8月14日のブラサカ女子日本vsイングランド戦を皮切りに、皆さまに連日熱く応援いただいた世界選手権。ブラインドサッカー男子、女子、ロービジョンフットサル日本代表は、昨日までに全員無事に帰国しました。ワールドゲームズ日本選手団の約半数を締める56名のブラサカファミリー。誰一人欠けることなく、無事に出国し、戦い抜き、また日本に戻ってこられたこと、日頃より応援くださっている皆さまのサポートやご理解あってのことです。本当にありがとうございました。
以下、各カテゴリーの監督と主将からの大会の振り返りおよび応援してくださった皆さまへのコメントです。
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5位入賞 ブラインドサッカー男子日本代表
●中川英治監督のコメント
今大会5位という結果で、日本の世界ランキングが4位なので、世界ランク通りの結果となりました。大会全体としては、出場16チームの力の差はほとんどなく、その中でブラジル・アルゼンチン・中国は一歩リードしている状況。この一歩リードしている3チームにどれだけ近付いていくかが、今後の大きな課題だと思っています。ただ、中国と今回対戦してみて、大きな力の差は感じなかったですし、ブラジル・アルゼンチン相手にも、先々月の大会で良いパフォーマンスができたので、本当にあと一歩のところまで来ているなという印象があります。今回、既にパラ出場権を獲得しているチームのうち、2チームが予選リーグ敗退という予想外の結果だったので、準々決勝で負けた後に、2試合連続で勝たなければならないという大きなプレッシャーはあったのですが、よく選手もスタッフも乗り越えてくれたと思いますし、今まで悔しい想いをしてきた経験が、すごく活きたのではないかなと思いました。
選手・スタッフの力もそうですが、スポンサーの皆さんのご支援や、今まで悔しい想いをしてきて、協会が普及や育成にもしっかりと目を向けて取り組んできたことなど、そういった全体の取り組みというのが、今回の成果に繋がったと思います。今まで歴史を繋いできてくれた人たち、応援してくれる皆さんに本当に心から御礼を申し上げたいです。たくさんの応援、ありがとうございました。
●川村怜主将のコメント
初戦は緊張感がありながらも勝ち点3を狙いにいきましたが、試合終了間際に追いつかれて勝ち点1となり、かなり落ち込みました。しかしすぐ切り替えて2戦目に挑めて、タイ戦で勝ち点3を取って、そこから勢いに乗れたと思います。トルコ戦もかなりハードでしたが、平林選手がいい時間帯に点を取ってくれて、いい流れでグループリーグ突破を決めることができました。準々決勝中国戦に向けては、最高の準備ができ、集中して試合に挑めましたが、日本のミスから失点してしまって、流れが中国に向いてしまい難しいゲームになりました。ただ完全に崩されてやられた感覚はなかったので、それだけに余計悔しく、一瞬心が折れそうになりましたが、「あと2勝すれば、いけるんだ」とみんなで励まし合い、ポジティブに声を掛け合って、チームを立て直して、メンタル的にもいい準備ができました。フランス戦も、平林選手の先制点に加えて、私自身も追加点が取れて本当に嬉しかったですし、個人的にも世界選手権で初ゴールを決めることができました。とにかく枠内に強いシュートを打つという思いで振り抜いたら、良い結果になりました。試合は結果的に2-0で、これまでの大会も含めて、2点目が取れないという課題がずっとあったので、そこも克服でき、無失点で、本当にいい勝利だったと思います。感覚的にも勢いに乗れた勝利でした。5位決定戦は、アジアのライバルのイランということで、やはり中国もイランも超えないとパラリンピックには行けないんだと、運命なんだなと感じましたし、神様が用意してくれたシナリオ、私たちに与えてくれた試練というか、こういった道のりを用意してくれたと感じました。歴史を作る、壁を乗り越えていく力があるチームだと信じていたので、後半、諦めずに戦い続けて前に進んだことでフリーキックを得て、上林コーチの指示通りにいつもの練習通り蹴って、みんなの気持ちがボールに乗って、ゴールに吸い込まれたんじゃないかなと思います。日本チーム全員で掴み取った、日本中から応援してくれた人たち、スタンドから応援してくれた人たち、そして今回はブラインドサッカー女子日本代表、ロービジョンフットサル日本代表と、3カテゴリーみんな切磋琢磨して、みんなで結果を出して刺激し合って、お互いを高め合ってくれた仲間たちのおかげだなと思います。日本選手団の一員として、世界選手権に挑めて、結果的に5位という成績で終えられたことは非常に満足していますし、パリ大会の出場権についてはまだ確定ではないので、実感が湧かないですが、目標にしてきたところは達成できましたし、今大会では世界選手権過去最高順位ということで、どんどん歴史を作り、チームや自分が進化していくことをすごく楽しく感じています。
応援していただいた皆さん、本当にありがとうございました。皆さんの応援がなければ、日本代表チームはここまで戦えなかったですし、壁を超えられなかったと思うので、スタンドから日本コールを声で伝えてくれた仲間や、日本から声援を送ってくれた方々の想いが、本当に私たちに届いて力になりました。本当に感謝しています。自分たちだけでは、達成できなかったことだと思うので、ブラサカファミリー全員で掴み取った勝利だと思います。これからも日本代表の挑戦は続くので、僕たちの進化していく姿を見守っていてください。応援ありがとうございました。
準優勝 ブラインドサッカー女子日本代表
●山本夏幹監督のコメント
初開催にして初出場となった今大会。サポーター、スポンサー各社の皆さまをはじめ、多くのブラサカファンが女子日本代表を支え、後押しをいただいたおかげで最後まで戦い抜くことができました。心より感謝申し上げます。私たちはこれまで第一回世界選手権の優勝だけを目指して活動してきました。準優勝という結果については、まだ消化しきれていないのが正直なところです。これまでの過程を振り返り、私たち女子日本代表は再び世界一への挑戦を続け、次こそは優勝という形でブラサカ女子の未来に繋げたいと思います。
決勝戦は日本時間深夜にも関わらず、多くの方が応援をしてくださいました。皆さまのお力のお陰で、選手たちは懸命に走り切ることができました。応援、ありがとうございました。
●竹内真子主将のコメント
この世界選手権という場で、チーム全体でしっかりと戦えた大会でした。ピッチ内外での声掛けや、物事をポジティブにとらえられる場面が多かったと思います。プレーにおいて、声かけでパスがうまくつながったり、守備から攻撃の切り替えが速くできたりと、ワクワク出来るシーンも沢山あったので良かったです。何より、菊島選手だけでなく、島谷選手、若杉選手、竹内がチームの得点に絡めたのも良かったです。ただ、決勝戦のアルゼンチン戦は、前半に菊島選手が先制してくれた得点を守りきれず非常に悔しい思いをしました。過去にアルゼンチンと対戦した時よりも、見違えるほどアルゼンチンが上手く強くなっていたので、次はブラインドサッカー女子日本代表がどのチームよりも強くなりたいという目標が明確にできました。しっかり反省と振り返りをして、私たちは前に進んでいきたいです。
応援してくださった皆さま、本当に沢山の熱い応援ありがとうございます。皆さまからの声援、動画やメッセージに毎試合励まされてパワーをもらっていました。まだまだ、成長できる要素がたくさんある私たちですので、これからもチーム全体・個々人で努力を積み重ねていきます。今後とも応援よろしくお願いいたします。
4位入賞 ロービジョンフットサル日本代表
●金川武司監督のコメント
ウクライナ、トルコ、イングランド、スペインとの試合を終えて、世界大会は4位という結果となりました。内容に関しては格上相手に内容も大事ですが、勝ちにこだわる戦術の中で選手はハードワークなDFを常に続けてくれました。今までの対戦成績に関して選手自身も世界大会での勝利に対してのイメージがありませんでしたが、そのイメージを変えるべく自信を持って全員で出来ることを常にやり続けることで、素晴らしいDFをしてくれました。その結果、選手が世界相手に戦えるメンタリティを持つことが出来たと感じています。その結果として、ロービジョンフットサル日本代表初のベスト4進出することが出来て嬉しく思います。そしてこの結果を通して今後のロービジョンフットサルに対する意識や考え方、チャレンジを全員で少しずつでも進めていくことがロービジョンフットサル日本代表に必要だと感じています。
日本との時差がある中で、たくさんの方がYouTubeを通した試合観戦での応援、またSNSでのメッセージが届きました。感謝の気持ちを結果で返せるように全員でまずは世界大会1勝、そしてメダル獲得を目標にしていましたが、最後は叶わず敗退となりました。この大きな宿題をもらいましたが、ここで下を向かずロービジョンフットサルを通して1人でも多くの方に笑顔を届けられるように全員で前を向いて頑張って行きますので、ロービジョンフットサル、ブラインドサッカーの応援を引き続きよろしくお願いします。
●岡晃貴主将のコメント
今回の世界選手権を通して、チームが成長し、一丸となったことで、”勝ち”を掴みとることができました。その結果、世界ベスト4に入り、ロービジョンフットサル日本代表の歴史を変えることができ、過去最高の成績を残せたことをとても嬉しく思います。
この結果は、これまでロービジョンフットサルを繋いでくれた方、応援をしてくださった方々、サポートしていただいた方々の多くの支えの積み重ねにより、今回勝ち取れたものであり、本当に感謝しております。今大会では、その支えてくださっている方々に対し、 「感謝の気持ちを結果で返す!」という合言葉とともに、代表活動を行いました。言葉だけではなく、しっかりと形にできたことは良かった点だと思います。
ですが、まだまだ現時点での立ち位置は、メダルまでの道のりは遠いのが事実です。今後とも、みなさまに助けていただきつつ、応援したくなるチームになれるよう努力し、また感謝の気持ちが当たり前にならないように突き進んでいきますので、今後ともご声援よろしくお願いいたします。
「行くぞ! 1.2.3 日本!!」
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各カテゴリーの競技成績、個人賞等は下記をご参照ください。
ブラインドサッカー男子:https://www.b-soccer.jp/news/23216-20230826-2
ブラインドサッカー女子:https://www.b-soccer.jp/news/23175-20230824-3
ロービジョンフットサル:https://www.b-soccer.jp/news/23201-20230825