6月10日土曜日、ブイサード前日。
警戒ちゃんは窮地に立たされていた。
腹が痛い。そう、とてつもなく腹が痛いのだ。
変なものを食べた記憶もなく、乳製品を食べすぎたわけでも無い。
自身の体調の変化に戸惑いつつも、ブワッと全身の毛穴から汗が吹き出してくる。
あ、これ、緊張だ。
時は数週間遡り、5月下旬。
休日の朝、Discordの通知を見て跳ね起きた。
「見て!?」
ドタドタと階段を駆け下り、ぺんぺんにスマホの画面を向ける。
『ブイサードのオファー!?』
個人勢Vtuberがなんとあのvortexで LIVEができるとそんな上手い話しがあるわけ…あった。なんて夢のような話だろう。どうして我にオファーを下さったのだろうか。
しかし、警戒ちゃんは「vortexでワンマンライブがしたい!」という趣旨の元、クラウドファンディングを立ち上げる腹づもりだった。
その上でこのオファーを受けることを悩んだが、事前にvortexの良さを体験できること、また、みんなにvortexについて知ってもらうチャンスであることは間違い無いため、出演することにした。
6月11日日曜日。当日。
朝から土砂降りの雨の中、とあるスタジオに向かう狐とペンギンがいた。この狐は整腸剤を飲んできている。
「ここで合ってるかな?」
オートロックのインターホンを押すと軽やかな音がエントランスに響いた。
「はい」女性の声だ。
「あ、えっと」突然コミュ症になる警戒ちゃん。
「ブイサードの方ですね」と案内してくださる女性の方。
オロオロしていると自動ドアが開き、不審者で無いことが認められた。そこから迷路を進み、遂に辿り着いた扉。
「こんにちはー、警戒ブロオドキャストCHERRYです。本日は宜しくお願い致しますー」
恐る恐る挨拶をするとスタッフの皆様が笑顔で挨拶を返してくださった。
玄関から土足厳禁。スリッパを出して頂いた。ふかふかだ。新品の靴下を履いてきて良かったと心から思い入室。
部屋全体が温白色のスポットライトに照らされ、石目調の壁が高級感を感じさせる。
さめのぽきさんたちがお出迎え。
金色のぽきさんは非売品とのこと。
壁に貼られたモニターには芸術作品が飾られていた。
先に到着していたみ音ちゃんに挨拶をし、手土産を並べる。全員が到着する頃にはカウンターは様々な差し入れで埋め尽くされた。
先に控え室に通され、順番にスーツを装着していくことを説明頂く。スタッフの導線と空間が区切られており、非常にリラックスできる空間。ソファーの座り心地が大変良く、眠ってしまいそうだ。
何故かコーヒーメーカーからスープから味噌汁まで用意してあり、ホスピタリティに溢れ過ぎていた。
夕月ティアちゃんがポップコーンメイカーを使用したいと駄々捏ねていたが、だんご先生に止められてた。また、ウォーターサーバーがあり冷たいお水がたくさん飲めた。
また、驚いたのはトイレ。ブルジョワなトイレ。
トイレを見ればその家がわかると言うが、広くて大きいトイレには驚いた。
リハーサルは出演順に始めるため、警戒ちゃんからスーツの装着に入った。事前に身長と靴のサイズを伝えていたためスムーズに準備が完了。
個室で着替えるためプライバシーは万全。装着が難しいところはスタッフさんに聞き微調整。
あれよあれよとイヤモニから何からセットされリハーサルへ。
スタジオにはモニターが複数枚設置してあり、ダブルスの卓球が余裕でできそうな広さ。スタッフルームとスタジオはガラス越しで見えるようになっており、トラブルがあったときにも意思疎通できるようになっていた。
そしてセンサーは、流石のOptiTrack。細かい動きまで反映される。手足が手足になった瞬間だった。エヴァンゲリオンのシンクロ率ってこういうことを言うのかな、と考えながらリハーサルスタート。
音とモデルの調整をメインに軽く歌唱していく。調整が終わったら別の方へチェンジ!
出番では無い時は、演者の皆さんをお話しながらご飯を食べていた。
個人リハーサルから全体リハーサルが終わる。
控え室にある大きなモニターでブイサードの配信を観れる様にして頂き、全員が見守る中、警戒ちゃんは本番へ。
※本番については↓
アーカイブチケットからご覧ください。
http://pjblue.zaiko.io/item/356745
本番を迎えて、思ったことがいくつかある。
●カメラマンの判断が的確すぎる。
可愛いとは、何か。視聴者は何を求めているのかが分かりすぎている。これはスクショが捗るわけだ。
●ライトの演出が神。
事前に曲のテンポを提出していたこともあり、ライトが曲(テンポ)にあっていた。また、曲調から色や雰囲気の違いを魅せる演出が堪らなかった。
●音響が綺麗すぎる
歌いやすく調整してくださったおかげで気持ち良く歌うことができた。気持ちよかった。また感じたい。アーカイブでも音の良さは感じてもらえると思う。
●スタッフの配慮
優しい。現場はどうしてもトラブルが発生したりピリピリする場所だが、演者に対して一切見せず、パフォーマンスに全力になれるように気を配っていた。
●総監督がさめ
自由気ままに飲み物飲んでいたり、控え室に来たり、喋ったり仕事していたり、「非日常」の現場で「日常」を感じることで安心できた。
全員がチームとなってエンターテイメントを作っているvortexだからこそ、安心して最高のパフォーマンスを作り出せる。
これがどれだけ有難いことかしみじみ感じた。
打ち上げ配信も終わり、終電が近づいていたチーム警戒荘から帰宅準備へ。
長い長いブイサードだったが、終わってしまえばあっという間。
1回モーションキャプチャーを経験したから満足かと言うと、それは全くなく、このvortexでやりたいことが増えてしまった。
もっと歌えた
もっと動けた
もっと可愛くできた
もっと楽しみたい
もっと届けたい
もっと成長したい
素敵な異空間を提供してくれるvortex 。
さらにたくさんの人に使って欲しいです。