオーロラのような発色のメディアを多用することで表現している。荒削りな部分はなく、繊細な表現が完成しているところは、すでに風格さえ備えている。
杉田陽平 Yohei Sugita
アート界の革命児として注目を集め続ける画家・杉田陽平。武蔵野美術大学在学中から頭角を現した杉田は数々のアワードの受賞し、一躍、時代の寵児になった。その後も着実に実績を積み作品を精力的に発表。近年は抽象画に戻り、アクリル絵具の皮をコラージュした平面・立体作品を制作している。
シムラヒデミ Hidemi Shimura
武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科ファッションデザイン専攻を卒業後、2007年より、上海に拠点を移し2013年12月まで滞在。 上海滞在中から積極的に発表の場を設けていたシムラは、日本や上海はもとより、ヨーロッパ・アメリカ各都市など、海外の様々な場所でも多く作品を展示。作品に対する真摯な姿勢が高い評価を生み、次から次へと活躍の場を更に広げている。
徳永博子 Hiroko Tokunaga
日常で目にする風景や物、人からインスピレーションを受け作品を展開する徳永博子。 アクリル板を丁寧に削りながら描く繊細で儚い表情が、なんとも印象的な作品群。 それは、幻想的であり決して掴む事のできない刹那的な美しさがある一方、幾重にも重なり集合体となる事で、厳かで神秘的なオーラを纏いながら、永遠を想わせるようなスケール感を放つ。
伊藤咲穂 Sakuho Ito
1989年島根県生まれ。大学2年生の冬、富山県五箇山の和紙工房で楮の繊維に触れたことが契機となり、自国の文化に深く興味をもつようになりました。 幼少期の体験を基に研究の末、独自の漉き方で漉いた紙(手漉きする際に、金属の鉱物を混ぜ酸化反応させた「錆和紙(さびわし)」)をはじめ、楮や三椏、雁皮、麻、 金属の錆について研究し、地元島根県や国産の原料を扱うことに重きを置いて制作している。
Namiko Kitaura
フリーランスとして日本、イタリア、イギリス、フランスを拠点に活動を続けている写真家。 1996年に絵画を学ぶためイギリスに渡り、University of the Arts Londonを卒業。その後にイタリアに渡り、ベネトン社主宰のアーティスト・イン・レジデンスFABRICAでは日本人初の写真家としてスポンサーを受け経験を積んだ。 国内外の有名ブランドやファッション誌、広告を手掛ける傍ら、作家として社会に潜む様々な問題と向き合い、その裏にある言葉にならない感覚や感情を独自の撮影手法にて視覚化している。
神田さおり Saori Kanda
幼い頃、バグダッド(イラク)とドバイ(アラブ首長国連邦)にて育ち 世界のうつくしさと共に日本への憧憬を強烈に体験する。 世界中を旅しながら様々な場や人との出逢いに全身で感応し、そのエネルギーを表現し続ける。 ”LIFE PAINTING”と銘打たれたライブペイントでは躯全部で音の波を感じとり大画面を踊る様に描き上げる。 生き物の様に変化し続ける画面は、描かれては壊されまた産まれ、自由奔放な命がほとばしる。 描いている肉体自ら絵の一部となり、空間を満たすペインティングに各方面から注目が集まっている。
Limo
Headpiece & Mask “LimoPiece”の作家。手術室看護師からヘアメイクアップアーティストへ転身、渡米。
自由奔放に様々なジャンルのアーティストとコラボレーションしながら創作活動する。
2017年 UNKNOWN ASIA ART EXCHANGEにて審査員賞受賞。
2018年 SICFファイナリスト。
日本のギャラリーが単体でこれほどまでの広い空間で展覧会を開催するということは過去にありませんでした。
なので、台湾をはじめ、アジアの人が日本人アーティストの若手アーティストの作品の実物を見る機会も少なかったのが現状です。
日本は現在、急成長するアジアのアートマーケットにおいて存在感がかなり薄くなっています。
そのような中で、このような美術館クラスの展示場所で大規模な展覧会を行うことは大きな意味があります。
今回の台湾での展示はまだ序章に過ぎません。
中国をはじめ高い成長力のあるアジアのアートマーケットで、日本が誇る質の高いアートを見せることは日本の文化を対外的に認知してもらうことにつながります。
タグボートは現代アートのオンラインギャラリーとしてこれまで14年にわたって事業を続けてきましたが、今後は若手アーティストをもっと育成して、プロモートするエージェントとしての機能を拡大していきたいと思っているのです。
この機会にアートを購入するお気持ちでご支援賜ればありがたく、心よりお願い申し上げます。
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