はじめに・ご挨拶
はじめまして。
大阪府を中心に活動している山岳団体「なにわ岳友クラブ」と申します。
私たちは大阪府を中心に、兵庫県、京都府など周辺の府県から集まった会員30名程度で「アルパインクライミング」を追求するべく活動しています。毎日のトレーニングを欠かさない78歳から経済学を学ぶ大学生まで、幅広い年齢層のメンバーが集まって、高所山岳を意識した登攀訓練や「仲間は仲間で助ける」の合言葉のもと遭難対策訓練に取り組んでいます。登山というと年配の人が多い古臭いイメージですが、本会は来年で10周年を迎えるばかりです。同じような活動を志向する山岳会の中では非常に若い山岳会です。
このプロジェクトで挑戦したいこと
本プロジェクトでは本会創立3周年事業「ジュガール・ランタン山群 キュンカ・リ南西壁(未踏峰)」に続き、創立10周年記念事業として「ランタン・ヒマール 未踏峰ユブラ(6264m)」への登頂を目指します。
日本は超高齢社会に突入します。2065年には日本の高齢化率(65歳以上)は38.4%に達する推定で、75歳以上の人口割合は25.5%、つまり3.9人に1人が75歳以上になります(内閣府, 2019)。世界で初めての超高齢社会。1人の高齢者を若い人が3人がかりで支える時代が来るのです。自分はどうなるのか?自分の子どもたちはどんな日本に生きねばならないのか…?不安・焦燥・憤り...。
1人のベテラン高齢クライマーと、3人のひよっこ駆け出し山登ラーが手と手を取り合って、たまに弱音を吐きながら未踏峰に挑戦する
日本にのしかかる重苦しい不安を吹き飛ばすような、そんな企画になればいいなと思います。
目的
今回の遠征は、アルパインスタイルの継承を目的としています(アルパインスタイルに関しては以下「私がこのスポーツを始めたきっかけ」をご覧ください)。
*ツアー登山ではない、「山岳会」としての海外遠征登山のノウハウを学び、実践し、受け継ぐ。
*日本山岳での基本訓練の繰り返しで培った技術を、文字通り世界最高レベルの舞台で実践し、次の世代へ繋いでいく。
*ネパールと日本の山岳界を繋ぎ、志を持つすべての登山者がヒマラヤ登山に挑戦できる未来を創る。
装備・技術・リスクなど、登山は挑戦を始めるには敷居が高い活動ですが、活動への参加は年齢・性別・立場・大学山岳部への所属経験などに左右されるべきではないはずです。適切な努力の下で誰もが等しく挑戦する権利を有するはずです。私たちの挑戦が、挑戦に悩むみなさんの背中を一押しし、「アルパインスタイル」を今少し未来に拓くことができれば幸いです。
メンバー紹介
山頂を目指す私たちは、隊長を除くと全員が登山歴10年未満の「ひよっこ」です。
お金持ちでも、特殊な資格持ちでも、プロの冒険家でもありません。
隊長:山田
計画実施時には79歳での未踏峰への挑戦となります。登頂に必要な装備を自分で背負って、山頂に立つ計画です。
登攀隊長:赤沼
大学院生。登山・就活・研究の3足の草鞋で登っています。
会計:永井
30代現役バリバリの社会人です。休みを取るのに苦労しています。
食糧:土山
経済に関して学ぶ大学生。山を始めてまだ1年未満です。体力には自信があります。
私がこのスポーツを始めたきっかけ
「アルパインクライミング」とはなんなのか。私たちの会を語るには避けては通れない問いに(多少長くなってしまいますが)少しここで触れていきたいと思います。
アルパインクライミングはしばしばフリークライミングと対比する形で使われ、「山岳地域を対象として行われるクライミング行為」程度に語られることが近年多くなってきました。
しかしその定義に疑問を呈するのが私たちです。ではどこに異を唱えるのか?
フリークライミング人口は急速に増加しています。オリンピック競技として国内外で活躍する日本人選手も増え、フリークライミングをする高校生をテーマにしたアニメも公開されました。屋内外問わず、安全が確保された環境でロープを使い、手軽に取り組めるスポーツとして競技人口が飛躍的に増加しています。
それ自体はとても良いことなのですが、競技人口の増加に伴い、フリークライミングの延長としてボルダリングジムから外岩(自然の岩)を登りはじめ、その流れでアルパインクライミングへ…という人も多くなってきており、それに伴って従来ではあり得なかったような山岳遭難事故も目立つようになってきました。
安全の確保された環境で行う「フリークライミング」と、厳しい自然環境の中で不確実性を背負う「アルパインクライミング」は全く別の行為だと私たちは考えています。アルパインクライミングはさまざまな危険をはらむ「山に分け入る行為」であり、「安全が確保された」環境で手軽に取り組める「スポーツ」や「競技」では決してないのです。しかしながらその意識が現在の日本の登山スタイルの中では非常に希薄になっているのではないだろうか…。この問題意識を登山界で提唱し「アルパインスタイルの継承」を掲げて本会を結成されたのが、本会初代会長である山田慶周氏です。その思いに賛同し、集まった会員で基本訓練とレスキュー訓練を繰り返し、来年で設立10周年を迎えるのが本会「なにわ岳友クラブ」です。
これまでの歩み・軌跡
「アルパインクライミングを目指して日々鍛錬する。その技術を試す最高の場所がヒマラヤである。」
この指針のもと計画を立て、訓練を行なっています。以下のようなポリシーで本企画を計画しています。
*成功は基本訓練の繰り返し
訓練時には基本の繰り返しを徹底しています。基本無くして応用なし。体力7割:技術3割の地道な訓練の反復で山頂を目指します。
*仲間は仲間で助ける
どれほど気をつけて訓練を重ねても登山活動に事故はつきものです。それゆえに遭難した際には自分たちで初期対応を適切に行い、迅速な対応をする必要があります。徹底した危機管理は本会の誇りとするところです。
*「ツアー登山」でなく「山岳会」であれ
このため、山の選定から計画立案、資金・装備調達、他多数。すべてを仕事や学業の合間をぬって自分たちで行なっています。特に現在はCovid-19の影響でアウトドアブームが来たとはいえ、フリークライミングやハイキングが主流です。私たちは大学などの層の厚い組織でも、歴史ある山岳会でもないので、後援会も認知度もありません。活動・理念の認知や理解がなかなか得られないのが現状で、1から道を拓いていく必要があります。
*現地への貢献
上述したように余裕のある計画ではありませんが、現地ポーターへの給与や補償は十全なものにしたいと考えています。
Covid-19や歴史的な金融不安など、先の見えない中で山とそれを取り巻く全ての人々が持続的に登山を続けられる環境を維持したいと考えています。
資金の使い道・実施スケジュール
[資金の使い道]
ヒマラヤ登山等では道中いくつものテントを張るため、ポーターという役割の方々を雇います。そのようなお仕事で生計を立てている方々もいらっしゃいます。
コロナによる観光業への影響も勘案し、今回みなさまからお寄せいただいた資金は現地ポーターへの給与や保険・万が一の補償への使用を第一とします。
歴史的円安の影響で資金的に非常に苦しくなりましたが、この出費だけは減らすことができません。
ご協力いただけたら幸いです。
現地ポーター給与等:$11,430 *1 *2
雑費:約¥400,000 *3
*1:6月14日(文書作成時)現在の為替レート約¥140/US$で計算
*2:チップ・生命保険等を含みます
*3:リターンの原価や、この場を提供くださった(株)CAMPFIRE様への手数料などです。
*4:上記は推定ですので、多少の変動が見込まれます。
[実施スケジュール]
2023年6月〜9月:訓練と並行し、計画立案と資金集め
10月26日:出国・首都カトマンズへ
10月下旬:カトマンズで買い出しや現地本部と打ち合わせ
11月3日:麓の村キャンジンゴンパ着
同4〜19日:順次高度順応をしCamp 2まで設置、荷揚げ
同20日:登頂
同21日〜23日:C2を撤退しキャンジンゴンパ・カトマンズへ
同28日:帰国
翌2024年2月:北アルプス山麓、長野県安曇野市にて報告会実施予定*4
*4安曇野市市民活動サポートセンターHP。詳細等は今後センターHPに情報をUPしていただけるようです。なお、安曇野市市民活動サポートセンターは本計画とは無関係です。
リターンのご紹介
以下の5つのリターンの組み合わせを想定しています。
【随時報告メール】
本遠征の途中経過と結果が知りたい方へ。渡航から帰国までの1ヶ月間で、4回〜5回(1週間に1通が目安)の近況報告メールをお送りします。登頂できたか、ネパールでの生活などを発信します。
現地の電波環境などによって配信本数が少なくなったり、配信頻度が偏る場合があります。
※プロジェクトが感染症や政治・経済的理由などで実施できなかった場合は、私たちが日本の山岳で撮影した「日本の絶景ポストカード」を1枚(画像はお選びいただけません)お送りします。ご了承ください。
【ヒマラヤの絶景ポストカード】
今回の遠征で撮影した写真を使って、ポストカードを作製します。
ご友人に贈ってもよし、ご自宅に飾ってもよしの美しい仕上がりを目指します。
完成サイズは100mm×148mmを予定しています。
また、10枚1セットでお送りします(随時報告メールの代替の場合を除く)
※プロジェクトが感染症や政治・経済的理由などで実施できずヒマラヤの絶景写真が撮れなかった場合は、私たちが日本の山岳で撮影した「日本の絶景ポストカード」に変更してお送りします。ご了承ください。
【登山報告書】
これまで数々の登山隊を率い、未踏峰への挑戦も数多こなしてきた登山家である山田が作成に関わる報告書です。隊員の個人情報などは削除しますがそれ以外は本会での報告に用いる本格的な報告書になります。これから未踏峰を目指す方、未踏峰を目指すという行為に興味がある方に手に取っていただけたらと思います。
※プロジェクトが感染症や政治・経済的理由などで実施できなかった場合、登山報告書の代わりとして、登山計画書や作成手順、中止直前までの過程を記録した「経過報告書」をお送りします。ご了承ください。
【座談会ご招待】
登頂できてもできなくても、安曇野市での報告会の前後どちらかの休日を使って安曇野市内で座談会を開催します。こちらは報告だけではなく、より気楽な相互交流的な会にしたいと考えています。渡航できなかった場合でも、日本の山岳での体験を共有したいと考えています。
ちょっとマニアックな話が連発するかもしれませんが、登山に興味がある方も、これから山を始めようかという方も楽しめるような内容にしたいと考えています。
※報告書代・ポストカード代・飲料水+軽食代のみを含み、現地までの移動費等を始め費用はご自身でのご負担となります。特に報告会と両日参加される方はご自身での宿泊施設の手配をよろしくお願いいたします。
※座談会中に移動する場合は公共交通機関を想定しています。
※安曇野の景色を見ながら街の散策などを予定していますが、天候などの関係で飲食店での開催になる可能性もあります。
※本座談会は先にご紹介した安曇野市市民活動サポートセンター様との活動とは無関係で、本会で主催する座談会となります。安曇野市市民活動サポートセンター様の活動で行う報告会は、どなたでも参加できます。詳細は上掲のHPをご覧ください。
※皆様と存分にお話できるよう、本申し込み1件につき最大2名様までの参加とさせていただきます。
【画像ダウンロード】
今回の遠征で撮影した写真を公開いたします。ご友人と写真を眺めるもよし、写真を見ながら次の旅行先を考えるもよし。ご自由にダウンロードしてお使いください。100枚ほどを想定しています。
写真は以下のポリシーで公開いたします。
・麓の町(市場や町の様子)や山岳風景写真
・書籍や人物(顔が判別できる)などの写ったものは使用しない
また以下をご了承ください。
※写真は素人の撮影によるものです。また、厳しい自然環境を想定した機材を使用しますので、本格的な撮影機材による撮影ではありません。
※プロジェクトが感染症や政治・経済的理由などで実施できずヒマラヤの絶景写真が撮れなかった場合は、本会オリジナルTシャツ(2着)を代わりにお送りします。サイズと色をご指定ください。
[リスクについて]
未踏峰登山という特性上、下記のようなトラブルが考えられます。ご理解の上ご協力いただきますようお願い致します。
・登頂できない
・現地の政治・治安・環境状況によって対象ピークを変更する
・重大な事故/死亡等により、リターンを実施できない。
最後に
日常的にクラシックな登山に触れない方にとっては、所々アクの強い箇所もあったかもしれませんが、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
「アルパインクライミング」の追究。もし少しでも興味を持っていただけたら、私たちの活動をお近くのご友人にお伝えいただけると幸いです。その中にもし私たちの活動にご注目くださる方がいらっしゃれば、これに勝る喜びはありません。
今回の活動を通して「こういう登り方もいいな」と思った方。次回の遠征で一緒に山頂を目指しませんか?
大阪府山岳連盟 なにわ岳友クラブHP
本会遠征部門Instagramを開設しました。日々の活動をアップしていますのでぜひご覧ください。
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<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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